悪質な残業手当の支払いをめぐるトラブルを回避するためには?

「残業代未払いのトラブルに巻き込まれた…。」という運送会社の話を耳にしたことはありませんか?

私は最近、地場で地道に頑張っている、とある運送会社の社長から「1~2年前に雇い入れた乗務員から突然、残業時間未払いで訴えられて困っている。」という話を聞きました。

詳しく話を聞いてみると、どうやらその乗務員は確信犯らしく、1~2年間はまじめに働いて、隙を見て残業代未払いで訴えるという手口を何度も繰り返しているようでした。しかも、実際よりもはるかに労働時間を盛って訴えてきたとのこと。

これは、厄介な問題です。

会社によって理由はさまざまですが、従業員の労働時間を正確に把握していないためトラブルに拍車をかけていることが多いです。そこで、今回は「サービス残業など残業手当の支払いをめぐる問題点で注意すべき点」について紹介していきたいと思います。

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1.労働時間管理は重要

法令遵守できればいちばんいいのですが、多くの運送会社は、荷主の都合や運賃が低いために、どうしても拘束時間が長くなりがちです。経営者も改善基準告示違反をしていることはわかってはいるのですが「臭いモノには蓋」と言わんばかりに、目を背けていることが多いです。

そのため、労働時間の管理がずさんなところが結構あったりするんですよね。

杜撰な管理を乗務員も知っているから、ときに実際は働いていない時間帯までも「俺はこの時間帯も働いていた。ずっと拘束されていた!」と訴えられることもあるんです。経営者も改善基準告示違反や残業代未払いは認めつつも「ちょっと待て!お前はそんなに働いていないだろ!」とツッコミしたくなるような金額を要求されることもあるんですね。

けれど、反論したくても、反論できる材料がないことが多いです。
だから、まずは、労働時間管理をきちんとすること。

これが大事になってきます。

2.労働時間管理は義務

そもそも事業主には、労働者の労働時間を適正に把握・算定・管理する義務が課せられています。

(労働基準法 第108条)

事業主に賃金台帳の調製を義務付け

(労働基準法 施行規則 第54条)

労働者各人別の労働時間数、労働時間外労働時間数、休日労働時間数、深夜労働時間数を記載すること。記録保存は3年間

 

しかも、この規定は罰則付きで、違反すると、なんと「30万円以下の罰金」が科せられることになっています。まずは、このような記載事項をきちんと実行すること。そうすれば、残業代未払いのトラブルでややこしくなるのは避けられます。

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3.管理職の管理も重要!

さらに、これらの数字の元になる内容的な管理も欠かすことはできません。

ふつうの会社では、タイムレコーダーにより時間管理を行う場合が多いのですが、それでも不十分です。第一、タイムカードが押してあっても、それが即労働していたということにはならないからです。

やはり、管理職がその残業が本当に必要なものだったのか絶えずチェックしておくことが大切で、残業申請書などによる手続きや、業務日報などによる確認も大切になります。

また、運送会社で言えば、運行記録計の管理や線引きが重要です。仮に「休憩」等の記載をしていなかった場合、それを逆手に、休憩のところまで労働時間と訴えてくることもあります。

4.裁判や労働審判はどのような確認をするの?

ちなみに裁判や労働審判の場では、タイムカードがある場合であっても、労働時間を確定するために…

  • 毎日の時間外等の在勤時間
  • 業務内容
  • それに関する使用者側の明示または、黙示の指揮命令
  • 休憩の有無

などの確認が行われます。

ときには、労働者が会社を訴えるために証拠として、過去の残業時間を逐一メモをしていることがあります。ときに、より残業代未払いを得ようと、自己に都合がいい解釈をしているケースもあるのですが、このとき、労働者の訴えが間違えであることを裏付けるような帳票類がなければ、相手の訴えの言いなりになってしまいかねません。

5.トラック運送会社の場合は…?

トラック運転者の場合は、各労働時間日の配送先や配送経路、走行時間、積み卸しに要する時間などをタコメーターやETCの履歴、業務日報などの資料に基づき、すべて詳細に確定することになります。

たとえば、法定に提出された大量のタコメーター等のデータをもとに、まずトラックが移動していた時間とそうでない時間を確定したうえ、トラックが動いていない時間では荷積み・荷卸し作業をしていたのかどうか、それ以外の時間であっても、手待ち時間なのかどうか…など、細かな点までチェックされます。

なので、いざというときには、このような記録類やデータを提出できるよう、きちんと保管・管理していたほうがいいです。

まとめ

争いになったときに、自信をもって「あなたの残業時間はこれだけですよ。」と言い切ることのできる客観的な根拠を示せるようにしておくこと―それが会社を守るために大切なことになります。

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