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トラック運送事業者に対する労働局や労働基準監督署の臨検や送検の結果は?

厚生労働省では、毎年、全国の労働局や労働基準監督署によるトラック運送事業者への監督指導を実施しています。

耳にしたという人もいると思うけれど監査指導の状況や結果がどのようなものなのかわからないですよね?

貸切バスの事故などで厳しくなっているという噂もあり正確な数字が知りたいと感じていることだと思います。そこで今回はトラック運送事業者に対する行政(労働局や労働基準監督署)の監督指導の結果について紹介していきたいと思いますので、参考にしてくださいね。

監督指導や送検の結果は?

ご存知の通り、厚生労働省はトラックの乗務員が長時間労働などが原因で脳や心臓疾患の労働災害認定件数が第1位の職種であるとして行政から完全に目をつけられています^^;

最近の平成26年の監督指導及び送検の結果がまとめられていましたので紹介しますね。

監督指導を実施回数は2765事業場

 

○労働基準関係違反・・・2311事業場(約8割強)

<違反ランキング>

①労働時間(59.4%)

②割増賃金(23.8%)

③休日(6.9%)

 

○改善基準告示違反・・・1845事業場(約6割強)

<違反ランキング>

①最大拘束時間(54.9%)

②総拘束時間(43.3%)

③休息期間(42.7%)

さらにさらに、重大または悪質な労働基準関係法令違反により40件が送検されているという結果がでています。

やはり労働基準監督違反や改善基準告示違反に該当している事業場の数は多いです。荷主が強要してくる現状、荷主の方に指導しなければ改善しない問題なのではないでしょうか?

代表的な臨検監督の事案①

最近、よくあるのが労働者からの相談をきっかけに事業場の臨検監督が実施されるパターンです。最近、ガイアの夜明けでも運送会社と労働者が争う姿が紹介されましたが、このように労働者からの悲鳴が右肩上がりに上がっています。

そして、その情報などをもとに臨検監督を行った結果…

①複数の運転者で6週間まったく休日が取れていない

②特定の運転者で1ヶ月の拘束時間が400時間を超えていた

このような事例があったそうです。

そこで労働基準監督署は運行計画の変更運転者の増員のほか、協力会社への業務委託などの取り組みを指導して休日労働をなくしたことで、1ヶ月の拘束時間が最長でも280時間で違反が是正されたそうです。

代表的な臨検監督の事案②

ふたつ目の臨検監督の事例。

デジタルタコグラフや営業日報等の内容から労働時間の実態が…

①特定の運転者において1ヶ月の拘束時間が約500時間。その翌月は約400時間

②勤務終了後、継続8時間以上の休息を与えていない

労働基準監督署の指導で荷主との運行時間についての協議運転者の増員配車計画の変更などに取り組み、その結果、1ヶ月の拘束時間が改善基準告示の上限である293時間を下回り、1日の休息期間が8時間以上を取ることができたそうです。

代表的な送検の事案例③

運転手2人の脳・心臓疾患(うち1名死亡)を発生させた事業場は、

①全従業員の9割に当たる約70人に1ヶ月100時間を超える時間外労働を行わせた

②1ヶ月の時間外労働は平均約150時間、最長で220時間を超える時間外労働(36協定の120時間超える)

重大な法令違反をしていたとして法人事業主を送検したそうです。

それだけではありません。
安全関係でも重大な違反がありました。

①運転手に最大積載量12tの大型貨物自動車の二代の上で保護帽を着用させずに荷積み作業を行わせた結果、荷台から墜落、脳挫傷で意識不明の重体にさせた

②屋根までの昇降設備がなく、作業箇所に墜落防止措置がなされていないまま、運転手に高さ3.4メートルのトラック荷台の屋根補修作業を行わせ、作業中に墜落し死亡。

まとめ

労基法関係で8割強・改善基準告示関係で6割強の違反をしているのが運送業界の実態ですが、たとえ労働基準監督署が指導して改善するために悪質な荷主と契約を打ち切って法令遵守をしても、他の運送会社がすぐに契約してしまう実態があります。

また、なかには改善基準告示の遵守を意識したことで乗務員と賃金トラブルになり、乗務員が集団で辞表を出して運営がどうしようもなくなったという話も耳にしたこともあります。

国は運送会社ばかり処分するのではなく、問題の根本である荷主企業に目を向けることをしなければ、いつまでもこの労働時間違反の問題はなくならないのではないでしょうか。

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