【トラックGメンに訴える方法】荷主の違反原因行為は目安箱の活用を!

  • 長時間の荷待ち
  • 不当な運賃・料金(燃料価格上昇分の不当な据え置き等)
  • 無理な運行の指示(過積載、異常気象時の運行指示)
  • 契約外の付帯業務

トラック運送業界では、荷主と運送会社のチカラ関係が崩れているため、荷主の都合で法律違反を行わざるを得ないケースが後を絶ちません。

ですが、何か問題があったとき、荷主から違反行為を強要されたにもかかわらず、処分を受けるのは運送会社であるため、理不尽さを感じている人も多いのではないでしょうか?

不当な扱いについて声を上げたいところですが、訴える先がない(あっても行政が重い腰を上げない)、仮に訴えても改善されるどころか、今後の仕事のことを考えると黙っている方がマシなため、ただ我慢するしかない状態でした。

ところが、トラックGメンが創設され、その流れが少しずつですが変わろうとしています。

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1.情報提供は目安箱がオススメ

いままでも、”荷主勧告制度”はあったのですが、うまく機能していませんでした。

トラック運送業界の”働き方改革”を推進していくうえで、荷主側の協力が得られないと困難なことから、2023年7月に地方運輸局、運輸支局を中心に「トラックGメン」のメンバーが選任されています。

「違反原因行為」(法又は法に基づく命令に違反する原因となる恐れのある行為)を行っている荷主の情報については、主に3つの方法で収集しています。

①国土交通省ホームページに設置している意見募集窓口(目安箱)

②運輸局・運輸支局の調査

③巡回指導にて入手した情報

以上、3つです。

その中でも、運送会社が利用しやすいのが「①国土交通省ホームページに設置している意見募集窓口(目安箱)」(URL:https://www.mlit.go.jp/jidosha/yusou-jittai/index.html)になります。

③の巡回指導も方法のひとつとしてあるにはあるのですが、2年に1回の訪問ですし、うまく相手に伝わるのかわかりません。(間違って伝わると大変なことになるのでオススメできません。)

違反をしている荷主の情報は、直接、国に訴えられる「目安箱」をオススメします。「目安箱」なら、熟考しながら、何度でも書き直しができるので、効果的な情報提供が期待できます。

ちなみに「目安箱」で主に問われるのは、

  • 違反原因行為
  • 具体例(いつ・どこで・どのような内容・どのトラック、荷主か?)
  • 荷主の発着の業態及び品目
  • 会社名・所属・氏名

になります。

ちなみに、この目安箱は、運送会社の役員だけでなく、所属しているドライバーも訴えることができます。

働きながら、不当な扱いを受けた、身の危険を感じた等あれば、目安箱を使用することも検討してみてもいいかもしれません。

2.「働きかけ」「要請」が行われる

国土交通省は、寄せられた情報をもとに「働きかけ」の文書(本省作成)発出が行い、違反原因行為を行っていれば早急に改善するよう求められます。

悪質性が高い・社会的影響が大きいと判断された荷主には、ヒアリング等が行われ、違反行為が行われた場合には「改善計画」を作成することもあります

3.身バレを恐れて様子見の運送会社が多い

トラックGメンについては、報道でも大きく取り上げられました。

しかし、多くの運送会社は情報提供に二の足を踏んでいる現状があります。

  • 違反原因行為をしている荷主の情報を提供することで身バレし、仕事を失いたくない
  • 荷主とお付き合いしている運送会社は僅かで身バレ率が高い
  • 「働きかけ」「要請」では効果が期待できない
  • 元請けの運送会社を訴えれば、次の仕事が得られない

…といったところでしょうか。

運送会社としては、「荷主の違反原因行為に対する厳罰化」、「情報提供がなくても、トラックGメンが自主的に荷主調査などして欲しい」などの声が多数ありました。

長時間の荷待ちなどは、トラック運送会社から情報提供がなくても、行政監査や巡回指導などでデジタコのデータを見ればすぐに把握できるはずです。

その情報からランダムに調査に入れば、運送会社の情報提供ではなく、抜き打ちでトラックGメンが自主的に調査に入る流れを作ることができるのではないでしょうか。

残念ながら、日本では内部告発をしても、告発した側が不幸になることが多いです。
皆、それを知っているから行動できないのに、行政が「運送会社に悪質な荷主を告発して欲しい!」と期待しても、うまくいないことについて、制度そのものについて、改善すべき点があることを理解して欲しいものです。

4.荷主勧告制度も少しずつ強化はされている

…とはいえ、荷主勧告制度も段階的に強化されています。

国としても、権限を乱用するわけにはいかないので、少しずつ様子を見ながら改善するための手を打っているのでしょう。

運送会社の体力が失われ、トラック運転手不足が深刻な状況である現在、早急に対応して欲しいところですが、しばらくは我慢するしかなさそうです。

まとめ

様子見している運送会社も多いですが、目安箱では、ドライバーでも訴えることができますし、荷主名を記載しなくても情報提供できます。

身バレを恐れている運送会社も多いですが、それでも情報提供している運送会社も増えています。

目安箱とトラックGメンの対応について不安な点はありますが、トラック運送業界が少しでも働きやすい環境になるためには、ひとつひとつの運送会社が勇気を出して声を出す必要がありそうです。

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