”トラックに係る大事故”が発生したとき、運送会社が法令を遵守しているか否か、ニュースで報道されていますよね。
点呼執行もそのひとつですが、この”点呼”、行政側もかなり重視しています。
その証拠に、巡回指導で”点呼執行をまったくしていない”と判断された場合は、運輸支局に即通報し、行政監査を実施する速報制度があります。
さらに、行政監査でも同様に”点呼執行をまったくしていない”と判断されると、”事業停止30日”の処分が下されます。
事業停止30日になると、運送会社を続けるのはまず無理なので、運送会社の点呼に対する意識も向上しているのですが、ときに運行管理者の一般講習などで出てくるサンプルどおりの内容ではなく「この場合、どのように管理したらいいの…?」と頭を悩ませるようなケースも発生してます。
そのなかのひとつが今回紹介する「1泊3日の点呼執行」になります。
1)1泊3日の点呼の管理について
地場運行、1泊2日運行、2泊3日運行…。
このような運行はサンプルが多く、運行管理者の講習のテキストにも記載されています。
ですが、
3/1 夜21:00 ー 3/2 AM11:00
3/2 夜21:00 ー 3/3 AM11:00
上のサンプルは、3/1・3/2・3/3の3日間(1泊3日運行)になっています。
このような場合、
- 3日間なので、運行指示書はいるの?
- 点呼執行のタイミングは?
- 中間点呼は必要なの?
と、疑問が生まれてくるのではないでしょうか?
2)一般的な2泊3日の点呼内容
一般的な2泊3日の点呼の状況についての例は次の通りです。
(1日目)
朝7:00 乗務前点呼(対面)ー 夕方 17:00 乗務後点呼(TEL)
(2日目)
朝7:00 乗務前点呼(TEL)ー 中間点呼(TEL) ー 夕方 17:00 乗務後点呼(TEL)
(3日目)
朝7:00 乗務前点呼(TEL)ー 夕方 17:00 乗務後点呼(対面)
では、なぜ2日目に中間点呼が発生するのでしょうか?
かんたんにいいますと、2日目は、遠方で1日中(乗務前・乗務後の両方とも)、運行管理者と顔を合わせることができないからーです。
運行管理者と顔を合わすことができないということは、指示も伝わりにくいし健康状態も確認しにくい。
だから、2泊3日以上では、(対面できないことをカバーするために)中間点呼や運行指示書が必要になってくるのです。
ちなみに1日目は「乗務前点呼」で…3日目は「乗務後点呼」で運行管理者と顔を合わせることができます。
乗務前・乗務後、どちらか一方で運行管理者と顔を合わせることができる1日目と3日目は、中間点呼でカバーする必要がないため「中間点呼は必要ない」のですね。
…ということは、いま紹介した法則に合わせて3泊4日を考えた場合、どのような点呼執行になるかというと…もうわかりますよね?
(1日目)
朝7:00 乗務前点呼(対面)ー 夕方 17:00 乗務後点呼(TEL)
(2日目)
朝7:00 乗務前点呼(TEL)ー 中間点呼(TEL) ー 夕方 17:00 乗務後点呼(TEL)
(3日目)
朝7:00 乗務前点呼(TEL)ー 中間点呼(TEL) ー 夕方 17:00 乗務後点呼(TEL)
(4日目)
朝7:00 乗務前点呼(TEL)ー 夕方 17:00 乗務後点呼(対面)
そう!
2日目と3日目が運行管理者と顔を合わせることがないので中間点呼が必要になるというわけなんです。
3)1泊3日の点呼内容
では、1泊3日の点呼執行はどのようにすればいいのでしょうか?
基本的に1泊3日は次のようになります。
3/1 夜21:00 乗務前点呼(対面)ー 3/2 AM11:00 乗務後点呼(TEL)
3/2 夜21:00 乗務前点呼(TEL)ー 3/3 AM11:00 乗務後点呼(対面)
内容をみると3/1~3/3の3日間の運行になりますが、休息は3/2のAM11:00~同日夜21:00の1回のみ。
乗務前点呼と乗務後点呼のいずれかで対面点呼ができていますので、運行指示書も中間点呼も必要ないという結果になります。
4)地場で乗務前・乗務後点呼がTELになったときは…?
地場で乗務前・乗務後点呼がTELになったときは中間点呼が必要になるの?と思われるかもしれません。
朝7:00 乗務前点呼(TEL)ー 夕方 17:00 乗務後点呼(TEL)
※1日で車庫から出発し、車庫に戻ってきた輸送
のようなときですね。
なんらかの理由で営業所に運行管理者がいなかった。とくに早朝・深夜のとき、乗務前・乗務後点呼になってしまうときがあると思うけれど、このようなケースでも中間点呼は必要ありません。
あくまでも1日のうちで車庫から出発し、車庫から戻ってきた場合は、運行管理者と顔を合わせて対面点呼をすることが原則なので、中間点呼うんぬんの話ではなく「点呼の実施違反」として見られるというわけなんですね。
[hana-code-insert name=’ad3′ /]
横やり失礼します。
以前運輸支局の方がうちの会社に監査に入ったとき、
上記のような一泊三日運行のものに関して、三日目まで日をまたいでいるし、
車庫(拠点)出発のものに関しては、
指示書は必ず出していただきたいとおっしゃってました。
点呼は、一泊三日運行のものは上記でいいかと思いますが。
ちなみに「泊」の点呼について知りたくてネットサーフィンしていましたが、
ご存知でしたらご享受いただけますか?
私が言う泊とは、たとえば3泊4日の運行でその中で1日目車庫から東京、2日目東京でなにもないのでトラックで待機、3日目東京から長野、4日目長野から帰庫というような流れの場合を言っています。
見解お待ちしております。
質問ありがとうございます。
「1泊2日や2泊3日の”泊”の解釈は?」にまとめましたので参考にしてくださいね。