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朝礼は労働時間扱いとすべきか否か?どっち?

この前、お会いしたとある社長から、次のような話がありました。

「ウチの会社は、昔からの慣例として、気を引き締めるために朝礼を行っていた。ただ、わずかな時間ということもあって、労働時間として扱っていなかったのだが…。」

いつもよくしゃべる社長の歯切れが急に悪くなりました。

話を聞くと、どうやら最近、「朝礼を労働時間に加えるよう労働基準監督署から指導を受けたという会社があったみたいなんだ。」とのこと。いまのところ、社員は特に何にも言ってこないし、不満は出ていないけれど、やはり会社としてマズいのかどうか知りたいようでした。

そこで、今回は、「朝礼は労働時間扱いにしなければいけないのか否か」について紹介していきたいと思います。

1.とある臨検監督のお話

ひょっとしたら、耳にしたことがあるかもしれませんが、最近、愛知県下の名古屋北労働基準監督署管内で同じようなケースが発生しています。

その会社では、毎朝、

などに充てていました。
ここまでは、よくある話ですよね。

ところがです。

あるとき、労働基準監督署から「朝礼を労働時間として扱っていないのは問題であり、労働時間に含めるべきだ。」という是正勧告を受けた…とのことでした。

このため、この会社は朝礼のやり方を変えました。

まずは、朝礼の実施を勤務時間内に実施することにし、さらに、一部の部署で行われていた終業後の終礼も朝礼と同じように勤務時間内での実施に変えたそうです。また、労働基準監督署の私的を受け、これまでの朝礼・終礼時間分の賃金もさかのぼって支払うことにしたそうです。

2.朝礼だけでなく、更衣・清掃・作業の引き継ぎも労働時間に含まれる!

朝礼では、多くの会社で採用されたごく一般的な社内行事といえるけれど、始業前の場合、時間も数分と短いこともあって、勤務時間として扱っていないところがけっこう多いのが実態ですよね。

そこで、改めて労働時間とは何か…?ということをおさらいすると、普通は「労働者が使用者に労務を提供し、使用者の現実的な指揮命令に服している時間」などと定義されることが多いです。

では、今回の朝礼のように実作業に入る前の準備的なものはどうなのかということになります。

朝礼だけではありません。
更衣・清掃・作業の引き継ぎなども含まれるんですね。

3.参加義務がある場合は労働時間として取り扱う

では、これらの時間が労働時間に該当するかどうかについては、原則、「① 作業等に不可欠な時間」であって、かつ「②使用者の直接的支配下にある時間」で、就労義務拘束のある場合-とされています。

ちょっとわかりにくいので、言いかえれば、朝礼については「参加義務のあるもの」ということになります。

先ほど、紹介した名古屋北労基署管内のケースでも会社が朝礼に出席するよう指示を出していたという点が労働時間として判断する決め手になったそうです。

そうなれば、わずか数分であったとしても労働時間である以上、きちんとカウントし、賃金を支払わなければならないということにもなるわけなんですね。

まとめ!

労働基準監督署からの指摘は、数分でも労働時間としてカウントし、賃金を支払うように指摘してきます。私の知り合いの会社では、デジタコに記載された拘束時間が数分、所定労働時間をオーバーしたことについて、労働基準監督署から指摘を受けたとのことでした。

今回の名古屋北労働監督署が極端に厳しいというわけでもないようです。
みなさんも気をつけられてくださいね^^

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