1日の拘束時間の計算方法は?

トラック運送業界のためのブログやHPは少ないです。さらに、ふと感じた質問や疑問をぶつける場所はほとんどありません。

そのため、当ブログのコメント欄などを通じてさまざまな質問をしていただけることについて本当に感謝しています。

今回の質問は、運送会社の管理者をしている人からの質問で多い「1日の拘束時間の計算方法」について紹介していきます。

1.運行管理者試験にも出てくる

働き方改革の影響でしょうか。以前と比べて、労働基準監督署の臨検や運輸支局の行政監査が増えています。

36協定などの届出から”拘束時間が長い運送会社”は、とくにターゲットにされやすい傾向があります。

運送会社としてもリスクが高まっている以上、今回紹介する”1日の拘束時間”の計算方法はかならず頭にいれておきたい知識のひとつです。また運行管理者の資格取得を目指している人は、必ず覚えておきたいですね。

なにしろ「1日の拘束時間の計算方法や考え方」は、運行管理者試験問題の常連ですから^^

2.1日の拘束時間を把握するうえで知っておきたいポイント

1日の拘束時間の計算方法を紹介する前に知っておきたい改善基準のポイントは次のとおりです。

<改善基準のポイント>
●1日の拘束時間は原則13時間
●延長する場合でも最大16時間が限度
●休息機関は継続8時間以上

拘束時間は、最大16時間まで…となっていますが、15時間を超えての運行は【1週間に2回まで】というルールがあります。

↑のポイントを覚えるためには、1日24時間の枠を意識すれば、スッと理解できるはずです。つまり…

1日(24時間)=拘束時間(16時間以内)+休息時間(8時間以上)

になります。

どうでしょうか?
これで改善基準のポイントはマスターしましたね^^

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3.拘束時間の計算方法がわからない!

次に、1日の拘束時間の計算方法です。
まずは上の表を見てください。

この表を見たとき、違和感を感じた人も多いと思います。

そう!
なぜか「火曜日と水曜日の拘束時間が16時間」になっています。

たしかに不思議です。
疑問に思うのは当然ですよね。

ふつうに考えれば…

火曜日 ⇒ 22:00 - 8:00 = 拘束時間 14時間
水曜日 ⇒ 21:00 - 6:00 = 拘束時間15時間

このようになります。

ところが改善基準告示の”1日の拘束時間”で計算すると、間違いなく火曜日=16時間、水曜日=16時間という結果になります。なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか?

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4.貨物自動車運転者の1日は特別である

火曜日 ⇒ 22:00 - 8:00 = 拘束時間 14時間
水曜日 ⇒ 21:00 - 6:00 = 拘束時間15時間

ふつうに引き算をすると↑の表の方が正しいはずです。

おそらく、この表を労働基準監督署や運輸支局の担当者に渡して確認しても、火曜日、水曜日は拘束時間16時間という回答が返ってくるはずです。

引き算を間違ったわけではないのに、なぜ改善基準告示の1日の拘束時間と数字が異なったのでしょうか?

始業時間を意識する

通常、1日と考えたとき、何時~何時をイメージするでしょうか?

おそらく【1日=0:00~24:00】だと思います。この固定観念が1日の拘束時間を理解するうえで大きな障害になってしまいます。

たしかに普通の会社に勤めていた場合、この【1日=0:00~24:00】の考え方で間違ってはいません。でも一般貨物自動車運送事業の1日の考え方は特別なのです。

一般貨物自動車運送事業の1日の考え方は、0:00~24:00ではなく…

始業から連続する24時間

になります。

運送会社の始業時間は変動する

一般の企業であれば、”始業時間 8:00から”というように、毎日、同じリズムで仕事が始まり、そして終わるはずです。

しかし、トラック運送業界は違います。

荷主側の要望に合わせて、臨機応変に対応している運送会社はたくさんあります。

そのため、始業から連続する24時間の中に拘束時間が何時間あるのか計算すればOK。…では済まないのがこの業界です。そして、それが、この”1日の拘束時間の計算方法”を厄介にしているのです。

5.拘束時間の計算例

もういちど表を見てみましょう。
火曜日の始業時間は8:00です。

さきほどのトラック運送業界の1日は【始業時間から24時間】という特別なルールを思い出してみましょう。そのルールに合わせて考えると、火曜日の1日は、8:00~翌日水曜日の8:00までということになります。

そして、拘束時間はというと…

● 火曜日 8:00~22:00 (14時間)
● 水曜日 6:00~8:00 (2時間)

火曜日の拘束時間となります。

そのため、14時間+2時間の16時間が拘束時間となるわけなんですね。

水曜日の拘束時間も計算してみる

翌日の水曜日も併せて計算してみましょう。

水曜日の始業時間は、6:00です。
始業時間から24時間で1日を考えるので…

● 水曜日 6:00~21:00 (15時間)
● 木曜日 5:00~6:00 (1時間)

が水曜日の拘束時間として扱われます。
だから、15時間+1時間=16時間になるんですね。

6.1日の拘束時間を計算するときに感じる疑問点

<火曜日の拘束時間>
火曜日 8:00~22:00
水曜日 6:00~8:00<水曜日の拘束時間>
水曜日 6:00~21:00
木曜日 5:00~6:00

火曜日の拘束時間を計算するときに、水曜日の6:00~8:00までの時間帯は、火曜日の拘束時間にも、水曜日の拘束時間、どちらにも加えられています。つまり、拘束時間がダブルカウントされていることに気が付くはずです。

「水曜日の6:00~8:00の2時間を火曜日と水曜日、どちらにも拘束時間としてカウントしているなんて変…。」と思うかもしれませんが、トラック運送の場合、1日の拘束時間を見るとき、拘束時間のダブルカウントは重要なポイントになってきます。

ただ、あくまでも1日の拘束時間を把握するときにダブルカウントが適用されるだけなので、1か月の拘束時間を合計して把握するときには、ダブルカウントさせないようにしておきましょう。

7.1週間に2回、拘束時間15時間以上OKだけど、その1週間の解釈とは?

トラックドライバーの労働時間等の「改善基準告示」を見ると、1日の最大拘束時間が16時間と書かれてあるのと同時に「1日の拘束時間が15時間を超えて勤務ができるのは1週2回以内」と記載されています。けれど、よく考えてみれば、この1週に2回以内の「1週」はどの期間を指すのかわかりませんよね?

事業者が都合よく「今週の火曜から翌週の月曜日まで」というように決めてもいいの?とすら思ってしまいます。法律上、起算日が設けられているのでしょうか?

じつは、就業規則で「1週」の範囲が決められていれば、それが優先されますが、たいていは決められていません。そのため、多くの事業所(就業規則などで定めていない場合)は、1週間は【日曜から土曜日まで】の暦週という扱いになります。(S63.1.1基発1号)

まとめ!

一日の拘束時間を計算すると、いざ一カ月の拘束時間を算出するときに頭が混乱してしまうこともあるかと思います。1か月の拘束時間を計算するときには、むしろ、1か月の日数×24時間から休息時間の合計を引いてしまえば、間違いなく、1か月の拘束時間の数字が出てくると思います。

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コメント

    • 坂井 康浩
    • 2017年 10月 17日

    質問です。
    拘束時間の始まりは、「点呼」をした時ですか?
    エンジンを始動させた時ですか?
    どちらになりますか。

      • kokugo97
      • 2017年 10月 21日

      坂井様、はじめまして!

      拘束時間のはじまりは、
      点呼執行のときでもエンジンを始動させたときでも
      ありません。

      というのも「拘束時間」の考え方は

      拘束時間=労働時間+休憩時間

      という考え方だからです。

      そのため、会社に出勤してから拘束時間が始まると考えるのが
      妥当です^^

    • よたろう
    • 2018年 7月 26日

    とても分かり易い解説ありがとうございます。
    質問です。
    拘束時間の重複は理解できましたが、この重複時間は運転時間にもプラスされるのですか?

      • トラックの杜
      • 2018年 7月 26日

      ご質問ありがとうございます。

      運転時間は、
      ①二日平均で9時間以内
      ②2週間平均で44時間以内
      ③4時間の連続運転が限度
      の3つの縛りがあります。

      今回のご質問では、①2日平均が関連してくるとおもうのですが、
      2日平均の計算方法は、始業時間から48時間平均という考え方なので、
      運転時間が重複することはありません^^

      つまり、拘束時間の重複したところは、
      あくまでも拘束時間しか見ないということになるんですね^^

    • ブチャラティ
    • 2020年 6月 12日

    ダブルカウントと休息時間について質問させて頂きます。

    例えば、1日目の点呼開始が18時で、2日目の点呼開始が14時だった場合、
        ダブルカウントは1日目にプラス4時間だと思いますが、

        14時開始でも、15時にすぐ分割休息4時間を取り、19時に運行
        再開したとしても、ダブルカウントの概念は変わらないのでしょうか。

    ご教授の程、宜しくお願い致します。

      • トラックの杜
      • 2020年 6月 16日

      ブチャラティ様
      お世話になります。

      1日目が18時開始
      2日目が14時開始でかつ15時に1回目の休息を取った場合、
      14時から15時がダブルカウントになります。

      補足:
      運転日報だけでなく点呼簿と照らし合わせての判断となります。
      ※2日目が14時開始なので、おそらく乗務前点呼(地場で分割休息使用の場合、タイムカード)が14時になっていることになっているはずです。そのため、2日目の始業開始は14時と判断され、分割休息でもダブルカウント扱いになります。

    • 123
    • 2020年 7月 29日

    拘束時間の計算方法について

    たとえば
    1日目始業7:00、積8:00、終業9:00

    9:00に会社に戻り一旦自宅へ。その日の夜22:00に出発した場合朝7:00からの24時間が拘束時間ですか?
    22:00から24時間が拘束時間ですか?

    7:00から24時間の拘束時間だった場合22:00出発から翌日16:00終業会社に帰って来るまで4時間以上の休息はなくても大丈夫ですか?

      • トラックの杜
      • 2020年 7月 29日

      123様
      はじめまして!

      さて1日の拘束時間の計算については、

      1日目7:00から翌日の7:00までの24時間で見ます。
      そのため、7:00~9:00。22:00~7:00が1日の拘束時間になります。

      次に2日目ですが、出発22:00から翌日16:00ですので、
      このままの計算では16時間超過になります。

      そのため、分割休息等の特例措置を
      使用するなどしなければ違反になります。

      改善基準告示違反を避け、分割休息を活用するのであれば、
      22:00~翌日16:00の間に4時間以上の休息が必要と言えます。

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