IT点呼を行ったときの運行管理者と整備管理者の取扱いは?
IT点呼を導入しようとした運送会社からの質問で多いのは、
- 点呼を他の営業所から執行してもらった場合、点呼執行(運管3分の1以上)の取り扱いはどうなるのか?
- 運行管理者の業務はIT点呼で行えるが、整備管理者が行う日常点検はどのように扱われるのか?
でした。
IT点呼を導入するためには、機器等を含め、多大な投資をしなければいけませんが、せっかく導入しても、違反していては意味がないですよね。
そこで、今回は、特に問い合わせの多い「IT点呼を行ったときの運行管理者と整備管理者の取扱い」について紹介していきたいと思います。
1.運管の話(IT点呼は実施者によって異なる)
・運行管理者が月単位で3分の1以上
・運行管理者の補助者が月単位で3分の2以下
このように、通常の点呼執行では、かならず所属する営業所の運行管理者が「月単位で3分の1以上」実施しなければいけないルールがありますよね?
では、他営業所の運行管理者が点呼執行する”IT点呼”を行った場合、どのような取り扱いになるのでしょうか?
IT点呼を実施した者によって変わる
結論から先にお話します。
〇実施者側の運行管理者がIT点呼を行った場合
⇒ 被実施者の営業所の「運行管理者」が実施したものとして扱われる
〇実施者側の運行管理者 補助者がIT点呼を行った場合
⇒ 被実施者の営業所の「補助者」と同じ扱い
3分の1のカウントのルールは、IT点呼の実施者であろうとも特別な意識を持つ必要はありません。実施側の「運行管理者」と所属する営業所の「運行管理者」併せて、月単位3分の1以上、実施していれば問題ないーということになります。
つまり、IT点呼では、実施側の運行管理者が点呼執行をしても、所属する営業所の運行管理者(または補助者)が実施したものと同じ扱いでカウントされるのです。
2.整管の話(日常点検の取扱いはどうなるのか?)
次に多い質問は「IT点呼を行った場合の整備管理者」についてです。
例えば、IT点呼を行う場合、
例) |
このように、24時間営業している本社営業所が、少数の車両を所有する他営業所をフォローする形で行われます。
たいてい、このような場合、人件費削減のため、A営業所の運行管理者と整備管理者は兼任している場合が多いです。
ここで心配になるのが、IT点呼で「点呼執行」は補助してもらったとしても、日常点検の運行の可否はフォローできないのでは?…という疑問です。
この件について、インターネットで調べても「IT点呼のときの日常点検の運行の可否」について、明確に記載しているサイトはありません。
そのため、当ブログに「どのように対応すればいいのかわからない」と質問が寄せられるのだと思います。
そこで、今回は、サンプルを用いて説明していきたいと思います。
IT点呼の申請を行ったとしても、日常点検の運行の可否を共有できるわけではない
実施側 … トラック運送(株) 本社営業所 24時間体制
被実施側 … トラック運送(株) 大阪営業所 8時間体制
サンプルのように、「本社営業所ー大阪営業所」間で、IT点呼を実施したとします。
すでに運輸支局に届出済みで、早朝・深夜帯に点呼を行っているのですが、この場合、大阪営業所側の運行管理者・整備管理者は不在になっていることが多いです。
では、IT点呼の届出をしていれば、本社の整備管理者に日常点検を依頼することができるのでしょうか?
答えは、NOです。
IT点呼と整備管理者の選任は無関係です。
そのため、もし、運行の可否を併せて、本社営業所にお願いしたいのであれば、いまから紹介する方法のような対応が必要になります。
整備管理者を兼任して対応を!
実施側 … トラック運送(株) 本社営業所 24時間体制
被実施側 … トラック運送(株) 大阪営業所 8時間体制
IT点呼で日常点検も併せて行いたいのであれば、本社営業所の整備管理者(又は、補助者)を大阪営業所の整備管理者(又は、補助者)に選任すればいいだけです。
ご存知のとおり、運行管理者は、すでに選任届出をしている場合、他の営業所の運行管理者及び補助者として選任することができません。
ですが、整備管理者には、その縛りはありません。
※整備管理者は、日常点検の可否以外にも業務があるため、物理的に行き来できる距離という制約はあり。
また、IT点呼と日常点検の運行の可否は別モノなので、本社にこだわらなくても、近くに営業所があれば、そこの営業所の整備管理者を大阪営業所の整備管理者(又は、補助者)として兼務させてもOKです。
「日常点検の運行の可否」自体は電話でもできるので、兼任しても支障はないかと思います。
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コメント
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うちの会社のやり方としては、IT点呼を行う者に運行管理者の選任は勿論、当事業所の整備管理者も選任し、IT点呼
の被実施営業所の整備管理補助者として業務を行わせています。正直、運輸支局の輸送課や監査に問い合わせをしても明確な回答を得られなかったため、万が一を考えすべてに対応がとれる状態にしました。