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じつは運送業界でだけ!?休息期間について徹底解説!

私たち運送業界では当たり前のように「休息(休息期間)」という言葉を使いますが、インターネットで検索すると、他の業界では使っている「休息期間」なんて言葉、じつはないんですね。

私は、この事実に衝撃を受けました^^;

この休息期間については、最近、労働基準監督署が目を光らせていて、臨検などでも厳しくチェックされます。また、従業員とのトラブルでも、この休息について争われるケースが多々あります。

そこで、今回は初心に返って、休息期間とは何かーについて紹介していきたいと思います。興味のある人はぜひチェックしてみてくださいね。

1.休憩と休息と休日の違い

冒頭でお話したとおり、休息期間とは、運送業界特有のモノということを紹介しましたが、その他にも休憩時間や休日など、乗務員の休む期間について様々な用語が出てきますよね。

まずは、その違いについて理解しておかなければいけません。

まず、今回のテーマである”休息期間”についてですが、簡単に言ってしまえば、

…など、乗務員が自分の意志で好きなことを自由に使える時間です。

つまり、会社の業務から完全に開放された時間でもあるんですね。

では、休憩時間や休日とはどのような違いがあるのかー
そこも気になると思うので、その違いをまとめてみました。

休憩時間…仕事こそはしていないが仕事の途中で与えられるもの。会社の命令が届く状態。
休息期間…勤務を終え、次の勤務が始まるまでの間の自由な時間。
休日…休日は、4週4日以上あるものなので、1週間ごとの疲れを1日の中で、レジャーや趣味に使って癒す時間。

毎日、何気なく使っている言葉も大きな違いがあったわけなんですね。

2.運送業界だけに存在する休息期間

なぜ運送業界には”休息期間”というものが存在しているのでしょうか?

そもそも、乗務員の仕事は、事務のお仕事や工場などと違って、職場外でひとりで労働する仕事ですよね。さらに長距離輸送にもなれば、外出先での宿泊は普通です。

一般のサラリーマンの仕事は業務が終わり、会社を出れば仕事から解放されます。

ですが、トラック運送はどうでしょうか?
それがないですよね。

だから、あえて休息期間というものが設けられているというわけなんです。

ルールがなければ大変なことになる

乗務員はひとりで業務をしているからこそ「無理をしてでも早く仕事を終えたい」「睡眠を惜しんで働きたい(稼ぎたい)」と無理をしてしまう人もいます。

逆に、乗務員の意思ではなく、ブラック企業の運送会社なると「睡眠時間を削ってでも働け!」と指示することにもつながります。

仮に、休息期間がなければ、仕事の疲れが取れずに睡眠不足になってしまいますよね。睡眠不足になれば、交通事故率も跳ね上がります。

仕事の疲れを少しでも取るためには、睡眠を取る時間が必要なので、この業界には休息期間が必要不可欠というわけなんです。

3.休息はどのくらいとればいい?

運行管理者の一般講習や巡回指導などでは「休息時間は8h以上必要」と言っていますよね。

だから「休息時間は8時間あればいい」と思っている経営者もいますが、勘違いしてはいけません。

拘束時間は週に2回だけ16時間まで延長(15時間超え)できますが、原則13時間ですよね。

つまり、休息時間は、原則11時間以上必要だと考えなければいけないということです。

月・年の拘束時間も意識しなければいけない

「1日は24時間だから、休息時間8hは週に最大2回まで。休息期間は原則11時間」と認識していなければ、知らず知らずのうちに違反してしまいます。

と豪語する社長もいますが、拘束時間14時間以上を繰り返すと、必ず月・年の総拘束時間がオーバーしてしまいます。

たとえ1日の拘束時間オーバーにならなくても、運輸支局の行政監査や労働基準監督署の臨検から厳しい指摘をされてしまいますので注意しましょう。

とくに平成30年7月1日の行政処分の強化で、以前よりも厳しく見られるので気を付けたいところです。

平成30年7月1日の行政処分の強化で「乗務時間等告示遵守違反」が厳しくなりました。その内容は、次の通り。いままでの乗務時間等告示遵守違反に加えて、1か月...
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4.車両内のベッドでの休息はどのように扱われる?

車両内のベット等で休息を取ることに問題はないのか、ときどき質問を受けることがあります。

答えは、YESです。
ただし、条件があります。

まずは、ひとつめの条件は、運転手が荷物の看守義務などの業務をしなくてもいい状態であるなど、仕事から解放されていること。

そして、もうひとつは、トラックはどこでも停めていいというわけではないので、駐車スペースをきちんと確保していること。以上が条件になっています。

これらの条件を満たしていれば、車両内のベッドで寝ることについては、“休息”として扱っても問題なしという見解が労働省より出ているのです。

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