トラックドライバーは知っておきたい!飲酒運転防止につながる知識!

大型車両を乗るドライバーにとって知っておきたいのが、飲酒の知識。

「このくらいの量なら、明日の朝にはアルコールは抜けているだろう…。」と油断していたら、お酒はまだ身体に残っていて、警察に捕まった。もしくは、最悪の場合、飲酒による交通事故を起こしかねません。

せっかく、飲酒を抑えていたのに、飲酒に対して正しい知識がないばかりに事故に合ってしまっては、もったいないです。そこで、今回は「ドライバーなら知っておきたい飲酒」について紹介していきたいと思います。

1.アルコールの1単位とは?

トラックのドライバーであるなら必ず知っておきたい知識が「アルコールの1単位」です。これを知っているか、知らないかで今後が大きく変わります。なぜ、それほど「アルコールの1単位」が重要なのかというと…

 

↑のグラフのように、1単位のアルコールの処理にかかる時間って私たちが想像しているよりも、ずっと時間がかかるんです。もちろん、個人差はあります。ありますが、それほど大きな差はありません。

たとえば、仮に「1単位のアルコール」を処理するためには、成人男性で、なんと4時間もかかるというから驚きです。(女性や高齢者の方は、1単位のアルコール=5時間を目安にするといいです。)

つまり、2単位で8時間、3単位で12時間ということは…半日もかかるということになります。3単位以上飲んだら、次の日の運転は諦めるしかないほど、アルコールは身体に残ってしまうものなんですね。

2.健康から見ても単位を知っておくことは重要!

プロのトラックドライバーとして働くのであれば、アルコールを管理することは仕事上、とても大切なことなんですが、健康維持から見ても重要なんです。

厚生労働省の国民健康運動「健康日本21」のなかで、純アルコール20g=1単位が適度な飲酒の目安となっているようです。

ちなみに、男性は日々40g(2単位)以上、女性は20g(1単位)以上、飲酒を続けていると、生活習慣病になるリスク大。さらに、60g(3単位)以上の大量飲酒を続けていると、脳出血、肝硬変、がんのリスクが高まるようです。

ちなみに、飲酒運転で免許取り消しになった人の6割が3単位飲酒者と言われています。
逆にいえば、1単位なら翌日に持ち越すリスクも少なく、健康へのリスクも少ないというわけです。

3.飲酒すると起こる「酔い」と「脳内マヒ」

お酒を飲むとほろ酔い気分になったり、酩酊(ひどく飲んだ状態)になりますが、脳内ではどのようなことが起きているのでしょうか?

ほろ酔い

脳のなかでも理性の中枢である大脳新皮質がマヒが進むと「ほろ酔い」状態になります。

理性が軽くマヒ状態にあるので、日頃とは違って気が大きくなったりしてしまいます。だから、飲酒運転は悪いと知っていても「俺は大丈夫」「まだ、これくらいは酔いとは言えない」と思いこんで飲酒運転をしてしまうんですね。

酩酊

さらにマヒが進むと、ついに酩酊(ひどく飲んだ状態)になってしまいます。酩酊になってしまうと理性はもちろんのこと、運動をつかさどる小脳までマヒ状態。かんぜんに「酔っぱらい状態」に陥ります。

喋っていても、滑舌が悪く、舌はもつれて、急に怒りだしたり、泣き出したりすることも…。千鳥足でフラフラで、道路でも寝てしまいそうな勢いがある状態と言えます。もちろん、運転なんてもってのほかです。

4.「脳内マヒ」になると運転にはどのような影響がある?

「脳内マヒ」が起きると運転に大きな影響を与えますよね。
でも、どうして運転に影響が出てしまうのでしょうか?

機能の変化についてひとつひとつ解説していきますね。

視力

飲酒をすると、動いているモノが捉えにくくなります。つまり、走行中、標識や障害物だけでなく、歩行者やバイクなどの見落としが激しくなるわけです。さらに遠近感も鈍くなって、車間距離の判断を誤り、事故になるケースも多いです。

集中力・注意力・判断力

日頃は緊張感を持って運転していても、飲酒をすると集中力・注意力・判断力が鈍ってしまいます。そうすると、一時停止や信号無視を行ってしまい、大きな事故につながってしまいます。

理性・自制心

理性や自制心も低下するので、気が大きくなってスピードを日頃よりも出しすぎてしまったり、運転が乱暴になってしまうことも。しかも、その行動が危険という認識がなく、むしろ「俺の運転は上手いから大丈夫!」と根拠のない自信を持って運転をしているのでかなりタチが悪いです。

反応時間・運動機能

反応時間や運動機能もまた低下してしまいます。そうするとブレーキやハンドルの基本操作をミスしたり、タイミングが遅くなったりしてしまうので危険な運転に繋がってしまいます。

平衡感覚

千鳥足もそうなんですが、平行感覚がなくなると運転も蛇行運転になってしまいます。よくニュースでもセンターラインを越えて対向車とぶつかる事故がありますが、まさにアレですね。

居眠り

脳のマヒが進んで、ついに居眠り状態に。そうすると、前方の車にぶつかって、やっと目が覚めるといったとんでもない運転になってしまいます。

5.アルコール依存症と運転

飲酒運転の中には、どうやらアルコール依存症ではないかと思われる内容をチラホラ見かけます。たとえば…

●何度、注意されても懲りずに繰り返す
●車内で飲んでしまう
●SAやコンビニでこっそり飲む

といった具合です。

じっさいに、これだけ飲酒運転はダメだとニュースなどで報道されているのもかかわらず、逮捕者が後をたたないのは、やはり、アルコール依存症がかかわっているからかもしれません。ちなみに飲酒運転検挙者の約3割にアルコール依存症の疑いがあったという報告すらあります。

とくに、トラックドライバーで気を付けたいのが、寝酒。
寝酒に依存してしまうと、アルコール依存症になりやすいです。

たとえば、シフト勤務に適応しようと寝酒して対応する…を繰り返すと、次第に寝酒なしでは眠れないということが起きてしまうんです。

お酒は嗜好品のひとつではあるものの、別の顔として、アルコールという薬物であり「依存性」も持つ一面を忘れてはいけないんです。酔いは、ときとして、気持ちよくなったり、憂いを解消してくれたり、睡眠導入効果を持つプラスのチカラはあるのですが、危険な顔も持っているんですね。

飲酒がうまくコントロールできなくなる流れ

飲酒でうまくコントロールできなくなる状況は次のようにして起きてしまいます。

●飲む頻度が増え、量も増える⇒耐性強化
●酒を飲みたい気持ちが強まり、ないと物寂しい⇒精神依存
●アルコールが体内から消えると、汗・発熱・悪寒・手の震えが起きる。⇒身体依存

このようになると「わかっているけれど、飲んでしまう」状態に陥ってしまうわけなんですね。アルコール依存症は病気の一種です。断酒させるための治療が必要になってきます。

6.アルコール依存症の簡易チェック

それでは、あなた自身がアルコール依存症の疑いがないかどうか簡単な簡易テスト(GAGE)にチャレンジしてみましょう。4つの質問がありますので、当てはまるものにはをつけていきましょう。

□ 今までに、酒の量を減らさなければいけないと思ったことがある。
□ 今までに、飲酒を批判されて腹が立ったり苛立ったりしたことがある。
□ 今までに、飲酒に後ろめたさや罪悪感を感じたことがある。
□ 今までに、朝酒や迎え酒を飲んだことがある。

いかがだったでしょうか?

2つ以上がついたら要注意です。アルコール依存症の疑いありです。予防のために、1日の飲酒量を1単位以内に抑えること。休肝日を週に2日以上つくることが重要になります。

 

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