事業用トラックの定期点検(3カ月点検)とは?

一般貨物自動車運送事業は、所有している車両について、点検・整備しなければいけませんよね。とくに、行政監査のときに重視して見られるのが、日常点検定期点検の実施状況です。

今回は、一般貨物自動車運送の車両における定期点検について紹介していきたいと思います。

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1.定期点検と車検の間隔は?

道路運送車両法において、運送会社は3か月毎に定期点検を実施しなければいけないことになっています。

その定期点検の間隔については…

と言った感じです。

定期点検は、事業用自動車・貨物自動車はすべて3カ月毎ですが、車検は違います。車両総重量によって若干ではありますが異なってきます。8t未満は、初回の車検は2年ですが、2回目以降は1年に1回になるのですね。

ちなみに、車検のときに行っている12カ月点検は、3カ月の定期点検の項目だけでなく、国が定める基準に沿って、さらに多くの点検をすることになっています。

2.なぜ定期点検は外部に出さなければいけないのか?

一般貨物自動車運送事業は、3カ月毎の定期点検がすごく厄介ですよね。ですが、この定期点検は、3カ月毎の点検も基本、認証工場に預ける必要があります。

12カ月毎に行う車検なら、まだ認証工場にお願いするのはわかりますが、なぜ、3カ月点検も認証工場に車両をお願いしなければいけないのでしょうか?

それは、定期点検の点検項目に分解整備を伴う項目があるからです。

この自動車の「分解整備」事業を行う場合には、地方運輸局長の認証がなければ実施してはいけないことになっているので、運送会社は認証工場にお願いすることになるんですね。

3.分解整備とは?

「分解整備」とは、自動車を安全に走行させるために重要な部品の整備のことをいうのですが、主な作業としては…

①原動機(エンジン脱着)
②動力伝達装置(ドライブシャフト、プロペラシャフト脱着)
③緩衝装置(リーフスプリング脱着)
④かじ取り装置(タイロッドエンド脱着)
⑤制動装置(ディスクキャリバ、ブレーキドラムの取り外し)
⑥走行装置(ロアアーム脱着)

これらを取り外して行う自動車の整備や改造をいうのですね。

もしも、無認可で分解整備を行った場合、道路運送車両法78条の規定に基づく認証がないとして、第109条の罰則が適用されることになります。

・車の構造に詳しいから
・経費削減のため

などの理由のため勝手に分解整備を行ってしまう運送会社もあるかもしれませんが、法律違反になってしまうので気をつけましょう。

道路運送車両法 第78条(認証)
自動車分解整備事業を経営しようとする者は、自動車分解整備事業の種類及び分解整備を行う事業場ごとに、地方運輸局長の認証を受けなければならない。

道路運送車両法 第109条(罰則)
次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
第78条第一項の規定による認証を受けないで自動車分解整備事業を経営した者

4.定期点検の罰則は重い

定期点検は原則、認証工場に預けなければいけないため、経費が発生します。そのため、運送会社の中には、車検時における12カ月点検は実施しているものの、3カ月点検を実施していないことがあります。

そうすると、定期点検未実施は年間3回という計算になりますが、それはリスクが高すぎます。

なぜか―?

もしも、行政監査時において定期点検が実施されていない場合は、他の項目と比べて、重すぎるくらいの行政処分が下されるのです。

その内容は次の通り。

(1台の車両の1年間の未実施回数)【初違反】
①未実施1回 警告
②未実施2回 5日車×違反車両
③未実施3回 10日車×違反車両

主な例

他の行政処分の内容と比べると、初違反は「警告」「10日車」ということが多いのですが、定期点検は実施していない車両が多ければ多いほど、その違反日車数が増えてしまいます。

なにしろ、ほとんどの運送会社は、定期点検を実施しているか、実施していないかに分かれるからです。

そのため、5両所有のトラックが、③に該当した場合、10日車×5両=50日車も充分あり得るわけです。

行政処分の一覧表を見ると”日常点検””定期点検”の処分日車数はかなり厳しいです。なので、確実に実施しておきたいですね。

5.3カ月の定期点検は自社で実施できないのか?

答えから言うと”できます”

そもそも、なぜ定期点検を認証工場にお願いしなければいけないのかというと、定期点検の点検項目の「制動装置」の部品を取り換えるとき、分解整備を伴うからです。

でも、点検孔がある車両であれば、ライニング残量点検孔 から、ライニングの残量を目視で点検することができます。もしも、交換の必要ない状態であれば、分解する必要がないので自社点検でも問題ないようです。

ただし、ライニング残量が使用限度に近づいているときや異状が認められるときは、認証工場で分解整備をお願いすることになります。

自社点検をすることができるので、トラック協会のHPなどで、定期点検記録簿(3カ月点検用)の様式をダウンロードすることができます。

ただ、私も定期点検の知識は乏しいので、自社で行う場合は、必ず事前に運輸支局の整備部門に確認したうえで実施してください。

6. 定期点検記録簿の入手先

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自社で定期点検するとき、専用の定期点検記録簿が必要なのですが、トラック協会などで購入することができます。

ですが、あえて購入しなくても、インターネットから最新の定期点検記録簿をダウンロードできるのです。様式を公開しているトラック協会のひとつが【群馬県トラック協会】になります。

(1)上メニュー【適正化事業実施機関】をクリック

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: g023.png

群馬県トラック協会のHPを見ると、上のメニューに[適正化事業実施機関]がありますので、そこをクリックしましょう。

(2)記事にある選択肢から【帳票類】をクリック

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: g024.png

(1)の手順に添ってクリックすると、次は↑のイラストのように、あらたなメニューが出てきます。その中に[帳票類]がありますのでそれを選びましょう。

(3)定期点検記録簿をダウンロードする

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: g025.png

すると、各種帳票類の一覧が出てきますので「〇点検関係」の中にある定期点検記録簿欄を選択してダウンロードしましょう。

なお、ファイルはEXCEL/WORDもしくはPDFタイプの2種類ありますので、好きな方を選択してダウンロードしてくださいね。

また、↑のイラストを見てわかる通り、点検は車両毎、行うものなので、牽引車と被牽引車がある場合は、まとめて1台ではなく、別々に定期点検を行う必要があります。

台車は、専用の定期点検整備記録簿(トレーラ用)の様式を使用しましょう。

7.定期点検の記録保存

定期点検の営業所への記録保存は、平成19年9月10日に努力義務化となりました。そのため、巡回指導でも定期点検の記録簿の写しの提示が求められます。

以前までの巡回指導では、定期点検記録簿を車両に載せているため、コピーを取っていないケースでも請求書や領収書で証明できればOKでした。

しかし、この法令が施行したことに伴い、請求書や領収書ではダメになったんえですね。なので、確実に各営業所に定期点検記録簿のコピーをファイルに綴じて保存しておいたほうがよさそうです。

ちなみに保存期間は1年間となっています。

まとめ!

定期点検は、いわば車の健康診断のようなものです。車両の買い替えが難しい昨今だからこそ、なるべくなら、プロである認証工場で実施してもらい、大切に大切に車両を使用したいところです。

安全かつ長持ちさせる。それは経営が苦しいトラック運送会社を運営する意味でも、とても大切なことだと思います。

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