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他営業所の運行管理者補助者になれる?なれない?

点呼執行には本当に苦労させられますよね。

経営に余裕があれば、運行管理者 補助者の人員を新たに追加すれば、即解決するのですが、いまの運送会社にそのような余裕はありません。

今回、当ブログに相談してきたA運送会社も点呼執行で頭を悩ましていました。

 

当社の〇〇営業所では、どうしても運行管理者および補助者のいない空白の時間帯ができてしまう。

すぐ近くに別営業所があるので、そこの資格者を利用できないだろうか…。

 

決して、A運送会社だけの問題だけではないですよね。

そこで、今回は「他営業所に所属している従業員が運行管理者の補助者に選任することができるのか?」解説していきたいと思います。

1.運行管理者からの相談内容

A運送会社(株)本社(営)のサンプルを利用して解説していきます。

相談内容は次のとおり。

すでにA運送(株) 本社営業所の運行管理者として選任されている田中さん(仮称)は、あるとき社長から次のように言われました。

「わが社(A運送(株))のB営業所の人手が足りないんだ。点呼執行するにも、運行管理者ひとりでは対応できない。運行管理者の補助者として頑張って欲しいのだが…。」

田中さんは「わかりました!」とOKを出そうとしましたが、これって法律上、問題がないのか気になったそうです。

まとめると以下のとおりです。

A運送(株)本社営業所
運行管理者 田中さん

疑問)他の営業所であるA営業所の補助者に選任できるのでしょうか?できないのでしょうか?

2.運行管理者の補助者の選任要件は意外と厳しかった!?

【サンプル】
・ 名前 : 田中さん(仮称)
・ 所属 : A運送会社(株)本社営業所
・ 選任 : 運行管理者

このように、田中さんは、本社の運行管理者に選任されている中、B営業所の運行管理者補助者を兼務してくれないかと打診されました。

あなたは、運行管理者の田中さんが、別営業所の補助者に選任できると思いますか?

それでは、解説しましょう。

今回、田中さんの疑問を解消してくれるのが「通達 貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」に記載されています。

通達 貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について

(第18条)
…なお、本条の趣旨からして、運行管理者は他の営業所の運行管理者又は、第3項に規定する補助者を兼務することはできない。ただし、本通達第7条1(5)、1(6)及び、1(7)により他の営業所の点呼を行う場合は、運行管理者の業務に該当しない。

本通達第7条1(5)、1(6)及び、1(7)とは何かというと、Gマーク認定営業所にてのみ実施できる「IT点呼」「他営業所点呼」「グループ企業間点呼」のことを指しているので【特例を除いては兼務は無理。】となっています。

うーん…。

きちんと資格を持っているから問題ないと思ったんですけどねー。
どうやら、運行管理者は、別営業所の運行管理者も補助者も兼務できないようです。

運行管理者に選任されている場合、他営業所の補助者になれない

(第18条)
…なお、本条の趣旨からして、運行管理者は他の営業所の運行管理者又は、第3項に規定する補助者を兼務することはできない。ただし、本通達第7条1(5)、1(6)及び、1(7)により他の営業所の点呼を行う場合は、運行管理者の業務に該当しない。

太文字で書かれているように「運行管理者は~」と書かれています(ココ、ポイント)ので、本社営業所で運行管理者に選任されている田中さんは、他の営業所の補助者はできないことがわかりました。

ちなみに、整備管理者の場合は本社営業所で選任されていたとしても、他営業所で補助者として選任するのはアリ。

運行管理者と整備管理者では異なるようです。
ややこしいですね。

ポイント!
すでに運行管理者に選任されている人は、(IT点呼などの特例を除き)他営業所の補助者として、点呼執行することができない。

3.田中さんが運行管理者に選任されてなかったら…?

【サンプル】
・ 名前 : 田中さん(仮称)
・ 所属 : A運送(株)本社営業所
※ 運行管理者選任なし。運行管理者資格あり。

先ほどは田中さんが「本社で運行管理者に選任されている場合」を説明しました。

では、仮に田中さんが本社営業所で運行管理者に選任されていないとき(または本社で補助者のみ選任されていた場合)「B営業所の補助者になってくれ!」と言われたら、どうなるのでしょうか?

B営業所の補助者に選任することはできるのでしょうか?

じつは、”運行管理者に選任されてなければ”、同一事業者の他の営業所補助者になることができるんです。

例:(本社営業所所属 田中さん)
・本社営業所 補助者 OK
・B営業所 補助者 OK

このように本社営業所の補助者とB営業所の補助者を兼任することもできます。

ただし、この場合、各営業所において、運行管理業務が適切にできるよう運行管理規程に規定しておくことが求められるので気をつけてくださいね。

ポイント!
運行管理者に選任されていなければ、複数の営業所の補助者を兼任することはできる

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まとめ!

運行管理者と整備管理者のルールは似ていると感じている人もいますが、補助者のルールなど異なる点はたくさんあります。

整備管理者は他営業所と兼務することはできますが、運行管理者は、たとえ補助者であったとしても兼務することはできません。

運行管理者が整備管理者に比べて厳格なのは、輸送の安全を守るため、より厳しく設定されているというわけなんですね。

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