初任診断と他の義務診断が重複したときは?

義務の適性診断は初任診断・適齢診断・特定診断の3つがありますが、感覚的に、

 

初任診断・・・新入社員

適齢診断・・・65歳以上の年配者

特定診断・・・大きな事故を起こした乗務員

というイメージがあるかと思います。

 

ですが、最近は、ドライバー不足が影響して65歳以上のドライバーを雇い入れることもありますよね。ひょっとしたら、前の会社で重大事故を起こし、かつ、65歳以上のウルトラ新入乗務員が入ってくることもあるかもしれません。

 

そのような乗務員が入社してきたとき、どの適性診断を受けさせなければいけないのでしょうか?

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ケース①.新たに雇い入れた運転者が事故惹起者だった場合

★新入社員★

乗務員名 : 中村さん

年齢 : 40才

事故歴 : 特定診断に該当(前の会社で受診していない)

 

新入社員の中村さんは65歳未満で事故惹起者に該当者。
この場合、特定診断と初任診断を受診しなければいけないように見えます。

 

けれど、このケースの場合、「特定診断」しか受けなくてOKなんです。

 

根拠は「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」に記載されています。

第10条 従業員に対する指導及び監督

6.運転者として新たに雇い入れた者が第2項1号の「事故を引き起こした者」に該当する場合には、同号の運転者のための適性診断として国土交通省が認定したものを受診させたことをもって、同項第2号の運転者のための適性診断として国土交通大臣が認定したものを受診させたものとみなして差し支えない。

同項第2項は「初任診断」を指します。つまり、特定診断を受けたら、初任診断は受診したものとしてみなすと記載されているんですね。

 

ケース②.新たに雇い入れた運転者が65歳以上だった場合

★新入社員★

乗務員名 : 鈴木さん

年齢 : 66才

事故歴 : 該当なし

 

鈴木さんは、適齢診断と初任診断が該当するように見えます。

 

そのため、過去、適齢診断と初任診断の2つを受診したという乗務員さんがいましたが、本当に両方受診する必要があるのでしょうか。

 

結果から先に言うと、じつは「適齢診断」の受診だけでいいのです。

 

根拠は「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」に記載されています。

第10条 従業員に対する指導及び監督

7.運転者として新たに雇い入れた者65才以上である場合には、第2項第3号の運転者のための適性診断として国土交通大臣が認定したものを受診させたことをもって、同項第2号の運転者のための適性診断として国土交通省が認定させたものとみなして差し支えない

ちなみに、同項第2号とは、初任診断のことを指しています。つまり、「適齢診断を受診したら、初任診断も受診したことにするよ。」という意味なんですね。

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ケース③.新たに雇い入れた運転者が事故惹起者だった場合

★新入社員★

乗務員名 : 田中さん

年齢 : 66才

事故歴 : 特定診断に該当(前の会社で受診していない)

この乗務員さんの場合、初任診断・適齢診断・特定診断にすべて該当するように見えます。この場合は、3つとも受診させなければいけないのでしょうか?

 

いいえ、そのようなことはありません。

 

「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」に次のように記載されています。

第10条 従業員に対する指導及び監督

8.運転者として新たに雇い入れた者が第2項第1号の「事故を引き起こした者」に該当し、かつ、65才以上である場合には、同号の運転者のための適性診断として国土交通省が認定したものを受診させたことをもって、同項第2号及び第3号の運転者のための適性診断として国土交通大臣が認定したものを受診させたとみなして差し支えない。

 

ちなみに、同項第2号及び第3号とは…貨物自動車運送事業安全規則第10条第2項に記載されています。

 

第2号 ⇒ 運転者として新たに雇い入れた者(初任運転者)

第3号 ⇒ 高齢者(65歳以上) 

 

つまり、特定診断を受診させたら、「その受診をもって、初任診断と適齢診断を受診したものとしますよ。」という解釈になるのです。2重・3重に受けなくてもいいんですね。

 

まとめ

特定診断 > 適齢診断 > 初任診断

優先順位はこのようになっています。

 

つまり、対象が重複しても、優先順位の高い診断を1つ受診すれば、対象の診断を省くことができるというわけなんですね。

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