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【430規制に賛成?反対?】トラック運転手はどのように感じている?

トラック運送業界においては、労働時間の長さや過酷な労働環境が問題視されており、その解決策のひとつとして導入されたのが「430規制」です。

国としては「運転手のため…」と考えて行っているのかもしれません。

ですが、この規制には賛否両論があるようで、トラック運転手たちもその導入に対して様々な意見を持っているようです。

では、トラック運転手たちは430規制に賛成なのか、それとも反対なのか。今回は、その真相に迫っていきます。

1.反対派

430規制については、多くのトラック運転手が反対していました。同様の意見が多かったため、一部割愛していますが参考にしていただければと思います。

建て前だけの制度

【オスマンさん・30代・男性】

問題点の本質を理解せず、”政府は目に付いたところを規制しているだけ”と言わざるを得ません。

表に出てこない発送元・荷受先の荷主等の理不尽なルールで追い込まれている運送会社にたいして、何のフォローも無いまま、ただの締め付ける制度にしか思えません。

ある程度、大きな企業であれば対策できますが、下請けになるほど理不尽な要求を受け、守れなかった場合の影響が大きいです。そのため、追い込まれた人が辛い目に合う”悲惨な現状”が沢山起こっています。

政府は、もっとトラック運送業界の実情をしっかりと調べてほしいです。

430という法律も大切かも知れないけれど、もっとトラック運転手の労働環境が良くなる法律を考えて頂きたいです。

国民の利益もなく、机上の空論

【takahashiさん・30代・男性】

本来、新たな規制が施行されるということは、国民生活に利益があることだと考えています。しかし、430規制は新たな不利益を社会全体に生み出しているのが現状です。

たとえば、大型トラックの路上駐車は、連続運転の上限の影響で、国道・県道関係なく、繰り返される現象となってしまいました。

430規制は、乗務員が感じるデジタコに対するストレスだけではなく、同じく公道を利用する一般ドライバーにまで波及しています。では、乗務員の疲労・疲弊を軽減し、事故を減らすという観点からはどうでしょうか。

実際、現場では、ツーマン運行だった幹線便業務をワンマンに切り替えました。各地に拠点を構えている大手であればドッキング運行で凌げますが、零細企業はそうはいきません。

机上の空論で考えられた430規制は、社会全体のストレスと零細企業の不正運行を増幅しているのではないでしょうか。

運送業界の規制緩和からこういった小手先の法律が生まれ、その効果で正しいサイクルを作ることには無理があるように思います。

もっと包括的に運送料金体系についても、自由競争から国が指導する新たな枠組みに移行できれば、430規制も誰でも無理なく運用できるのではないでしょうか。

430規制よりも運転手に負担をかけない法整備をすべき

【イデミツさん・40代・男性】

場合によっては30分休憩時間取れないケースが多々あり、法令遵守は無理だと感じています。

もしも、430を遵守させたいのであれば、430で時間を縛ることより、まずは、無理な運行をさせない・仕事に応じた報酬の支払いや休みを与えるところから、法整備すべきだと思います。

休憩を取ると眠くなると意見がありますが「眠いときに眠る方がいい」ですね。眠くない状態で無理矢理、休憩しても効果がないこともあり、眠いときに休憩が取れなければ本末転倒です。

重大事故を起こさないことを最優先に考え、「到着時刻を守ったうえで休み時間は自由でいい」ルールがいちばんだと思います。

現場にいる私からすると、いろいろ決め過ぎた方が運転手の負担に繋がってしまい、かえって事故のリスクが高くなると考えています。

運転手のストレスになっている

【s0hさん・年齢不詳・男性】

430規制については、管理者のドライバーへの指導・教育が浸透しているのか、遵守意識が高いが、

などの理由で「運転離脱をしたくてもできない」状況が発生している。

しかも、デジタコ装着が増えた現在、1分単位で管理されているので「4時間運転したら30分運転離脱。1回あたり10分以上」の制約にストレスを抱えているドライバーも多いです。

2.賛成派

430規制に賛成する意見の多くは、次の3点でした。

1.トラック運転手の健康維持につながる

430規制により、運転手たちの運転時間が制限されることで「疲労やストレスからくる健康被害を防ぐことができる。」「休憩を取るキッカケになる」という意見がありました。

ただ、430規制は肯定的でも「駐車したくても駐車できない」問題点を指摘する人が多く、国はトラック運転手に430規制を強制するのであれば【トラックが休憩するための環境をまずは整えるべき】といった不満を上げる人が多かったです。

意見1.休憩する理由付けになる

2時間で10分の休憩があった方が、目に見えない身体的・精神的の負担蓄積を軽くできると思っているので私は必要だと感じています。ですが、やっぱり駐車スペースのことを考えると難しいですね。

…とはいえ、法律で定められていれば、我々、ドライバーも堂々と休憩できますし、事前にトイレに行く時間もできるので突然の尿意に襲われる確率が減ります(笑)

仕事によっては、食事休憩が取れないこともあったり、思わぬ渋滞や事故による通行止めがあったりするので、私は、あらかじめ休憩場所(コンビニが多い)を確保して、3時間~4時間かかりそうと思ったら早め休憩を取るなどの工夫をしています。

特に積載重量ギリギリで積んでいるときは、いつも以上に神経をすり減らしていますね。

途中で荷ズレしていないか確認するためにも休憩をしたいところ。荷物の確認をするうえでも、430規制はいいことだと思います。

2.交通事故のリスクが低減される

トラック運転手の疲労運転は、交通事故の原因となることが多いため「運転時間の制限=交通事故のリスクを低減」に繋がる意見もありました。

とくに管理者側は「交通事故のリスク」について述べていました。

2年前まで運送会社の経営に携わっていた経歴があります。運転もしましたが、私は、基本、事務だったので、管理側から見た意見を投稿します。

管理側だと、どうしても労務重視寄りになりますね。

運転手と管理者ですと相反した意見になると思いますが、連続4時間に対して30分休憩…妥当ではないかと思います。むしろ4時間の合間にもこまめに休憩取って頂きたいくらいですね。

管理者という立場上、どうしても「事故のない様に心がけて頂きたい。その為のいたわり」という観点になります。

時間や交通事情にも左右される運転手の立場からすれば、理想論として捉えられてしまうかもしれません。なかなか両者の言い分を一つに纏めることは難しいと思いますし、実務中も難しかったですね。不可能と言ってもいいくらい。

健全な運転手であれば自己管理も当然できていますし、必要以上に口を挟むことが運転手のプライドを傷つけ、かえってマイナスになる事さえ想定されます。

私がトラック運転手として勤務する中で「430は非常に重要である」と思っています。
転職する前までは、地場だったので、それぞれ運転手の裁量で休憩時間は任せられていたのですが、いまの運送会社に転職し、長距離をするようになってから、430をとくに意識するようになりました。

正直、「自分ではまだいける」と思っていても、実は、身体は疲れていたり、限界を迎えていることはあります。実際に、休んでみると、気が抜けた途端、短時間ですが眠ってしまうこともあったので、気が付かないうちに「疲れているのだな。」と思うこともありました。

とつぜん、身体の不調が襲ってきて事故に繋がっては取り返しがつかないので、430は、自分をコントロールするための目安になります。

今後、年齢を重ねてくると、なおさら身体への負荷が強くなると思います。そのため、若いときと同じ感覚だと事故になる可能性もあるので、430を意識しながら、運転したいと思っています。

3.運送業界全体の労働環境の更なる悪化を防いでいる

430規制がなければ、

「荷主や経営者から、さらに無理強いされてしまう恐れがある。」
「トラック運転手の労働環境が今よりも悪化していたはず」
「運送業界全体の人手不足問題に拍車をかけていたはずである。」

という意見もありました。

トラック運転手は「この業界は、無理強いされやすいので規制がなければ、やりたい放題される」という不信感を持っている人も多いですね。

以前までは、昼夜問わず闇雲に走り、疲れたタイミングでパーキングやコンビニ等に停車して仮眠を取っていました。けれど、430が導入されてから「危ない!」と思うヒアリハットが少なくなったと感じています。

自分自身でも気づかない内に、眠気や疲労感に襲われていると言うこともあるので、それが影響しているのかもしれません。

また、430のような目安がなければ、荷主や運送会社から無理な運行を強要される可能性もあるので、やはり、「〇時間以上は連続して走行してはいけない」という線引きは必要かと思います。

私は現役トラックドライバーなのですが、北海道と沖縄以外は全国を回ります。家に帰る日は、週に1日程度です。食料品以外は何でも運んでいます。勤務時間はその日によってバラバラで、早朝の時もあれば夜中の時もあります。

430ですが、時間的にも物量的にも余裕がある場合は急ぐ必要がないときは守っています。

しかし、当日卸だったり翌日早い時間(例:夜中卸し)の時は守れません。守りたい気持ちは山々ですが、やっぱり第一にお客様の事を考えてしまうので仕方がありません。
トラックは大型に乗っているので、中型に比べると停まれる場所が少ないのも原因です。
コンビニも沢山有りますが停めれても中型の大きさ位まで。
関東方面は特に停めれません。

東京都・神奈川県・埼玉県など。
関東を走る時は休憩を諦めています。

私も含めトラックドライバーの人達は守らないといけないのは百も承知でわかっています。しかし、時間に遅れるのが一番迷惑をかけます。430を守る以前に、荷主・元請けなどがしっかりすることだと思います。

3.改正が必要

【コオロギさん・50代・男性】

基本的に連続運転は4時間までですが、30分の非運転時間の考え方も少々曖昧で、休憩時間としての30分ではなくあくまで非運転時間。

つまり、荷下ろしまたは積み込み時間もそれに該当することを考えると、全くの無意味なものと考えております。

その30分の為に拘束時間が延び、高速道路の使用・運行内容の変更を余儀なくされてしまい、結果、乗務員への対価という形で跳ね返ってきます。

乗務員の負担軽減であれば、非運転時間を休憩時間として義務付けるべきだと思いますし、健康状態や年齢に応じた細かい設定をすることで、稼げる環境をつくることも必要だと考えます。

業界全体がマンパワー中心な業界のため人出を確保する意味でも稼げる環境作りは不可欠だと思います。

【doramiさん・30代・男性】

地場では430はあまり関係ないが、長距離は4時間走って30分休憩するのは、運行状況によっては難しく非現実的ではないかと思います。

トラックを運転してトラックを長時間駐車できる場所も都会に行くほど確保が難しく30分も止まっていられない場合もあるし、高速を走行すると止まるパーキングエリアを考えて運行することはドライバーにとっては窮屈ではないかと考えます。

ドライバーに安全運行させたいのであれば、430を徹底させるより、帰庫時間から次の日の出庫時間を十分空けるなど、ドライバーの体が休めるような体制が必要だと思います。

グレーゾーンの無理な運行は、まだ沢山あって大変な思いをしながら働いている人もいます。ドライバーを大切にする意味では430は微妙なルールではないでしょうか?

まとめ!

いかがだったでしょうか?

トラック運転手も430規制を完全に否定しているわけではありません。

「もっと先にすべきことがあるだろ。」といった現場で感じている理不尽な状況を野放しにしている政府に対して、怒りを感じました。

まだまだ、意見は集約して追加で掲載したいと思いますので、もし、430規制で思う事がある人はコメント欄に書いていただけると幸いです。

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