運送会社の乗務員が無免許で運転していた。絶対にあってはいけないことですが、ちょっとした油断から発生してしまうのが【無免許運転】なんです。
無免許運転を見逃すことなんてあるの―。
このように感じてしまう人もいるかもしれませんね。
確かに運送会社も免許証の有無については確認します。ですが、それは、乗務員を採用するときのみ―ということも多いのです。採用後は業務に追われたり、失効することはないだろう―という思い込みから、無免許運転を引き起こしてしまうことがあるのです。
そのため、乗務員が運転免許証を失効しているにもかかわらず、運転を継続させてしまう、捕まった後に会社が大損害を被ってしまう…なんてことにも繋がりかねません。さらに、最悪のケースは、乗務員不足から、免許制度が改正になっていることを知っているにもかかわらず、黙認してしまった…命令してしまった…という場合には、もっと厳しい処分が下されてしまいます。
では、どのような処分が下されるのでしょうか?今回は、無免許運転のとき、会社が負う行政処分の内容と運転免許証の確認方法について紹介していきます。
1.無免許運転が発覚したとき、支局からの行政処分は?
無免許運転があった場合、最悪の場合、2つの処分の可能性があります。(参照:公示 「貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」)
ケース① 無免許運転を命令・容認していた場合
事業用自動車の運転者が無免許運転を行い、かつ事業者が無免許運転の違反を命じ、又は容認していたと都道府県公安委員会から道路交通法通知等があった場合
⇒違反営業所等に処分日車数による行政処分等のほか、7日間の事業停止処分を付加するものとする。 |
ケース② 無免許運転を伴う重大事故等を引き起こし、無免許運転防止の指導監督ができていなかった場合
事業用自動車の運転者が無免許運転を伴う重大事故等を引き起こしたとして都道府県公安委員会から道路交通法通知等があり、かつ事業者が無免許運転の違反行為に係る指導及び監督を明らかに実施していない場合
⇒⇒違反営業所等に処分日車数による行政処分等のほか、3日間の事業停止処分を付加するものとする。 |
無免許運転が発覚すると、かなり厳しい行政処分があることがわかります。
2.思い込みが最大の危険!
会社の乗務員が無免許運転をするはずがないと思い込むのは危険です。乗務員も生活があるので、たとえ違反等で免許証を失効していたとしても、正直に上司に相談できるはずもありません。
だからこそ「ウチの乗務員が無免許運転するはずがない。」と思い込むことは危険というわけなんですね。では、無免許運転を防止するためにはどのようにしたらいいのでしょうか?
やはり、対面点呼を執行するときに運転免許証を提示させ確認させること。アナログ的な方法ですが、いちばん確実な方法です。そのためには、運転免許証の見方をある程度、知っておく必要があります。
3.運転免許証の見方
(参照:警察庁HPより)
運転免許証には12ケタの番号が記載されています。
サンプルでは「123456789000」となります。
(1)最初の二ケタ「12」…最初に免許を取得した各都道府県の公安委員会の番号です。
(2)次の二ケタ「34」…最初に免許を取得した年の西暦の下2けたになります。
たとえば、1999年に取得した場合は、「99」となります。
(3)次の6ケタ「567890」…各都道府県で個別に管理している管理番号です。
(4)次の1ケタ「0」…上10ケタの数字の正当性を確認するための数字(チェックデジット)です。
(5)最後の1ケタ「0」…紛失等による免許証の再発行回数です。
※個人的な意見ですが、再発行の回数が多い乗務員は気を付けておいたほうがいいです。
4.無免許運転撲滅のための危機管理対策の4つのポイント
①点呼時に運転免許証をチェックして有効期限等を確認する。
②定期的に運転記録証明書を取得して乗務員の運転実態(事故・違反等)を把握する。
③運転者毎に運転免許証の写しをとり、運転免許証の種類と運転できる車種、有効期限を把握する。
④普通免許保有者の中で8トン限定中型免許保有者を把握する。