トラック運送会社に勤めていると休日労働をすることが頻繁になりますよね。
そうすると、
「休日労働の労働時間は時間外労働時間に含まれるものでは?」
「休日労働も時間外労働時間であって同じ時間に含まれるのではないか?」
という疑問を持ったことがあるのではないでしょうか?
そこで今回は「休日労働時間は、時間外労働時間の中に含まれるのか?」について紹介していきたいと思います。
1.休日労働と時間外労働は別物
まずは答えからお話します。
いずれも「法定の~」ということが前提になるのですが「休日労働」と「時間外労働」はまったくの別物として扱われます。
たしかに疑問に感じるように、「休日労働」も「時間外労働」も所定労働時間外の労働になりますよね?
ただ、労働基準法では、休日労働については第35条において「休日に労働させること」と記載されていて、一方の時間外労働については第32条に「1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて労働させること。」と書かれているんです。
つまり、どういうことかというと、法令上は…【休日労働は、あくまでも休日に行った労働であり、法定労働時間と重複するものではない】という解釈になるんですね。
2.休日労働は、法定労働時間に含まれない
さて、さきほど説明したように「休日労働は、あくまでも休日に行った労働であり、法定労働時間と重複するものではない」という考え方なので、法定休日に働いた労働時間は、1週間全体の法令労働時間の制限の枠内には入らないということになります。
逆にこの休日労働を「時間外労働時間」として罫線してしまうことは、二重評価の禁止の原則に反することになってしまいます。
休日労働には法定労働時間の概念が当てはまらないので、休日労働時間は8時間以内である必要はありません。つまり、8時間を超えて必要な時間働かせることができます。
なお、時間外手当についても、行政解釈で
「協定において休日の労働時間を8時間と定めた場合、割増賃金については8時間を超えても深夜業に該当しない限り(休日労働分の)3割5分で差し支えない」(昭和22年基発第366号等)
になっています
3.届出については目をつぶっている状況
たとえば、1か月の時間外労働時間について限度時間の45時間で協定したとき、そのなかに休日労働の時間を含またまま計算して、労働基準監督署に届出しているというケースです。
厚生労働省は、本来このような届出は「適正なものとして認めることはできない」というスタンスなのですが、じっさいは36協定の届出奨励のために多少のことは目をつぶっている状況です。
労基署の窓口では「労使慣行への影響等を配慮する」と言うことを理由にそのまま受理をしているので、特に問題にもなってないようです。
ただし、その場合には、別に定めた換算方法をもちいて届出の時間外労働時間を算定しなおし、延長時間の限度基準についてチェックが行われているようです。