いつもは乗務員として頑張っているAさん。
本店の上司から安全会議に出席するように言われたため、今日は、ビシッとスーツを着て会議に出席しました。
Aさんは身の引き締まる思いで出席したのですが、乗務以外の業務である安全会議にまるまる1日出席し、その日、まったく乗務をしていない場合、「やはり、この日も月および年の最大拘束時間に含むの?」という疑問をふと感じたそうです。
この場合、労働基準監督署の判断はどのようなものになるのでしょうか?
1.1日トラック運転手としての業務を外れた場合はどうする?
話をまとめます。
名前・・・Aさん(40) 職種・・・乗務員 行動・・・本社からの要請で丸1日、安全会議に出席 疑問・・・安全会議の出席で乗務していない日も、月および年の改善基準告示の時間に含めるのか? |
改善基準告示では、拘束時間が月293時間(最大320時間)や年3516時間という決まりがありますよね?
今回、Aさんが質問したのは、運送会社は”運転した日”は月293時間などの時間に含まれるが、1日、運転業務以外のことをした場合、たとえば会議や倉庫内作業をした場合は、改善基準告示に含めないと上司が判断したためだそうです。
つまり、運転した日だけを見ると、月293時間以内なのですが、運転していない日の業務時間を含めると、軽く月293時間を超過しているみたいなんですね。
たしかに「改善基準告示」はトラック運転手のための決まり事です。
Aさんの上司が言うように、1日すべてトラック運転手以外の業務をした時間を含めなくてもいいのでしょうか?
2.改善基準告示に該当
月293時間のルールは運転時間ではなく「拘束時間」です。
拘束時間は、労働時間+休憩時間でしたよね?
Aさんのふだんの業務は「乗務員」。
たとえ、運転業務以外のことを行ったとしても、改善基準告示の対象になります。
今回のケースのように、たとえ、安全会議など改善基準告示対象外の業務を行ったとしても「その安全会議の時間帯だけ、改善基準告示の対象外として考えることは難しい」と労働基準監督署から回答がありました。
したがって、乗務以外の業務で発生した拘束時間も改善基準告示で定める最大拘束時間に含めるとのことでした。
3.労働基準監督署の臨検では処分の対象
Aさんの話からすると、トラック運転の業務時間に加えて、乗務時間以外の業務の拘束時間を含めると、労働基準監督署の臨検があった場合、是正勧告を受けることは間違いありません。
ただし、トラック運転手として働いている時間は、車両総重量7t以上、または最大積載量4以上であれば運行記録計が義務付けられているので、それが証拠になります。
ですが、それ以外の業務は、タイムカードがない限り、証明しづらいです。
仮に労働基準監督署に訴える場合は、何かしらの証拠を持っていた方がいいでしょう。
まとめ!
いかがだったでしょうか?
私も質問を受けて、「どうなんだろう?」と感じた部分でしたし、とても勉強になりました。このように、何か疑問に感じた内容があったらコメント欄などに質問してくれると嬉しいです。
みなさんで情報を共有していきましょう^^