これが現実!運送会社と荷主…対等とは程遠い関係

トラック運送会社に勤めていない人が、”トラック輸送”についてイメージしたとき

  • トラック運転手は、荷物を運んでいるだけだよね
  • 気楽で楽しそう
  • サラリーマンが嫌になって逃げだした人たち

さまざまな掲示板で見た意見をまとめただけなので気を悪くしてほしくないのですが、これが一般的なイメージなのでしょう。

ですが、トラック運転手として働いてみるとどうでしょうか?

たしかに、運転席が職場になるので、煩わしい人間関係に翻弄されることは(サラリーマンに比べると)少なくなるかもしれません。

ですが、「目的地まで荷物を運んで、ハイ終わり!」ということはありません。

指定された集荷時間に着いたとしても、積み込みまで何時間も待たされることが多いです。また、フォークリフトなどを用いて荷物を動かす付帯業務もあります

トラック運転手は、みなさんの目に見えないところで、たくさん苦労しています。

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1.運送会社と荷主は対等な関係ではない

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運送会社と荷物を依頼する”荷主”は対等な関係ではありません。

運送会社はいつも弱い立場に立たされます。

荷主側からすれば、「いま取引をしている運送会社がなくなれば変わりはいくらでもある。」と言わんばかりに強気な対応を取られることって、あるあるですね。

さらに、運送会社の経費の多くを占める燃料価格・人件費の高騰で、もはや自助努力ではどうしようもないところまで追いつめられているにもかかわらず、運賃の値上げを交渉するのは”もってのほか”の状態です。

私の知り合いの運送会社は、運賃の値上げ交渉を行った結果、他の運送会社に乗り換えられました。

2.過剰なサービスを要求される

荷主と運送会社のチカラ関係に関連することですが、あまりのチカラの差に理不尽なことを押し付けられることが多いです。

  • 無料で付帯サービスをしなければいけない。
  • 段ボールが破損しただけで買い取りを要求される。
  • コスト上昇になっても運賃に転嫁することができない(むしろ値下げを要求されることも)
  • 荷主から無理な輸送をお願いされる

数えたらきりがありません。

【荷主との契約上の問題】で、商品が予定どおりに到着・納品しなかったら、運送受託責任でペナルティをくらうこともしばしば。運送会社としても契約を打ち切られるわけにはいかないから、理不尽と感じていても何もいえないのが現実です。

それだけ力関係がぜんぜん違うから仕方がないんですよね^^;

3.違反があれば運送会社が責任を問われる

荷主の無理な要求で、

  • 道交法違反(速度違反など)
  • 改善基準告示違反
  • 過積載

などを起こしたとしても、運送会社や運転手が責任を取らされる理不尽さがあります。

ときに、最悪なケースになると、労働基準監督署や運輸支局の監査官が来たとき。運行管理上の法令違反で車が何日も止められてしまう…なんてことも。

「車両が止められたから…。」といって乗務員を切るわけにもいかないし、仕事も止めるわけにはいかない。

ここから、本当の地獄が始まります。
運送会社は苦しい思いをしているのに…無理難題を押し付けた荷主は、お咎めなしなんですよね。

つまり、運送会社を処分することで、一件落着扱いされるわけ。

荷主企業まで処分がいくことは滅多にないんです。

「そもそも、低運賃で無理難題を言ったあんたらのせいで…!」と言いたくなるけど、みんな生活するためには、激昂した感情をグッと抑えなければいけない。

でも…弱い運送会社ばかり、ターゲットにしている役人さん。黒幕を放置していたら、いつまで経っても事故はなくならないんじゃないの?といいたくなる。

4.販売商品には輸送コストの上昇のためと記載されているが…

私たちの身近にある商品が値上げをするときに使われる理由として「輸送コストの上昇のため」という一文が使用されることがよくありますが、運送会社の運賃に反映されているでしょうか?

まったく反映されていませんよね?

輸送コストの上昇と言いながら、運送会社には、値上げ分を還元していなければ、いわば詐欺と言われても仕方のない状態なのですが、運送会社は何も言えません。

また、輸送費「0円」とアピールしている販売サイトもありますが、あれも運送会社の負担として大きくのしかかっている現実があります。

5.待機時間

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トラック輸送の事業者って、本当に色々な種類があるから、すべて同じ問題を抱えているとは思わないけれど、たぶん多くの事業者は、発地での【待機時間が長い】ということに頭を抱えているんじゃないでしょうか。

待機時間の長さだけでなく、賃金に反映されない苦しさもあるので、二重に運送会社の首を絞めていると言っても過言ではないです。

”働き方改革”の影響で、国は、中継輸送など様々な方法で対応を検討していますが、現場(特に中小企業)から言えば現実的ではないでしょう。

…とにかく、出荷時間など荷物を積み込む地点での作業時間が改善されれば…着時間が不規則でも余裕を持った運行計画が立てられると思います。

そうなるとドライバーの時間も精神的にも負担が軽くなり、安全運行にもつながるじゃないでしょうか。

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コメント

    • うとうと
    • 2018年 7月 24日

    黒幕を放置していたら、いつまで経っても事故は無くならないんじゃないの?

    ほんとそれそれ!

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