整備管理者に選任するためにはどうしたらいいの?

「整備管理者の変更届出を出したい。」
「整備管理者になりたい。」

このようにふと整備管理者になりたいと思ったとき、どのような資格、書類が必要かわかりませんよね。

また、運送会社も、いま整備管理者を選任していたとしても、巡回指導による速報制度や整備管理者不在の行政処分の厳罰化がスタートしたいま、退職や死去などの不測の事態が起きたとしても、スムーズに変更届出ができるように、整備管理者の資格者を確保しておきたいところです。

そこで、今回は、整備管理者に選任するための資格取得の条件について、まとめてみましたので、参考にしていただければと思います。

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1.整備管理者選任届出にかかる資格要件

整備管理者には、国が定めた条件を満たした者しか選任することができません。その資格要件はどのようなものかというと…

1.2年以上の実務経験を満たし、かつ「整備管理者選任前研修」を受講したもの
2.1級、2級、または3級の自動車整備士技能検定に合格した者

このいずれかになっています。

つまり、1または2の条件さえ満たせば、整備管理者として選任することができるというわけなんですね。

2.資格要件① 2年以上の実務経験

自動車整備士技能検定3級以上の資格を持っていれば、すぐにでも整備管理者に選任できるけど、たいていの人は持っていないですよね?

もしも、自動車整備士技能検定3級以上の資格を持っていないのであれば、もうひとつの資格要件である「2年以上の実務経験」を狙いましょう。

ちなみに、この2年以上の実務経験とは…

① 自動車の点検または整備に関する実務経験
ア.整備工場、特定給油等における整備要員
イ.自動車運送事業者の整備実施担当者

② 整備の管理に関する経験
ア.整備管理者
イ.整備管理補助者
ウ.整備責任者

になります。

2-1.実務経験を選択する人が多い理由

実務経験の条件を見たとき「俺はどの条件にも該当しないなぁ。」と思ってしまうかもしれません。

ですが、運送会社にトラック運転手として就職しているのであれば、出発前に日常点検をしているはずです。

この日常点検は「①自動車の点検または整備に関する実務経験」に該当するので、じつはハードルがすごく低いのです。

あとは、実務経験証明書(整備管理者選任届出に実務経験を書く欄がある様式あり。ない場合は整備管理者選任届出に実務経験証明書を添付させる必要あり。実務経験証明書はトラック協会HPなどでダウンロード可。)に2年間の在籍期間の記載と会社の印鑑があればOKです。

<転職して直近の2年の実務経験を取得できない場合>
いまは在籍しているA運送に1年、その前はB運送に1年在籍していた場合(つまり、いまいるA運送に2年以上在籍していない場合)は、2年以上の実務経験を証明するためには、B運送にも実務経験の印鑑をもらわなくてはいけません。

2-2.整備管理者選任前研修の受講が必要

2年以上の実務経験だけで整備管理者に選任することはできません。
あともうひとつ必要な書類があります。

それは、整備管理者になるための講習「整備管理者選任前研修」の【修了証】になります。ちなみに「整備管理者選任前研修」は受験資格等はとくにありません。

経験の有無は問われないので、運送会社に所属していれば、高卒の新入社員でも受講することができるというわけなんですね。

<保険で受講させる運送会社もある>

運送会社の中には、整備管理者を選任させる予定がなくても、従業員の中から1名、整備管理者選任前研修を受講させ【修了証】を手に入れているところもあります。

理由① 修了証があれば、あとは実務経験で選任できるため
理由② 急遽、退職等された場合の保険

修了証に有効期限がないため、閑散期に受講させておけば困ることもありません。仮に紛失したとしても、管轄する運輸支局の整備部門に電話すれば再発行されるはずです。

とくに、巡回指導の速報制度&整備管理者が不在の場合、行政監査で事業停止30日間のルールができてから、この傾向は強くなりました。

整備管理者選任届出に必要な添付書類!

では、まとめますね。実務経験証明と選任前研修を受講した者を整備管理者に選任する場合に、必要になってくる書類は次のとおりになります。

① 整備管理者選任届出書
② 実務経験証明書
③ 整備管理者選任前研修修了証の写し

いかがだったでしょうか?
これから整備管理者の変更等で届出するときにはぜひ参考にしてくださいね^^

3.資格要件② 自動車整備士技能検定3級以上

自動車整備士技能検定3級以上の資格があれば、整備管理者選任前研修の修了証や実務経験証明書は必要ありません。

ですが「自動車整備士技能検定3級以上の資格とはどのようなもの?」という疑問もあるかと思います。

・・・なので、どのようなものが自動車整備士技能検定3級以上に該当するのか―まとめてみましたので参考にしてくださいね。

整備管理者選任できる整備士の資格とは?

整備管理者選任できる整備士の資格とはどのようなものでしょうか?まず道路運送車両法の施行規則では次のように書かれています。

道路運送車両法施行規則
(昭和二十六年八月十六日運輸省令第七十四号)
(整備管理者の資格)
第三十一条の四  法第五十条第一項 の自動車の点検及び整備に関する実務経験その他について国土交通省令で定める一定の要件は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、法第五十三条 に規定する命令により解任され、解任の日から二年を経過しない者でないこととする。
一  整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車の点検若しくは整備又は整備の管理に関して二年以上実務の経験を有し、地方運輸局長が行う研修を修了した者であること。
二  自動車整備士技能検定規則 (昭和二十六年運輸省令第七十一号)の規定による一級、二級又は三級の自動車整備士技能検定に合格した者であること。
三  前二号に掲げる技能と同等の技能として国土交通大臣が告示で定める基準以上の技能を有すること。

自動車整備士技能検定規則
(昭和二十六年八月十日運輸省令第七十一号)
(自動車整備士の種類)

第二条  自動車整備士の種類は、次のとおりとする。

一級大型自動車整備士
一級小型自動車整備士
一級二輪自動車整備士
二級ガソリン自動車整備士
二級ジーゼル自動車整備士
二級自動車シャシ整備士
二級二輪自動車整備士
三級自動車シャシ整備士
三級自動車ガソリン・エンジン整備士
三級自動車ジーゼル・エンジン整備士
三級二輪自動車整備士

ただし、

自動車タイヤ整備士
自動車電気装置整備士
自動車車体整備士

では、整備管理者に選任できないので気をつけてくださいね。

整備管理者選任届出に必要な添付書類

整備士の資格による整備管理者選任届出に必要な書類は次のとおりになります。

① 整備管理者選任届出書
② 自動車整備士技能検定3級以上の合格証明書の写し

になります。

4.注意①外部委託は認められない

整備管理者が退職して、選任前研修を受講した者がいない、または整備管理士がいない…ということで、外部委託ができるか問い合わせをいただくことがあります。

昔は、外部委託ができていたので「できる」と思っている人もいますが、現在は、法律が改正されて、整備管理者の外部委託ができなくなりました。

詳しくは、別記事に記載してますので、参考にしてください。

5.注意②整備管理者に選任されると定期研修の義務が生じる

晴れて整備管理者に選任された者は、選任された翌年度までに「整備管理者の定期研修」を2年度に1回、受講する義務が発生します。(参考記事「整備管理者研修とは?」)

選任前研修を受講してから、定期研修の受講を忘れている整備管理者も多いのですが、未受講は初違反でも10日車と処分が重いので気を付けましょう。

なお、もしも、整備管理者研修の受講を忘れてしまい、かつ、すでに研修が終了していたとしても、他県で受講することも可能です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

整備管理者の選任するための資格は、思ったよりも高くありません。これであなたの会社の整備管理者の選任届でもスムーズにいくはずですよ^^

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