1年半~2年に1度くらいに、適性化指導員による巡回指導が行われますが、たいてい「〇〇と□□の項目はできていない。」と指摘され、改善を求められます。
そうすると、後日、改善報告書というモノが届いて、3カ月の期限をもって改善するよう求められるのですが…
もしも、もしもですよ。
この改善報告書を提出しなかったらどうなるのでしょうか?
今回は、そんな皆様が気になる「改善報告書」を提出にしなかったときの結末について紹介していきたいと思います。
1.数年前までは特に何もなかった…
数年前のお話をすると…
ほんの数年前までは、改善報告書を提出しなくても特に何もありませんでした。
適性化指導員から督促の連絡すらないこともあったんですね。
ところが、軽井沢のバスツアー事故やトラックの事故が起きたことによって、情勢はガラリと変わりました。適性化指導員や運輸支局の取り締まりが厳しくなったんですね。
とくに、運輸支局は、人員不足や貸切バスやタクシー関連の対応で忙しく、トラック輸送には目を向けることができなかったのですが、最近、余裕が少し出てきたのか活動が激しくなったような気がします。
トラック運送会社からすれば、そのままバス・タクシーを中心に見てもらって結構なのですが(笑)
じっさいに、このことについて問い合わせたところ、支局は「以前から変わっていない。」と当然の回答でしたが、適性化指導員の方は、「確かに厳しくなりましたよね」と本音がチラリ。
どうやら、支局は悪い事業所をターゲットに監査を行っているようです。
2.法律は変わっていない
巡回指導の総合評価に基づいて、運輸支局は行政監査を行うキッカケにしているというのは「運行管理者一般講習」でも説明がありました。つまり、制度そのものは、以前から何も変わりないと思います。
でも、世論が厳格さを求めているので、重大事故が起こるたびに法律が厳しくなったり、法律通りの対応を始めたといったところでしょうか。
運輸支局 監査部の意識が変わった気がします。
たとえば、
- 巡回指導の評価が悪いところ
- 改善報告書を提出しないところ
- 巡回指導を延期して対応しないところ
は確実にターゲットにされています。
この前も、とある社長と話をしていたのですが「巡回指導の改善報告書の提出がしていなかったために、監査に入られた。」と言っていました。それも無通告で来たらしいんです。
監査に来た理由を監査官が口にしたので、間違いないらしいんですが、いままで私は長いこと運送業界にいましたが、改善報告書を放置していたから監査が行われたという話は聞いたことがありませんでした。
ところが、最近になってチラホラ耳にするようになったのです。
本当に恐ろしいですね。
3.無視はいけない!
運送業界に長くいて、巡回指導に何度も立ち会うと巡回指導に対する緊張感が和らいできます。
適正化指導員の口調は柔らかいですし、丁寧に教えてくれる。
だから、私は油断していたんですね。
もちろん、彼ら(適性化指導員)には、運送会社を処分するような「権限」はありません。
たとえ、「自動車運送事業の監査方針」に巡回指導の結果がキッカケで、行政監査が行われると書かれていても、あくまでも数多くある選択肢のひとつで、優先順位は低く、じっさいには行われないと高を括っていたのです。
おそらく、多くの代表や運行管理者も私と同じ考え方だったと思います。
意外に多い巡回指導結果に基づく行政監査
もちろん、地域差もあると思います。
監査部の配置人数で、率先して監査を頑張っている地域と、余裕がなく監査どころではない地域があることでしょう。
また、108条34(都道府県公安委員会)による通報(死亡事故等)がある場合は、そちらの方が優先されます。
ですが、巡回指導がキッカケで監査が行われることが増えてきた。
それだけは伝えておきます。
巡回指導や改善報告書を適当に扱ってはいけません。
何かしらの報告をする必要があると私は思います。
まとめ!
運輸支局も適性化指導員も少しできていなかったからと言って、厳しい対応をするわけではないようです。あからさまに改善する気がない。罵倒する。暴力を振るう等した場合は、対応されるということでしょう。
書類を書くのが面倒くさいからしない…では通用しないというわけなんですね。