アルコールチェッカーの使用はコロナウイルス感染拡大につながらないの?

コロナウイルスに感染しないか不安の人も多いと思います。

私もコロナウイルスに感染してしまわないか戦々恐々としていますが、一番恐れていることは「自身が感染して家族に何かあったら…。」ということです。だから「コロナウイルスに感染してはいけない。対策をきちんとしよう」といつも除菌を意識して行っています。

同じような気持ちの人が多く、いま運送会社からの問い合わせで多いのが「点呼執行のときのアルコール検知器は実施する必要があるのか?」…ということです。

1.アルコール検知器の使用に不安を感じる運送会社

地場であれば、1日2回、乗務前点呼と乗務後点呼のときにアルコール検知器を使用しなければいけませんが、据え置き型タイプの機器を使用する場合、ストローで計測しますよね。

もちろん、ストローは測定が終わったら捨てるのですが、機器には、多くの人が使用した後の呼気が集まっている…つまり、ウイルスが入り込んでいたら感染するのではないかと感じているドライバーさんも多いです。

また、今回のコロナウイルスがキッカケで、機器に呼吸を吹きかけることに対して「気持ち悪いから嫌だ」とあからさまに嫌悪感を示す人もいるそうです。

2.国の見解

乗務員の意見を受け、運送会社もコロナウイルスの感染拡大している現在、アルコール検知器の使用を一時停止して欲しいと思っているのですが、運輸支局の回答は…

国からアルコール検知器の使用の有無について、特別、通達が出ているわけではないので通常どおり使用してほしい。不安であれば、各メーカーがコロナウイルスへの対応方法を公開しているので、それを参考に継続してほしい。

うーむ…。

運輸支局としても、国が「アルコール検知器の使用の有無」について制限をかけていない以上、このような回答になるのは仕方ないけれど、緊急事態宣言をしている都道府県があるいま「(国も)真剣に考えてほしい」と感じるのは当然のことでしょう。

…とはいえ、ここでアルコール検知器を使用しない場合、行政監査が入ると処分の対象になるため、不満はあっても実施しなければいけません。

3.メーカー側のコロナウイルス対策の案内

それでは、アルコール検知器を販売している企業はどのような発表をしているのでしょうか?

3-1.東海電子

多くの運送会社が使用している据え置き型アルコール検知器を販売している会社のひとつが「東海電子」ですよね。東海電子はHP上で次のとおり案内がされていました。

まず、多くの乗務員が不安になっているアルコール検知器を介してのコロナウイルスの感染についてですが、いまのところ検知器が原因で感染したという報告はないそうです。

呼気を吹きかけるので「危ない!」と感じるのですが、いまのところ大丈夫のようです。ただ、文章にも書いてあるように感染経路が明確になっていないので、安心はせず、洗浄や除菌をすることも勧めています。

なお、清掃・除菌する前に、↓の東海電子のPDFを見ておきましょう。

新型コロナウイルス等の感染症対策について(PDF)

3-2.サンコーテクノ

サンコーテクノも除菌方法への問い合わせや除菌を行ったことで発生するエラー等が起きないように、除菌方法について周知文書を公開しています。

アルコール検知器の本体・マウスピース・従業員それぞれ、どのような除菌を行えばいいのか書かれているので、「サンコーテクノ」のアルコール検知器を使用している運送会社はかならず見ておいたほうがいいです。

ちなみに、この文書に書かれているように「次亜塩素酸ナトリウム消毒液」で除菌ができるのですが、コロナウイルス対策をする場合、0.05パーセントの希釈液を使用する必要があります。(参考:目黒区HP

ちなみに、元の材料は、市販の塩素系漂白剤でOK。
花王のHPでも「ハイター」を利用した作り方が書かれています。(参考:花王HP

4.前例は参考にならない不安感

確かにアルコール検知器を使用したことでコロナウイルスに感染した話は聞いたことありませんが、小さなお子様やご高齢の家族を持つドライバーからしてみれば「いまはまだ感染していないかもしれない。けれど、絶対ではない。」という不安感もあるでしょう。

また、運送会社を経営している社長からすれば「コロナウイルスに感染したら、休業をせざるを得ない」ところまで追いつめられるかもしれない恐怖もあります。

多くの人がアルコール検知器に呼気を吹きかけるので「機器に何かしらウイルスが残っているかもしれない…。」と感じる以上、恐怖で仕方ないのです。

アルコール機器を販売しているメーカーが主張するように、前例がないかもしれません。ですが、絶対ではありません。これから検知器を使って感染するかもしれないと思っている以上、不安は払しょくされないんですよね。

5.乗務員の心を選択した運送会社

コロナウイルスの感染拡大との戦いは、”短期間で解決することは難しい”と判断した、とある運送会社は、乗務員の不安を払しょくするため、ある行動に出ました。

現在、運輸支局は「(据え置き型に不安を感じても)かならずアルコール検知器を使用してほしい」という姿勢は崩していません。だけど、乗務員側はアルコール検知器の使用に難色を示している。

そこで社長は”安いアルコール検知器”を乗務員1人1人に持たせる行動に出ました。

なにしろ、法律上”アルコール検知器の性能は問わない”と書かれています。

安全規則の解釈運用通達
1、第7条第4項関係
・アルコール検知器とは、アルコールインターロックを含み、当面性能上の要件を問わないものとする。

つまり、アルコール検知器は、据え置き型でも携帯型でもどちらでも問題ない。”当面の間は”、性能を見るのではなく、使用しているか否かを見る…となっています。

この社長は、高性能なアルコール検知器を使用したいが、乗務員が不安になるのであれば、1500円前後の安い携帯型のアルコール検知器を乗務員ひとりひとりに渡し、お互いが納得できる方法を選択したというわけなんですね。

つまり、国が特別措置を取ることができなければ、自社のルールを緩和することにしたというわけです。

6.あくまでも選択肢のひとつ

運送会社として、飲酒運転撲滅は必要不可欠です。

しかし、

「(飲酒運転撲滅のため)検知器の機能にこだわるのか?」
「(乗務員を信じて検知器の性能を落とし)乗務員の不安や感染リスクを少なくするのか?」

この2つを天秤にかけたとき、その社長は、乗務員の”心”を重視したそうです。つまり、不安や感染リスクを少なくして、すこしでも安心して仕事をしてもらえるよう環境づくりに力を入れたのです。

これが正解かどうか、正直、私もわかりません。

ですが「法令遵守はしなければいけない。」「しかし、アルコール検知器(据え置き型や携帯型の共用使用)に乗務員が不安に感じている」場合、解決方法のひとつになることは間違いありません。

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