休日は時間単位で算出できる?できない?どっち?
今回、当ブログに休日に関する質問コメントが次の通りありました。
(質問内容)
一般的に【休息時間8時間+24時間=32時間】が休日1日として捉えられていると思います。では、32時間以上の労働になった場合、たとえば、32時間+12時間の計44時間労働したとき、休日は1.5日と捉えても問題ないのでしょうか?実際、週末において、乗務終了後から、次の乗務まで54時間の空きがあります。この場合、乗務員へ与えるべき休日は1日、1.5日、2日のいずれとなるでしょうか?
簡単にまとめますと、休日は【8時間+24時間=32時間(分割の場合は30時間以上)】と言われているけど、仮に32時間以上、休息時間があった場合、休日はどのような扱いになるか…についてです。
運送業の休日は週1日が多く、基本、休みが少ないので、あまり気にしたことはありませんでした。けれど、変則的な仕事内容になると休息時間が32時間以上になることもあります。
このようなとき、休日はどのような扱いになるのか?
せっかくの機会ですので一緒に考えてみましょう。
1.知っているようで知らない休日のルール
『32時間+12時間=休日1.5日と捉えても問題ないのでしょうか?』
休日ではありませんが、有給休暇には「1日」ではなく「半休」のお休みを取得できるルールがありますよね?さらに労使協定を結べば、時間単位で有給休暇を与えることができます。
だから、休日にも1.5日や時間単位で与える方法があるのではないかという疑問を持つのは当然のことです。
とくに最近は、労働基準監督署の臨検が激しくなってきたし、乗務員不足に悩まされているため、できれば、「休日を効率よく計算したい。」という心理が働きますよね。ですが、ふと休日のことを考えてみると、あまりルールを知らないことに気が付かされるのではないでしょうか?
休日のルールを知らないばかりに行政監査で損をする可能性があるので、いまいちど確認しておきたいところです。
2.通常、休日は32時間以上必要!
まず、1日の休日の考え方はどのようなものになっているのか、まとめておきます。
休日=休息期間+24時間(ただし、30時間を下回ってはいけない)
このようになっています。
つまり、通常の運行をしている場合の休日は、8時間+24時間=32時間なので、32時間以上の自由時間確保が必要になるという考え方になります。
では、なぜ最低でも30時間以上という条件が設けられているのかというと、それは特例措置があるからです。たとえば「分割休息」「ふたり乗務」「フェリー乗務」を使用したとき、休息時間+24時間が30時間を下回ることがあるからなんですね。
ただ、特例を使った運行をしているのは、ごく一部の運送会社のみ。
なので、ふつうの運送会社は休日を考えるとき32時間以上必要だと記憶しておけばOKです。
3.二日目の休日はどのくらいの時間が必要?
1日目の休日が通常32時間以上必要だということがわかりました。
では、2日連続の休みの場合、2日目は何時間必要なのでしょうか?
1日目が32時間なので、2日目も32時間が必要で計64時間必要?
どのように計算していいか迷ってしまいますよね。
じつは、連続する2日目の休日は1日目と違い「24時間でOK」ということになっています。つまり、1日目の休日32時間に24時間を足した56時間で2連休とすることができるというわけなんですね。
4.休日は1日単位で計算される
では、質問にあった『32時間+12時間=44時間』の場合、休日を1.5日と捉えても問題ないのでしょうか?
答えはNOです。
休日は1日単位で考えることになっています。
なので、1日目の「8時間+24時間=32時間」も29時間では休日と認められないように、2日目も24時間未満だと1日の休日としてみなされないというわけなんですね。
だから、休日に1.2日とか1.5日、1.8日という考え方は存在しないことになります。
5.質問の回答は?
では、質問を改めてみてみましょう。
(質問内容)
一般的に【休息時間8時間+24時間=32時間】が休日1日として捉えられていると思います。では、32時間以上の労働になった場合、たとえば、32時間+12時間の計44時間労働したとき、休日は1.5日と捉えても問題ないのでしょうか?実際、週末において、乗務終了後から、次の乗務まで54時間の空きがあります。この場合、乗務員へ与えるべき休日は1日、1.5日、2日のいずれとなるでしょうか?
次の業務まで54時間の空きがあるとした場合、休日は何日扱いになるかという質問でした。
さきほど説明した内容に照らし合わせると…
1日目 8時間+24時間=32時間(休日〇)
2日目 22時間(休日×)
※ただし、特例を使用していないものとする
つまり、2日目が24時間未満のため、休日とはみなされないことから、次の勤務まで54時間の従業員の休日数は「1」ということになっていまうのです。
この点、注意しておかないと、労働基準監督署にツッコまれてしまうので、注意しておきましょう。
まとめ!
改善基準告示で休日と判断されるのは「休日=休息期間+24時間の連続した時間」になります。なお、どのような場合があったとしても、この合計時間が30時間を下回ってはいけないことになっています。(※特例を使用しない場合は、休日は8時間+24時間=32時間以上、必要と考えておいたほうがいいです。)
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コメント
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早速のご回答感謝致します。また、わざわざ回答につき大きく取り上げていただきありがとうございました。実は、質問をさせていただいた後、運輸支局へ出向き、同様の質問をして参りました。運輸支局の回答としては、国交省告示に定めるところの休日 = 概ね1日/週 → 概算で4日/月 については1日単位の休日が必要。但し、各社ごとに定めている(社内カレンダー)における休日に対しての休日計算については、0.5日や1.5日の休日は構わないとのことでした。
(例)社内カレンダーにおける月の休日が7日の場合 1日の休日が5日+1.5日の休日+0.5日の休日=7日 の計算が可能とのことでした。あくまでも見解という形であったため、労基に対しても聴いてみたほうが良いのでは?と言うことでした。弊社では、国交省告示に定める休日は確実に取らせており、社内カレンダーの休日に満たない乗務員に対する休出(人件費)が多くなってしまっております。人件費削減は時代に逆行しているかもしれませんが、無駄な経費削減を行いたいと考え、今回の質問をさせていただきました。どうもありがとうございました。
コザルさま、お世話になります。
運輸支局の見解をコメント欄に記載していただき、ありがとうございました!
こういった情報交換はすっごく嬉しいです^^
また、何かわかれば追記していきたいと思います。
普段から記事を拝読させていただいておりますが、下記の疑問に関する答えが見つからなかったので質問させていただきます。(検索不足から、既に回答が出ている場合は、失礼の段、ご容赦ください)
以下のケースに関する考え方についてご教示いただければと存じます。
日付 始業時刻 終業時刻
3 00:00 11:30
4 なし なし
5 20:12 翌11:10
6 なし なし
7 10:18 18:41
3日の終業時刻(3日 11:30)から次の始業時刻(5日 20:12)までの休息時間は、56:42です。
32h<56h<56:42 なので、4日と5日の二日間が「休日」扱いできるといえます。
次に、5日の終業時刻が翌6日に食い込んでいる件ですが、5日の業務が6日 11:10に終了した後、次の始業は7日 10:18であり、終業~始業は23:08なので6日は休日になりません。
上記の場合の出勤簿ですが、以下のような記載で問題ないのでしょうか?
日付 休日 始業時刻 終業時刻
3 00:00 11:30
4 〇 空白 空白
5 〇 20:12 翌11:10
6 空白 空白
7 10:18 18:41
3日から7日は暦日で5日間ありますが、出勤2日(3日と7日) 休日2日(4日と5日) の4日分の記録と考えて問題ないでしょうか?
(5日には出勤時刻と退勤時刻がありますが、休息時間の関係上、「休日」との扱いで問題ないでしょうか?)
お忙しいところ恐縮ですが、お知恵をお貸しいただければ幸甚に存じます。
早水様
お世話になります。
5日の日をまたいだ場合の出勤簿は、基本は、始業時間である5日押印するのですが、
6日に押印しても問題ありません。
(早水さんが提示した記載で問題なし)
※出勤簿だけで判断するのではなく、
運転日報等の帳票類を見て総合的に判断するため。
過去記事「1日に2回勤務があった場合の取り扱いはどうしたらいいの?」の下の方にも記載しています。
結果、32時間【24時間+休息8時間】+24時間=56時間空いているので、2日間の休日扱いで問題ありません。
極めて迅速かつ的確なご回答に心よりお礼申し上げます。
お陰様で疑問点が適切に解消しました。
リンク先の「2回勤務」ですが、勤務の区切り方につき、某社デジタコの仕様では以下の通りとなっています。
A日の開始時刻(XX:XX)から24h後の状況による場合分け
1.24h後が「休息中」の場合
当該休息の開始時刻がA日の「勤務終了時刻」となり、当該休息の終了時刻がA+1日の「勤務開始時刻となる。
2.24h後が「休息中」以外の場合
A+1日の00:00まで遡って休息時間を探す。
①みつかった場合、当該休息の開始時刻がA日の勤務終了時刻となり、当該休息の終了時刻がA+1日の勤務開始時刻となる。(A+1日の勤務開始時刻がA日のそれよりも「早い」場合は「拘束時間ダブルカウント」が発生する。
②見つからなかった場合、A日の勤務終了時刻は24h後となる。(途中での「休息」が無ければ、拘束時間は24hとなる。
時間外労働時間(残業時間)の考え方について、上記1.2.いずれの場合も「勤務開始」から「勤務終了」までの稼働時間から「休息時間」「休憩時間」を控除した時間(「労働時間」)が8時間をどれだけ超えるかで算定という考え方で良いでしょうか?
重ねての質問で恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。
<事例>
日付 時刻 事象
A 08:00 勤務開始
A 12:00 休憩開始
A 13:00 休憩終了
A 17:00 休息開始
A+1 07:00 休息終了
A+1 13:00 休憩開始
A+1 14:00 休憩終了
A+1 16:00 休息開始
A+2 01:00 休息終了
A+2 05:00 休憩開始
A+2 06:00 休憩終了
A+2 08:00 休息開始
A+2 17:00 休息終了
A+2 21:00 休息開始
A+3 08:00 休息終了
日付 勤務開始 勤務終了 休憩時間 拘束時間 労働時間 時間外 休息時間
A 08:00 17:00 1:00 10:00 08:00 00:00 14:00
A+1 07:00 翌07:00 2:00 15:00 13:00 05:00 09:00
A+2 07:00 21:00 0:00 05:00 05:00 00:00 20:00
A+3 08:00 ・・・