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巡回指導の自主点検表:簡単な記入ガイドと様式のダウンロード方法

巡回指導で提出が必要となる「自主点検表」ですが、初めて対応する方や慣れていない方にとっては、どのように記入するのか不安に感じるかもしれません。

自主点検表は、会社の法令遵守状況をチェックし、巡回指導時に取り組みを振り返るための重要なツールです。

そこで今回は、自主点検表の記入方法を詳しく解説し、どの項目にどのように記載すればよいかを分かりやすくご紹介します。

さらに、点検表の様式をダウンロードする方法についても触れていきます。初めて記入する方でも安心して取り組めるよう、しっかりサポートしていきますね。

1.自主点検表の記入方法

自主点検表で記入すべき内容は、全部で13項目あります。

この13項目では、行政監査等では、法令遵守していなければ行政処分を受けてしまう内容ですが、巡回指導では、限られた短い時間で行っているため「巡回指導の際、自社で取り組み状況を振り返り、改善していきましょう。」といったものになります。

そのため、適正化指導員が自主点検表の内容について、巡回指導のように帳票類等を用いて細かくチェックするということはありません。

ちなみに、自主点検表で問われる13項目について、簡単にグループ分けすると次のようになります。

1. ⇒ 利用運送の取り組み状況について
2~6 ⇒ 特別積合せの取り組み状況について
7~13 ⇒ その他法令遵守の状況について

それでは、自主点検表のどのように記入すればいいのか、いまから解説していきます。

①利用運送について

貨物自動車利用運送とは、他の事業者の行う実運送を利用する貨物輸送をいいます。つまり、自ら引き受けた運送を他の事業者に下請けに出す輸送形態がその典型例になります。

「貨物自動車利用運送」というのは、自分たちで荷物を運ぶのではなく、別の運送会社に頼んで荷物を運んでもらうことです。たとえば、荷物を運ぶ仕事を受けても、実際には他の運送会社にお願いして運んでもらうようなことです。

ただ、自主点検表に書かれている表現では、すこし分かりにくいので、↓のとおり、かみ砕いて書いてみました。

1.その利用運送を行っていますか?
 〇利用運送を行うことについて国に届けていますか?
 〇届け出たときの営業所名・住所に変更はない?
 〇業務範囲(一般事業又は宅配事業)について、届出内容に変更はない?
 〇保管体制(届出のとき、有無の記載しています。)に変更はない?
 〇利用運送の相手先などに変更はない?

以上のとおりになります。

利用運送を行っている場合は、それぞれの設問に対して「はい」「いいえ」で答える。

利用運送を行っていない場合は、「1」の設問を「いいえ」した後、その他「〇」の設問については「無記入」で問題ありません。

②特別積合せ貨物運送について

特別積合せ貨物運送とは、不特定多数の顧客から集貨した貨物を起点及び終点の営業所又は、荷扱所で必要な仕分けを行い、集荷された貨物を定期的に運送するもので、いずれの業務も自ら行うものです。一般消費者を対象とした小口貨物の輸送サービスである宅配便は、この典型例です。

自主点検表にも書かれているように、2~6の設問は、特別積合せ貨物運送を行っている運送会社に対する質問であるため、特別積合せ貨物運送の届出を行っていない運送会社は、2~6について、記入する必要はありません。

※多くの運送会社は対象外です。

⑦車体表示を入れているか?

所有するトラックに会社名又は、記号、事業内容(運行・特定・ダンプ表示等)が目視できる状態で表示されているかの質問になります。

国に届出をしている緑ナンバーのトラックに、会社名が記載されていれば「はい」を選択しましょう。

⑧運賃料金の届出について

運賃料金の届出をしているかの設問になります。

特に、平成29年11月以降、運賃・料金の収受ルールに変更になったので、国に「運賃と料金の区別を明確化」した内容の運賃料金設定届出をしていなくてはいけません。

平成29年11月以降、変更届出をした記憶があれば「はい」を選択。していなければ「いいえ」を選択することになります。

⑨運賃料金表(引越・宅配・霊柩運賃料金に限る)、運送約款を掲示していますか?

ここでは、運賃料金表と運送約款の2つについて質問されています。

〇引越・宅配・霊柩は運賃料金表の掲示が必要だけどしてますか?
〇運送約款を掲示してますか?

質問をパッと見た感じ、カッコで引越・宅配・霊柩運賃料金に限ると書かれているので、多くの運送会社が「当社は該当しない」と判断してしまいそうですが、それは運賃料金表についての話です。

そのあと「運送約款を掲示しているか?」についても問われていますので、すべての運送会社が設問の対象になります。

運賃料金表(一部運送会社に限る)、運送約款を掲示している場合は「はい」に〇を付けましょう。

⑩許認可及び届出書等の書類を整理整頓しているか

「国に届出をした書類がどこにいったかわからない。」稀ですが、運送会社によっては、書類をバラバラに保管して、巡回指導や行政監査ですぐに書類の提示ができないケースがあります。

国への届出書類や許認可は、大事な書類。

ファイル等で綴って大切に保管し、整理整頓しているかの質問です。整理整頓できていれば「はい」を選択しましょう。

⑪貨物の積載方法(過積載・積付状況等)及び重量等制限は適切か

貨物を積載するときは、偏荷重が生じないよう、また運搬中荷崩れ等により、貨物が落下しないよう、ロープ掛け、シート掛け等を行い、問題がないかどうか、積み付け状況を最終確認していると思いますが、中には、適当に積んで貨物を落下させるケースがあります。

また、過積載や重量制限等を守らない運送会社も見かけます。

このような違反行為がないかの設問です。違反行為を行っていなければ「はい」を選択してください。

⑫整備不良車両、不正改造車両等を使用していないか、無車検運行の車両はないか。

整備不良や不正改造車両(速度制限装置の解除等)がないか、また、無車検運行などを行っていないかの設問です。

とくに、整備不良や不正改造車両は、厳しい経営環境を理由に、行っている運送会社もあるようですが、大事故に繋がるので早急に改善しましょう。

なお、何も問題なければ「はい」を選択してください。

⑬賃金体系が適性であり、賃金規則に基づき適正に支払われているか

労働時間に応じて賃金が支払われているか、歩合制に偏りすぎて、通常賃金の60%を充足していないケースがないかチェックする項目です。

適正に賃金の支払いが行われている場合は「はい」を選択しましょう。

2.自主点検表のダウンロード先

↑の自主点検表が巡回指導通知書と共に、郵送(またはFAX)で送付されてくるかと思います。事前に記入して、適正化事業実施機関に渡す必要があるので、準備しておきましょう。

なお、紛失した場合は、↓の様式をダウンロードして記載して下さいね。

【自主点検表】
事業者控え(PDF)
実施機関控え(PDF)

まとめ

自主点検表が送られてきても「書き方がわからない。」担当者が多いです。ですが、内容自体はあまり難しい内容ではありません。

いちど記入したら、控えをファイルに綴じて、次回、巡回指導のときに参考にしておくといいですよ。

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