日常点検表が一緒に表示されるタイプのデジタコ日報があります。
けれど、デジタコ日報に日常点検の記録を残すタイプを使用している場合、運行終了後に入力するしかありませんよね。
本来、整備管理者が運行可否決定については運行する前に行うものなので、紙ベースの日常点検表を使用していたときは、その記録も日常点検を終えた後に行っていたかと思います。
そのため…
「デジタコ日報にある日常点検表だけ記録していても問題はないのか?」
「手書きの日常点検も別に記録保存していた方がいいのか?」
「デジタコ日報だけの保存だと行政処分を受けるのか?」
という質問を数名からいただきました。
そこで、今回、日常点検表と一体となったデジタコ日報の管理の仕方について紹介していきます。
1.サイン・押印、記録等の定めはない
そもそも日常点検は、道路運送車両法第47条の2第2項に基づき、1日1回、運行の開始前に実施しています。
(日常点検整備)
第四十七条の二 自動車の使用者は、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。
2 次条第一項第一号及び第二号に掲げる自動車の使用者又はこれらの自動車を運行する者は、前項の規定にかかわらず、一日一回、その運行の開始前において、同項の規定による点検をしなければならない。
3 自動車の使用者は、前二項の規定による点検の結果、当該自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるときは、保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため、又は保安基準に適合させるために当該自動車について必要な整備をしなければならない。
流れとしては、運転手から日常点検の報告を受けた整備管理者(もしくは補助者)が運行可否の決定を下す…この流れが原則だと思います。
ですが、この道路運送車両法第47条の2第2項には、日常点検表への記録方法について、何も書かれていません。
2.日常点検表を記録するタイミングはいつでも良い
運行可否の決定について、必ずしも押印やサイン、記録方法など法的に定められたものはありません。
つまり、極端な話、可否決定が適切に実施されていれば、運行終了後に日常点検表をチェックしても「問題ない」という判断になります。
そのため、運転終了後に、デジタコ日報に日常点検の結果を入力しても法律違反にならないのです。
いままで、デジタコ日報の日常点検表とは別に、手書きの日常点検表を別に保管している運送会社もありました。
しかし、その必要もありません。
もしも、行政監査や巡回指導が行われても大丈夫。
デジタコ日報の日常点検表の記録が確認できれば、それ以上の確認はしない…ということになります。
3.日常点検表の記録保存は必須!
日常点検表の記録保存について定めがないといっても、日常点検を実施し、整備管理者が運行可否決定を行ったということを、第三者に証明しなければいけません。
口頭で「日常点検を実施しています。」と言っても認められないので、必ず日常点検表は必要です。
とくに整備不良は重大事故に繋がるので、「日常点検の未実施」については、他の行政処分よりも厳しい内容になっています。
まったく記録に残していない場合は、初違反でも「5日車×違反車両数」という計算になります。
例をあげると…
5両所有していた場合、5日車×5両=25日車
10両所有していた場合、5日車×10両=50日車
かなりの期間、車両を止められてしまうことになります。
まとめ!
ペーパレスの時代になって、デジタコを使用している運送会社も増えてきました。
自社の管理方法が「じつは違反では…?」と感じていた人もいるかもしれませんが、日常点検表の入力を含めたデジタコ日報については、後で記入してもOKなので、安心して管理してくださいね。