国会で「働き方改革」について審議され、4月に実施される予定(?)なのか労働基準監督署の動きが活発になったような気がします。

 

とくにトラック運送業界をターゲットにしているフシがあるので、ひょっとしたら、あなたの知り合いの事業所でも労働基準監督署が臨検監督に入ったと言う話は聞いたことがあるかもしれませんね。

 

また、ニュースでも過労死問題やサービス残業問題などが問題になっていて、話題になることが多いため、この流れはしばらく変わることはなさそうです。では、労働基準監督署は、どのようなタイミングで臨検監督を実施しているのでしょうか?

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1.労働基準監督官とは?

まず、はじめに臨検監督を実施している労働基準監督官とはどのようなものか説明しますね。

 

労働基準監督官は、一般の国家公務員とは異なる特別の採用試験を受けて任官されます。海上保安官や麻薬取締官と同じ特別司法警察員なんですね。

 

そして、あまり知られていないのですが、労働基準監督官は、被疑者を逮捕・送検する権限も持っていて、かつては「労働Gメン」なんて呼ばれている時期もありました。

 

刑事と違って、あまり使用されることはないらしいのですが、都道府県労働局には、手錠も保管されているとのことです。ちょっとびっくり^^

 

この労働基準監督官が監督指導のために事業場に立ち入るのが臨検であり、臨検監督とも言われています。

 

2.労働基準監督官の権限は意外と強い

あまりなじみがないかもしれませんが、特別司法警察員としての労働基準監督官は、じつは、非常に強い権限を持っているんです。

 

どのような強い権限かというと…

たとえば、警察官は令状がなければ強制捜査ができないことは、サスペンスドラマや小説などで知っていると思います。

 

けれど、労働基準法や労働安全衛生法等では、法令に基づく行政指導という目的に限っていえば、予告なしに【事業場に立ち入ることができる強い権限】を労働基準監督官に与えているんです。

 

すごいですよね!

 

それくらい労働基準監督官は強いんです^^;
下手に逆らわない方がよさそうですねw

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3.臨検監督を拒んだ場合、どうなるの?

臨検監督にあたっては、関係帳簿類の確認関係労働者への尋問ができるとされています。

【根拠】

労基法101条、最低賃金法32条、労働安全衛生法91条など

 

では、この臨検を拒んだら…どうなるのでしょうか?

 

答えは、残念ながら、拒んだ行為そのものが罰せられる対象になります。

【例】

労基法120条 … 30万円以下の罰金

安全衛生法91条 … 50万円以下の罰金

最低賃金法41条 … 30万円以下の罰金

 

臨検が来たら、素直にウェルカムしなければいけないようです^^;

 

4.臨検監督が行われるときはどのようなとき?

それでは、臨検監督が行われるのはどのようなときなのでしょうか?

 

大きく分けて2つ。

 

① 労働者等からの申告に基づく場合

② 労基署が主体的に監督対象事業場を選定して行う場合

になります。

それでは、それぞれについて、詳細を紹介していきます。

 

4-1.労働者等からの申告に基づく場合

申告に基づく場合は、事業場にその旨が伝えられることになりますが、申告した労働者に対する不利益な取り扱いは禁止されています。【労基法104条2項など】

 

ただ、そうはいっても、労働者側の立場としてみれば、氏名の開示はして欲しくないですよね。もしも、申告した労働者が氏名開示に同意しなかった場合は、匿名の情報があったことだけ伝えられるので大丈夫です。

 

なお、申告であったとしてもサービス残業など同僚労働者も対象になるような事案では、実態調査を行う必要があるので、事業場に臨検するのが原則ですが、解雇など個人の権利救済にとどまる事案では事業主などの出頭要請と言うカタチになる場合もあります。

 

4-2.労基署が主体的に事業場を選定

じつは、労基署が主体的に事業場を選定している場合については、実施の内容も含めて、どのような選定をしているのか不明です。

 

原則としては抜き打ちでしています。

 

5.最近の臨検のパターン

臨検監督に入られた、知り合いのトラック運送事業所に話を聞いていくと臨検に入られているパターンにはある法則があります。それは…

 

1.内部告発

2.労災がきかっけ

3.36協定がきかっけ

 

この3パターンがほとんどだということ。
とくに最近は、「3.36協定」が多い気がします。

 

以前、月80時間以上の残業がある場合、臨検の対象になる旨を紹介しました。(参照:「残業が月80時間で労働基準監督署が立ち入り調査になる!?」)ですが、いまは、月45時間を臨検に立ち入るか否か、ひとつのラインとしてしているような気がします。

 

なぜ月45時間かというと、一般の企業において残業の最大時間は月45時間と定められているためです。それを改善基準告示で月45時間以上労働しても問題ない、トラック運送事業に当てはめて、臨検しているみたいなんですね。

 

これから行われる「働き方改革」のために、臨検と改善の数字を上げようとする労働基準監督署の思惑が見え隠れするような気がします。

 

まとめ!

最近、会合などで臨検が頻繁に行われているなどの情報がチラホラ入ってきているのであれば警戒しておいたほうが無難です。とくに、36協定の月の残業時間の数字には警戒しておいたほうが良さそうです。

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