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運送会社 事務職の残業時間の上限はどうなる?

…とある運送会社で事務職をしている女性から「残業時間の上限はドライバーさんと同じになるの?」という質問を受けました。

大手企業は、すでに2019年4月1日から時間外労働の上限規制は導入されています。でも、中小企業は、まだ先の話です。

だから、今後の自分の残業時間の上限はどのように変わるのか…について、気になるのは当然ですよね。そこで、今回は運送会社に勤めているけれど、ドライバーに従事していない人向けの時間外労働時間の上限について紹介していきたいと思います。

1.一般則の時間外労働の上限は?

時間外労働の上限規制の解釈は?」でも、すでに紹介していますが、事務職と乗務員では、時間外労働の上限が異なります。

全ト協で配布されているリーフレットでは「一般則」と「自動車運転業務」で区分され、説明されているのですが、この「一般則」が、事務職などドライバー以外の労働者が該当します。

では、一般則の時間外労働の上限はどのくらいか、見ていきましょう。

↑に記載されているように、まず勤務時間そのものは「原則1日8時間、1週に40時間まで」と決められています。

そして、今回、質問された残業時間の上限については、原則月45時間、年360時間まで(臨時的な特別な事情がある場合は除く)となっています。

2.いつから開始される?

では、いつから開始されるのかというと…↓の図を見てください。

国やトラック協会が開催する講習会、新聞などを見ると「自動車運転の業務」つまり、トラックの運転手については、大企業を除く中小企業は、2024年4月1日から導入されるという話は、耳にしたことがあるかと思います。

けれど、それはあくまでも「自動車運転業務」での話なんです。

たとえ、トラック運送会社に勤めていたとしても「一般則」に該当する労働者については、中小企業でも2020年4月1日から開始されてしまうのです。

どうも中小企業の運送会社の代表者は、2024年4月1日から開始される~のインパクトが強すぎて、一般則の労働者も含めて、中小企業の運送会社は2024年4月1日から始まると思っているフシがあります。

しかし、じっさいは「一般則」と「自動車運転者業務」では開始時期が異なっていたんですね。

3.どのような弊害がある?

「うちの事務職には、時間外労働はそこまでさせていない。だから問題はない。」と思っている運送会社もあります。ですが本当にそうでしょうか?なにか見落としはありませんか…?

「一般則」は、事務職だけが該当するわけではありません。
作業員や運行管理者も該当するのです。

たとえば、長距離輸送をしている運送会社があるとします。点呼執行時間も不規則なので、長時間、運行管理者が拘束されることもあるでしょう。

いままで、運行管理者ひとりで対応できていたけれど…一般則の時間外労働時間の上限規制が導入されれば、補助者も選任しなくてはいけなくなることがありうるのです。

4.見破られる一例を紹介

どのように判別するかはイロイロあるのですが、ひとつの例を紹介します。

たとえば、点呼記録簿を見たとき、乗務前・乗務後・中間点呼をひとりの運行管理者が点呼執行していたとします。

朝の点呼執行 ー8時間未満ー 昼の点呼執行 ―8時間未満― 夜の点呼執行

↑のように朝・昼・晩の点呼執行時間の間に休息(8時間以上の空き)がなければ、運行管理者補助者などの交代要員がいる・いない関係なく、朝の点呼執行から夜の点呼執行の時間まで運送会社から拘束されていることが判別できます。

たとえ、詳細な出勤時間と退勤時間がわかるタイムカードを導入していない会社でも、点呼執行時間で管理者の拘束時間が判別され、一般則の時間外上限のオーバーが確認されてしまうというわけです。

ちなみに「点呼記録簿の書き間違えだ!」と言い逃れすればいいと思っているかもしれませんが、デジタコやタコチャートの記録があるので、仮に書き間違えが認められたとしても、点呼未執行もしくは点呼記録簿改ざんとみなされてしまいます。

まとめ

一般則が導入されると、29両未満だから1名の運行管理者さえ選任しておけばいい。点呼記録簿にも1名の運行管理者の印鑑を押しておけばいい…と思っていたら、時間外労働の上限規制で突っ込まれる可能性が出てきました。

いずれにしても、近いうちに運行管理者補助者の選任をかならずしなければいけないという法律ができるかもしれませんね。

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