高齢運転者の教育記録簿のダウンロード先と記載方法

トラック乗務員の平均年齢40歳以上ともいわれ、65歳以上の乗務員も珍しくなくなりました。

高齢運転者の教育そのものは、平成13年度から開始されたのですが、運送会社が意識しはじめたのは最近になってからかもしれません。そのため「え?こんな法律があったの?」といまになって気付いた運送会社も多いです。

そこで、今回は「高齢運転者の教育記録簿の作成方法と教育の仕方」について紹介していきたいと思います。

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1.まずは適齢診断を受診させる

高齢運転者の教育は、65歳以上の乗務員を対象にした義務教育です。

高齢者教育でしなければいけないことは…

(1)適齢診断
(2)高齢者教育(社内教育)

のふたつになります。

教育をする順番は(1)適齢診断⇒(2)高齢者教育(社内教育)の順で実施しましょう。

…というのも「(2)高齢者教育(社内教育)」は、適齢診断の受診結果をもとに、運行管理者が乗務員に今後の運転方法について考えてもらう教育だからです。だから、【×(2)高齢者教育(社内教育)⇒(1)適齢診断】 の順は成立しないので気を付けてくださいね。

ちなみに、適齢診断の詳細については、別ページで紹介しているので、そちらを参考にしてください。

⇒適齢診断の詳細についてはこちら

2.適齢診断と社内教育のタイミング

適齢診断は、65歳に達した日以後1年以内にまずは1回受診
そして、受診日から3年以内にあらためて適齢診断を受診させることになります。

ココが他の義務診断と違うところで、適齢診断は、1回受診すれば終わりということではなくて、乗務員として業務を続けていくのであれば、今後、受診日から3年以内にあらためて適齢診断を受診しなければいけないことになってします。

面倒くさいかもしれませんが、免許証の更新そのものが厳しくなっている今、適齢診断の定期的な受診は仕方のないことかもしれません。

では、高齢運転者の教育は、受診結果を手に入れてから、どのくらいまでに終わらせればいいのかというと、「適齢診断」の結果が判明した後、1か月以内に実施し、結果を記録保存する…ということになっています。

受診結果で「身体能力の変化、運転のクセ」を知って、”気付き”を得なければ、適齢診断の受診をする意味がありませんよね。だからこそ、結果をもとに社内でも教育を受ける必要があるというわけなんです。

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3.指導方法

国土交通大臣が認定した適性診断(=適齢診断)の結果が手元に届いたら、その受診結果の内容を踏まえ、【個々の運転者の加齢に伴う身体機能の変化の程度】に応じたトラックの運転方法等について、運転者自ら考えるように指導することになります。

たとえば、(財)自動車事故対策機構の適齢診断を受診すると、「運転傾向についての診断結果」「PC視覚機能測定結果」があると思います。

「運転傾向についての診断結果」で、運転のクセを知り、以前と比べてどのように運転が変化したのか認識することが重要です。

仕事を一生懸命にしている乗務員です。まわりにいる同年代の高齢者よりも、容姿も会話も若々しいかもしれません。ですが、診断結果(とくに「PC視覚機能測定結果」)を見てわかるように、各年齢の動体視力・眼球運動・周辺視野の平均値そのものが右肩下がりになっています。

つまり、本人やまわりが「若いときとさほど変わらない」と思っていても、運転中に見える範囲や反応、確認が若いときよりも知らず知らずのうちに衰えていることがほとんどなんです。

年齢に合わせた運転をしなければ、以前は事故にならないことでも、事故になる可能性が高いです。だからこそ、いまどこの身体変化が大きいのか、今後、その変化に合わせてどのような運転をしていくべきなのか、65歳以上になったら真剣に考える必要があるというわけなんですね。

4.記録の保存(3年間保存)

記録の方法2つあります。

1)専用の様式を用いて、記録保存する。
2)指導実施者が適齢診断票の指摘した内容にマーカー等で線を引き、「指導年月日・指導実施者名及びコメント」を記載する。

いずれかを選択する必要があります。

さらに、運転者台帳の輸送安全規則第10条第2項(従業員に対する指導及び監督)の規定に基づく、指導の実施及び適性診断の受診状況を作成することを忘れずにしましょう。

5.【パターン①】専用の様式で記録保存する

広島県トラック協会に「高齢者教育記録簿」が公開されていましたので、参考までに紹介します。

この記録簿のように、適齢診断の結果から指導したことや乗務員の気づきを記載することになるのですが、たくさん記載することは必要ありません。今後の運転に繋がる内容を記載しましょう。

⇒高齢者教育記録簿のダウンロード先と記入例公開先

>広島県トラック協会

※「(12)適齢運転者に対する特別指導記録簿」に公開されています。

5.【パターン②】適齢診断票に直接記載する

様式に記載しなくても、↓のように診断票に指導したところにマーカーを引いて、指導した内容、指導年月日、指導者名等を直接記載する方法があります。

この記載例は、東京都トラック協会で紹介されましたし、過去、私も巡回指導で指導されたことがあります。

まとめ!

高齢運転者に対する教育についての質問が増えてきましたので、まとめてみました。参考にしていただけると幸いです。
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