「一般貨物自動車運送事業では、休憩・睡眠施設を国に登録しておかなければいけないけれど、日頃の保守管理はどのようにしなければいけないの?」
運行管理者の業務として乗務員の休憩・睡眠施設の管理が業務のひとつとしてあるので、どのようにしたらいいのか?また、巡回指導や行政監査では、休憩睡眠施設がきちんと管理されているのか否か、どこを見てチェックしているのか気になりますよね。
そこで、今回は行政から見た「休憩睡眠施設の保守管理」について書いていきたいと思います。
1.休憩睡眠施設は乗務員にとって大切な空間
休憩施設は、乗務員が働いているときに、空いた時間を使って体を休めるための大切な空間になりますよね。
もしも、物やごみ・ほこりが散乱していたらどうでしょうか?
当然、汚れが気になって乗務員はおちおちと休憩できません。
また、睡眠施設は、その名のとおり、仮眠する場所です。
寝具にカビや汚れがあると、ふつうの人は、そこで睡眠しようとはしません。
これでは、せっかく休憩・睡眠施設があったとしても意味を成さなくなってしまいます。
2.有効に利用できる休憩睡眠施設とは?
休憩睡眠施設の保守・管理については、乗務員が休憩をとったり、仮眠をするために必要なものになります。十分なスペースの確保がなければ、睡眠施設として国も認めてくれません。
●原則、営業所又は車庫に併設
休憩睡眠施設は、原則として営業所または車庫に併設することになっています。
●睡眠する場合、十分な広さを!
業務上、睡眠が生じる場合、睡眠施設として国に登録していると思いますが、睡眠するためのスペースとして、一人あたりの広さは、2.5㎡以上が必要になってきます。
3.どのようなところをチェックされるのか?
では、巡回指導や行政監査が行われた場合、睡眠休憩施設のどのようなところをチェックしているのでしょうか?
簡単にまとめると…
1.休憩・睡眠施設を目的以外に使用していないか?
2.物やごみなどが散乱して不衛生ではないか?
3.寝具がカビや汚れで不潔ではないか?
という視点で見られます。
なお、衛生面についての感じ方については個人差があるため、よほどのことがない限り、指摘されることはありません。…ですが、「かなりひどい!」と判断された場合は指導されてしまいます。
3.いちばん多い例はこちら
いちばん指摘されるケースは、工具などを保管するスペースが事業所にない場合、仕方なく休憩睡眠施設に荷物を置いていたところ、いつの間にか物置き場のようになってしまった…というパターンが多いです。
国への届出では、寝るスペースの確保ができていると申告していても、これでは乗務員が休もうと思っても休めませんよね。
物置では、届出内容と異なると判断され、行政から指導されるのは仕方のないことかもしれません。
休憩や睡眠できるスペースを確保していても×
たとえ、休憩や睡眠できるスペースがあったとしても、施設内に容易に撤去できない物品が置かれており、届出したスペースよりも狭くなっていた場合は、直ちに撤去するよう求められたり、収容能力の変更認可申請 を行うよう指導されることもあります。
収容能力の変更は、図面等が必要になり、決して簡単な手続きではありません。
気を付けておきましょう。
まとめ
休憩睡眠施設は、乗務員が休みたいと思ったとき、いつでも清潔に保たれ、良好な状態で使用できるかどうかが大切です。つまり、休憩睡眠施設の保守管理は、運送会社の務めでもあるのです。
巡回指導などにおいても「休憩睡眠施設の保守管理」はチェック項目のうちのひとつです。
Gマーク取得や巡回指導前には、衛生面やスペースに問題がないか、改めてチェックしてみましょう。