1泊2日や2泊3日などの”泊”の解釈は?

当ブログの「1泊3日の点呼執行はどうすればいいの?」に次のような質問がありました。

以前運輸支局の方がうちの会社に監査に入ったとき、上記のような一泊三日運行のものに関して、三日目まで日をまたいでいるし、車庫(拠点)出発のものに関しては、指示書は必ず出していただきたいとおっしゃってました。

点呼は、一泊三日運行のものは上記でいいかと思いますが。ちなみに「泊」の点呼について知りたくてネットサーフィンしていましたが、ご存知でしたらご享受いただけますか?

私が言う泊とは、たとえば3泊4日の運行でその中で1日目車庫から東京、2日目東京でなにもないのでトラックで待機、3日目東京から長野、4日目長野から帰庫というような流れの場合を言っています。見解お待ちしております。(原文そのまま)

質問欄に返答するには「説明するためのスペースが足りない。」と感じましたので、今回は、新記事として回答することにしました。

なお、今回、質問者が抱えている悩みを当ブログで質問してくれたことは、私にとって本当に嬉しいことでした。

中小企業が99%のトラック運送業界は、残念ながら情報交換する場がほとんどありません。だから、たとえ疑問に感じたことがあってもぶつける場がありませんし、調べる余裕もありません。だからこそ「当ブログが疑問を解消する場のひとつになってくれたら…。」と思っています。

疑問に思ったことは質問してくださいね。
私がわかる範囲で回答します。

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1.運行指示書が必要なときは…?

運輸支局が質問者様の会社に監査に来たとき、1泊3日運行でも「運行指示書」が必要と言っていたようですが、本当に必要なのでしょうか?

まず、運行指示書の根拠となる法令を見てみましょう。

(運行指示書による指示等)
第九条の三  一般貨物自動車運送事業者等は、第七条第三項に規定する乗務を含む運行ごとに、次の各号に掲げる事項を記載した運行指示書を作成し、これにより事業用自動車の運転者に対し適切な指示を行い、及びこれを当該運転者に携行させなければならない。
一  運行の開始及び終了の地点及び日時
二  乗務員の氏名
三  運行の経路並びに主な経過地における発車及び到着の日時
四  運行に際して注意を要する箇所の位置
五  乗務員の休憩地点及び休憩時間(休憩がある場合に限る。)
六  乗務員の運転又は業務の交替の地点(運転又は業務の交替がある場合に限る。)
七  その他運行の安全を確保するために必要な事項

運行指示書が必要なのは【第7条第3項に規定する乗務を含む運行ごと】と記載されています。では、その安全規則第7条第3項には何と記載されているのでしょうか?

3  貨物自動車運送事業者は、前二項に規定する点呼のいずれも対面(輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、貨物自動車運送事業者が点呼を行う場合にあっては、国土交通大臣が定めた機器による方法を含む。)で行うことができない乗務を行う運転者に対し、当該点呼のほかに、当該乗務の途中において少なくとも一回電話その他の方法により点呼を行い、第一項第一号及び第二号に掲げる事項について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。

つまり、

1日目 対面 - 電話
2日目 電話 - 中間点呼 -電話
3日目 電話 - 対面

このように、いずれも対面できない2日目のような点呼が発生するとき運行指示書が必要…と記載されています。

そのため、↓のサンプルのような1泊3日のように、

1日目夜 対面 ― 2日目朝 電話
2日目夕方 電話 - 3日目朝 対面

このような内容だった場合、運行指示書はいらないというわけなんですね。

運行の内容によっては、1泊でも指摘を受けることがある

なお、たとえ1泊しかしていなかったとしても、拘束時間16時間をオーバーし、1泊4日のような運行をさせた場合、改善基準告示違反になりますし、きちんと休息を与え、中間点呼や運行指示書を行うように指導されることもあるので、1泊だから、大丈夫というわけではありません。

2.泊の解釈とは?

私たちが言っている1泊2日とか2泊3日が運行指示書や点呼記録簿に当てはめることができないケースがあります。解説するのもいいのですが、それでは面白くないので問題を出しますね。

次のような運行内容のとき、あなたなら運行指示書はいると思いますか?

(問題)

1日目 9:00 対面点呼  -  19:00 電話点呼
2日目 遠方地で作業・もしくは休日(ハンドルを握ることなし)
3日目 9:00 電話点呼  -  19:00 対面点呼

一般的には2泊3日と言われるものです。
さぁ、考えてみてください。

正解は「必要ない」です。

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3.運行指示書は点呼執行と連動している

そもそも点呼執行は・・・

①乗務前点呼(安全規則第7条)

…貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者に対し(以下略)

②乗務後点呼(安全規則第7条2)

…貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を終了した運転者に対し(以下略)

と記載されているように、

休息終了 ⇒ 「トラックを運転しよう」 ⇒ 乗務前点呼
「今日のトラック運転は終わり」 ⇒ 乗務後点呼 ⇒ 休息開始

になりますよね。

だから、作業日や現地休日でトラックのハンドルを握ることがない場合、その日の点呼執行は必要ないのです。

ここで運行指示書の条件を思い出してください。運行指示書が必要なのは【第7条第3項に規定する乗務を含む運行ごと】(いずれも対面点呼ができず、中間点呼が必要なとき)と記載されていますよね?

今回の出題では、

1日目 9:00 対面点呼  -  19:00 電話点呼  ⇒ 対面点呼あり!
2日目 遠方地で作業・もしくは休日(ハンドルを握ることなし) ⇒ 点呼必要なし
3日目 9:00 電話点呼  -  19:00 対面点呼  ⇒ 対面点呼あり!

1日目と3日目は運行管理者と対面で顔を合わせています。
また、2日目は運転していないので、点呼そのものが必要ありません。

つまり、【第7条第3項に規定する乗務を含む運行ごと】に該当する点呼執行がないので「運行指示書はいらない。」という結論になるわけです。

ちなみに質問者様の3泊4日の運行は、2日目が休みだとしても、3日目が乗務前点呼・乗務後点呼が電話で中間点呼も必要です。だから、運行指示書は必要になりますので気を付けてくださいね。

4.例外もある

中間点呼が発生する点呼があれば、運行指示書が必要である法則はわかりました。では、2泊3日未満で運行指示書が発生するケースはないのでしょうか?

…じつはあるんです。

それが特例である「分割休息」です。

群馬県トラック協会HP(こちら)にも次のように記載してます。

このように分割休息を利用すると、2泊3日以上でなくても「運行指示書」が必要になるケースがあります。

ひょっとしたら、質問者様の運行内容は1泊3日だったけど、8h以上の休息時間がない。けれど4h以上の休息が複数回かつ計10h以上の休息があったため、「分割休息」として取り扱ったら、改善基準告示違反にならないと監査部は判断してアドバイスしたかもしれません。

ただし、分割休息のネックは「運行指示書」が必要になってしまうという点です。

残念ながら、点呼簿と運転日報が目の前にないので、すべては想像ですが書ける範囲で書いてみました。

まとめ!

残念ながら、点呼簿・日報を目にすることができないので質問者様のご希望に添える回答だったのかわかりません。ただ、点呼執行は「泊」で判断するのではなく「休息取得前後」で判断するものになります。

そのため、私たちが「2泊3日」と表現しているモノを点呼や運行指示書に当てはめようとしてもうまく当てはまらないケースが出てきます。

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