【永久保存版】トラック運送会社が意識すべき健康診断3つ

トラック運送会社を運営していくうえで「乗務員に受診させなければいけない健康診断とはどのようなものか、よくわからない。」という担当者もいるのではないでしょうか。

そこで、今回は「トラック運送会社が意識すべき健康診断」を解説していきます。

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1.意識すべき健康診断は全部で3つ

トラック運送会社が意識すべき健康診断は、全部で3つあります。

①雇い入れ時の健康診断
②定期健康診断
③特定業務従事者の健康診断(※)

※特定業務従事者の健康診断は、特定の条件を満たした者のみ対象(詳しくは⇒「深夜業の特定業務従事者の健康診断の対象者とその根拠について解説」)

巡回指導や行政監査でも、運送会社がこの3種類(早朝・深夜帯の業務を行っていない場合2種類)を受診しているか確認が行われます。

特に、昨今、健康起因事故が増加傾向なため、行政処分の内容も厳しくなっています。受診漏れがないよう気を付けたいところですね。

2.雇い入れ時の健康診断

トラック運送会社は、乗務員を雇い入れるとき、上表の一覧の11項目について、医師による健康診断を受けなければいけないことになっています。(労働安全衛生規則第43条)

ところが、雇い入れた乗務員の中には、「つい最近、前に所属していた運送会社で、健康診断を受診した。」ケースもあるかと思います。

つい先日、健康診断を受けたのに、会社が変わっただけで、改めて同じ健康診断を受診するのは、馬鹿らしいですよね。…なので、例外もあります。

それは、仮に、3か月以内に受診しているのであれば、乗務員が健康診断の受診結果を運送会社に提出した場合に限り、その健康診断の項目に相当する内容について、実施する必要はない―ことです。

そのため、雇い入れた場合は、かならず、最近、受診したかどうか確認しておきましょう。

【関連】
雇い入れ時の健康診断の受診のタイミングは?

3.定期健康診断

トラック運送会社は、常時、使用する労働者に対して、1年以内に1回、定期的に上表の11項目について、医師による健康診断を受診させなければいけないことになっています。

ただし、※にもあるように、医師の判断により省略することができる項目もあります。

なお、短時間労働者や派遣運転者など、定期の健康診断が必要か否かについて気になることだと思いますが、これについては、別記事にて解説していますので、参考にしていただければと思います。

【関連】
派遣社員の健康診断は、派遣元と派遣先、どちらが実施すべき?
契約社員や短時間労働者の健康診断を受診させる必要がある?
社長や役員でも「乗務員」なら健康診断の対象に!

4.特定業務従事者の健康診断

乗務員が1カ月あたり4回以上、午後10時から午前5時までの早朝・深夜帯での勤務をしている場合は、特定業務従事者として、6か月以内に1回、健康診断を受診させる必要があります。

なお、特定業務従事者の健康診断について「法的根拠が知りたい」とお問い合わせをよくいただくのですが、それについては、長くなりますので別記事でまとめています。参考にしてくださいね。

【関連】
深夜業の特定業務従事者の健康診断の対象者とその根拠について解説

5.要再検査がある場合は受診させるよう指導を!

健康起因事故が多発している現在、脳疾患、心疾患や意識喪失に係るような診断項目に「要再検査」等の所見があった場合は、その乗務員に対して、再検査を受診させるように指導しなくてはいけません。

なお、脳疾患、心疾患や意識喪失に係るような診断項目とは、血圧測定、血中脂質検査、血糖検査、心電図検査等のことを指すので、この項目は特に気を付けておきましょう。

【関連】
健康診断結果で再検査が出た!会社として指導しなければいけないの?

6.健康診断の保存期間

健康診断の保存期間は、労働安全衛生規則で5年間と決まっています。そのため、巡回指導や臨検などでは、5年間分の健康診断の受診結果を、事務所に備え付けているのか確認されます。

なお、法律上は、事業者が5年保存することになっているので、営業所には、そのコピーを運転者台帳に添付、もしくは、電子データとしてPC保管しておくのが望ましいでしょう。

労働基準監督署によれば、退職者も含めて5年間の記録保存しなければいけないようなので注意しましょう。

7.健康診断の結果提出は個人情報上、問題ない?

健康診断結果は個人情報なので「適正な管理を行わなければいけない。」ということで、その取扱いには慎重になっている運送会社もあるかと思います。

ただ、労働安全衛生法第66条及び第66条の3に書かれているように、健康診断の実施及び、結果の記録は、事業者に義務付けられているので、個人情報保護法に違反するということはありません。

むしろ、運送会社として運営しているのであれば、乗務員から健康診断の結果を提出させ、健康状態の把握を行う必要があるというわけです。

8.巡回指導や行政監査で提示することは問題ない?

巡回指導や行政監査で健康診断の結果記録を提示することは、個人情報保護の観点から問題ないのでしょうか?

じつは、彼らは、貨物自動車運送事業法に基づき、事業者に対して説明や資料提出を求めることができるということになっています。

そのため、運送会社の健康診断の受診結果の記録を閲覧することに「問題はない」というわけです。

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