解雇通知書を郵送したけれど受領拒否!この場合、どうなる?

トラック運送会社を経営していると、さまざまな乗務員との出会いがありますよね。
とうぜん、いいこともあれば悪いこともあるのですが、今回は悪いことが起きたときの話です。

…とある運送会社のお話ですが、人手不足に悩んでいたところ、乗務員Aさんを雇用することができました。ところが、しばらくして、とつぜんの無断欠勤

無断欠勤が1か月も経つと解雇をせざるをえず、解雇通知書を郵送で送ったそうです。しかし「解雇通知書を郵送したら、労働者は故意にそのまま返送してきた」とのこと。

このような場合、その通知は、有効なのでしょうか?無効なのでしょうか?

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1.今回の例で解雇に至った経緯

「解雇」というのは、使用者が労働者に「もう会社に来なくていい。」というように、一方的に今後も含め、労働契約を解約・終了を告知するものですよね。

冒頭で紹介した運送会社が、最終判断である解雇まで至ったのは、就業規則に記載している「無断欠勤が14日以上に及んだ場合、懲戒解雇する」に従って、手続きを踏んだというわけです。

また、本人が会社に来ないということもあって「解雇通知書を郵送」になったというわけなんですね。

2.今回のケースの解雇通知書の判断結果は?

労働者に解雇を告げる方法はとくに法律上、規定されているわけではありません。なので、解雇通知書を郵送で行っても、口頭で告げてもどちらでもかまわないことになっています。

ただ、条件があって、解雇される労働者が確実に解雇通知を知ることができる状態でなければいけないことになっています。

では、今回のように「解雇通知書を郵送したら、労働者は封を開けることなく、そのまま返送してきた」ような場合は、どう解釈されるのでしょうか?

意外とこのパターンはときどきあるので知っておいて損はないかもしれません。

それでは、回答です。

今回の事例のように「相手が故意に解雇通知書を返送してきた」場合でも、じつは、相手が了知に得る状態と判断され、「解雇の意思表示は到達したもの」という判断がされるんです。

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3.解雇通知書の受領を拒否されていても大丈夫?

ただ、今回のように「解雇通知書の受領を拒否されている」場合、もしかすると、解雇の意思表示が相手に到達していないのでは?と思うかもしれません。でも、大丈夫!

民法第97条1項には次のように書かれています。

隔地者(意思表示が了解されるまでに時間を要する状態にある者)に対する意思表示では、その通知が相手方に到達したときからその効力を生ずる

とされていて、法律上は、隔地者に対する意思表示は「相手が知ろうと思えば知り得る状態」であれば、意思表示が到達したものとなるんですね。

つまり、もっとかみ砕いていうならば、解雇通知の効力の発生は、通知が相手方に到達したときであり、郵送の場合は【相手方の住居に配達されたとき】になるわけです。

だから、もしも解雇に不服に感じていた労働者が解雇通知書の受領を拒んだり、解雇通知を返上したとしても、解雇通知書が相手の住居に到着さえすれば、解雇通知の効力は発生するんですね。

さきほどの冒頭の例のように、たとえ解雇通知書の受領拒否を行ったとしても法律上はNoProblem!問題ありません。受領拒否をしたとしても、「私は解雇には反対です。」という示威表明にすぎないというわけなんです。

4.最悪の事態に備えることが重要!

「解雇」は労働者にとって大変なことですよね。
明日からの生活も困りますし、将来的に真っ暗になってしまいます。
だから、裁判沙汰になることは多々あるんですよね。

このため、たとえ解雇通知書を郵送などしたとしても、後日争いになってもいいように、きちんとかつ確実に証拠関係をそろえていくことが重要です。したがって、できるなら、口頭での通知プラス文書での通知を行う方法がとられています。

さらに、口頭の場合でも、立会人をおくにこしたことはなく、郵送の場合は配達証明の手続きをしておくのもひとつの方法です。

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