1日の拘束時間の計算方法は?

トラック運送業界について、質問や疑問をぶつける場所は多くありません。そのため、当ブログを通じてさまざまな質問をしていただけることについて本当に感謝しています。

今回の質問は「1日の拘束時間の計算方法」です。

働き方改革の影響で、労働基準監督署の臨検や運輸支局の行政監査が頻発する中、この1日の拘束時間の計算はかならず頭にいれていただきたい知識のひとつです。また、運行管理者の資格取得を目指している人は、かならず覚えておきたい項目になります。

なにしろ、「1日の拘束時間の計算方法や考え方」は、運行管理者試験問題の常連ですから^^

そこで、今回は「1日の拘束時間の計算方法や考え方」についてまとめてみました。参考までに見ていただければと思います。

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1.拘束時間の計算方法がわからない!

まず、上の表を見てください。

この表で「なぜ火曜日と水曜日の拘束時間が16時間になるのかわからない…。」と質問がありました。確かに質問者の疑問はうなずけます。ふつうに考えれば…

火曜日 ⇒ 22:00 - 8:00 = 拘束時間 14時間
水曜日 ⇒ 21:00 - 6:00 = 拘束時間15時間

このようになりますよね。

ところが1日の拘束時間で考えると、火曜日=16時間、水曜日=16時間という結果になってしまいます。
なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか?

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2.貨物自動車運転者の1日は特別である

火曜日 ⇒ 22:00 - 8:00 = 拘束時間 14時間
水曜日 ⇒ 21:00 - 6:00 = 拘束時間15時間

ふつうに引き算をすると、↑の表の方が正しいはずです。けっして引き算を間違ったわけではないのに、なぜじっさいの1日の拘束時間と数字が異なったのでしょうか?

労働基準監督署や運輸支局に確認しても、火曜日、水曜日は拘束時間16時間という回答が返ってくるはずです。

まず、おさえておかなければいけないのは、みなさんが計算するとき【1日=0:00~24:00】という固定観念があります。たしかに普通の会社に勤めていた場合、この【1日=0:00~24:00】の考え方で間違ってはいません。でも、貨物自動車運転者の1日の考え方は特別なのです。

貨物自動車の1日の考え方は、0:00~24:00ではありません

始業から連続する24時間

です。

つまり、通常は、この始業から連続する24時間の中に拘束時間が何時間あるのか計算すればいいだけなのですが、この業界は、毎日、同じ始業時間で始まる会社は多くありません。

それが、この1日の拘束時間の計算方法を厄介にしている理由のひとつになります。

3.拘束時間の計算例

もういちど表を見てみましょう。
火曜日の始業時間は8:00です。

さきほどのトラック運送業界の1日は【始業時間から24時間】という特別なルールを思い出してみましょう。そのルールに合わせて考えると、火曜日の1日は、8:00~翌日水曜日の8:00までということになります。

そして、拘束時間はというと…

● 火曜日 8:00~22:00 (14時間)
● 水曜日 6:00~8:00 (2時間)

火曜日の拘束時間となります。

そのため、14時間+2時間の16時間が拘束時間となるわけなんですね。

水曜日の拘束時間も計算してみる

翌日の水曜日も併せて計算してみましょう。

水曜日の始業時間は、6:00です。
始業時間から24時間で1日を考えるので…

● 水曜日 6:00~21:00 (15時間)
● 木曜日 5:00~6:00 (1時間)

が水曜日の拘束時間として扱われます。
だから、15時間+1時間=16時間になるんですね。

4.1日の拘束時間を計算するときに感じる疑問点

<火曜日の拘束時間>
火曜日 8:00~22:00
水曜日 6:00~8:00

<水曜日の拘束時間>
水曜日 6:00~21:00
木曜日 5:00~6:00

火曜日の拘束時間を計算するときに、水曜日の6:00~8:00までの時間帯は、火曜日の拘束時間にも、水曜日の拘束時間にも加えています。つまり、拘束時間が重複していることに気が付くはずです。

「重複しているなんて変…。」と思うかもしれませんが、トラック運送の場合、1日の拘束時間は重複していてもOKなんです。

つまり、今回のサンプルのように、水曜日の6:00~8:00の2時間は、火曜日の拘束時間で利用しているにもかかわらず、翌日、水曜日の拘束時間を計算するとき、6:00~8:00の2時間を省くことはできません。もういちど、水曜日の拘束時間としてカウントする…という特別ルールが適用されます。

ただ、あくまでも1日の拘束時間を計算するときに重複するだけなので、1か月の拘束時間を計算するときには、重複させないようにしておきましょう。

5.1週間に2回、拘束時間15時間以上OKだけど、その1週間の解釈とは?

トラックドライバーの労働時間等の「改善基準告示」を見ると、1日の最大拘束時間が16時間と書かれてあるのと同時に「1日の拘束時間が15時間を超えて勤務ができるのは1週2回以内」と記載されています。けれど、よく考えてみれば、この1週に2回以内の「1週」はどの期間を指すのかわかりませんよね?

事業者が都合よく「今週の火曜から翌週の月曜日まで」というように決めてもいいの?とすら思ってしまいます。法律上、起算日が設けられているのでしょうか?

じつは、就業規則で「1週」の範囲が決められていれば、それが優先されますが、たいていは決められていません。そのため、多くの事業所(就業規則などで定めていない場合)は、1週間は【日曜から土曜日まで】の暦週という扱いになります。(S63.1.1基発1号)

まとめ!

一日の拘束時間を計算すると、いざ一カ月の拘束時間を算出するときに頭が混乱してしまうこともあるかと思います。1か月の拘束時間を計算するときには、むしろ、1か月の日数×24時間から休息時間の合計を引いてしまえば、間違いなく、1か月の拘束時間の数字が出てくると思います。

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コメント

    • 坂井 康浩
    • 2017年 10月 17日

    質問です。
    拘束時間の始まりは、「点呼」をした時ですか?
    エンジンを始動させた時ですか?
    どちらになりますか。

      • kokugo97
      • 2017年 10月 21日

      坂井様、はじめまして!

      拘束時間のはじまりは、
      点呼執行のときでもエンジンを始動させたときでも
      ありません。

      というのも「拘束時間」の考え方は

      拘束時間=労働時間+休憩時間

      という考え方だからです。

      そのため、会社に出勤してから拘束時間が始まると考えるのが
      妥当です^^

    • よたろう
    • 2018年 7月 26日

    とても分かり易い解説ありがとうございます。
    質問です。
    拘束時間の重複は理解できましたが、この重複時間は運転時間にもプラスされるのですか?

      • トラックの杜
      • 2018年 7月 26日

      ご質問ありがとうございます。

      運転時間は、
      ①二日平均で9時間以内
      ②2週間平均で44時間以内
      ③4時間の連続運転が限度
      の3つの縛りがあります。

      今回のご質問では、①2日平均が関連してくるとおもうのですが、
      2日平均の計算方法は、始業時間から48時間平均という考え方なので、
      運転時間が重複することはありません^^

      つまり、拘束時間の重複したところは、
      あくまでも拘束時間しか見ないということになるんですね^^

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