台風などで停電してしまい、作業中断してしまったとき残業代は発生するの?

温暖化の影響かどうかわかりませんが、最近の台風はハンパないですよね。とくに日頃、台風が通っていない進路に台風が来ると想像以上の被害をもたらすこともあります。

千葉県の台風被害も大規模停電してから、なかなか復旧されず、送電されるまでかなり時間を要したのは記憶に新しいですよね。

千葉県以外にも、台風の影響で停電したところもあると思いますが、仮に、台風の影響による停電で作業を中断し、休憩させたとして、そのせいで残業が発生してしまった場合、その分の残業代を支払わなければいけないのでしょうか?

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1.停電で作業が中断してしまいその時間だけ残業が発生したケース

まず労働基準法を思い出してみましょう。

労働基準法では、労働者を法定労働時間の1日8時間を超えて働かせた場合と、週に40時間を超えて働かせた場合は、使用者は、その分について、法律に定められた率で割増した残業代を支払う必要がありますよね。(労働基準法第37条)

では、冒頭で紹介したケースのサンプルとして、次のようなケースではどのようになるでしょうか?

サンプル:

A運送会社
①通常、1日の労働時間8時間
②台風の影響で、停電中1時間休憩せざるを得ない状況。復旧した後、1時間残業。

サンプルを見ると停電のせいで1時間の休憩を取らざるを得ず、その後、作業1時間することになってしまった…。このような場合、残業代が発生するか否かがポイントになってくると思います。

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2.作業中断中の労働者の状態がカギ

さて、今回のサンプルで重要なのは、ズバリ【作業の中断中に労働者がどのような状態だったか?】になります。

そもそも労働時間というのは、堅苦しい表現を使えば「労働者が使用者に労務を提供し、労働者の現実的な指揮命令に服している時間」になりますよね。つまり、労務の提供のために労働者の支配下にあって、かつ実際に指揮命令に服していれば、たとえ、作業をしていなくても【労働時間になる】という解釈になるんです。

ここで例を挙げてみましょう。

たとえば、作業体制下にあって「いつでも仕事ができます!」という状態で、労働者がその時間、自由に過ごすことができないような場合、つまり待機中の時間などは、手待ち時間であり、労働時間に含まれるという解釈になります。

ただ、休憩時間のように、出社してから退社までのように使用者の拘束下にある時間だとしても、労務提供のための指揮命令下になく、労働から解放されている時間は労働時間とはされないことになっています。

3.停電中、労働者が自由な時間として過ごしているのであれば…

では、今回の争点である「台風の影響で停電になったとして、作業をすることができずに、その時間帯、労働者が休憩を取っていた場合の取扱い」は、どのような解釈になるのでしょうか?

もしも、停電で作業をすることができずに、来客も電話もない。または対応を命じていない。つまり、自由に時間を過ごすことが出来る状態にあったとすれば、さきほど説明したように【労働時間に当たらない】と考えることができます。

つまり、たとえ、休憩のせいで1時間残業が発生したように見えたとしても残業代は発生しないということになるんですね。

4.行政解釈はどのようになっているの?

それでは、行政解釈のほうも併せて覗いてみましょう。

「就寝中の停電または屋外労働における降雨、降雪等により、作業を一時中止して自由に休憩せしめ、送電または天候の回復を待って作業を続開し、停電または降雨、降雪で休憩せしめた時間だけ終業時刻を繰り下げた場合、その労働時間が前後通算して8時間以内であれば、通常日の終業時刻以後の労働に対する時間外労働の割増賃金支払わなくてよいのか?」

※なお、就業規則において、このようなケースについてあらかじめ何も定めがないものとして仮定

この問いに対しての回答は…

「労働時間が通算して1日8時間または、週の法定労働時間以内の場合には、割増賃金の支給を要しない」
(昭和22年12月・基発第573号、昭和33年2月・基発第90号)

という内容になっています。

まとめ!

過去の台風と比べて、猛威を振るったり、進路が予想外のところに行ったり…いままで関係ないと思っていても油断できないようになりました。何かあった場合は、今回の行政解釈の判断を参考にしてみるといいですよ。

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