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トラック運送業の隔日勤務ってどのようなもの?

厚生労働省が出している「トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」を見てみると、改善基準告示の特例のなかに「隔日勤務」というものがあります。

タクシーやバスなどでは使用されることがあるかもしれませんが、トラック運送会社では「隔日勤務」はあまり馴染みがありません。

制約が多すぎて、隔日勤務を使用するくらいなら「分割休息」を使用したほうがまだマシということが理由なのですが、そもそも「隔日勤務」とはどのようなモノでしょうか?

使用する運送会社が少ないということで、「隔日勤務」について解説しているサイトはほとんどありませんので、今回は、隔日勤務をテーマに紹介していきたいと思います。少し極端な例になりますが、参考にしていただければ幸いです。

1.隔日勤務とは?

まず、隔日勤務とは、どのようなものかというと、文字そのままに「一日置きに勤務する」とイメージしていただければと思います。

月曜日(出勤) ⇒ 火曜日(休み) ⇒ 水曜日(出勤) ⇒ 木曜日(休み)…

という感じですね。

例えば、火曜日のAM8時に出勤した後、翌日、水曜日のAM4時まで勤務。そして、一定の休息を取った後、その翌日の木曜日のAM8時に出勤する…という勤務方法です。

消防士さんに知り合いがいれば、この隔日勤務をしている話を耳にしたことはあるかもしれません。

2.隔日勤務のルール

改善基準告示の中でも「隔日勤務」は特殊な勤務形態です。ただ単に1日出勤して次の日休みにすればいいというわけではありません。一定のルールが存在してみます。

そこで、「隔日勤務」がどのようなものか、厚生労働省の「トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」を確認してみましょう。そこには次の条件が書かれています。

・2暦日における拘束時間が21時間を超えないこと
・事業所内仮眠施設等において、夜間4時間以上の仮眠を与えた場合、2週間で3回を限度に、この2暦日における拘束時間を24時間まで延長可能
・ただし、2週間で総拘束時間は126時間が限度
・勤務終了後、継続20時間以上の休息時間が必要

つまり、もしも「隔日勤務」を利用するのであれば、この4点を守ったうえで実行しなければいけないことになります。

ただ、私は初めてこの条件を見たとき、イマイチよくわかりませんでした。「隔日勤務」は身近ではないですし、経験したことがなかったので、イマイチ、イメージをすることができなかったんですよね。

2.とある1週間のサンプル

じっさいに隔日勤務を行おうとすると、先ほど紹介した4点のルールを守る必要がありますが、さらに「1週間の運転時間は2週ごとの平均で44時間が限度」や「1か月の総拘束時間」等、考慮しなければいけない点はあります。

そうすると、運行管理はかなり大変ですが、とりあえず1週間、隔日勤務を使用した場合、どのような内容になるのかというと↓のサンプルのとおりになります。

(サンプル)

それでは、先ほどの隔日勤務の条件と照らし合わせながら、もう一度、見てみましょう。

a.2暦日における拘束時間が21時間を超えない

サンプルの1週間を見たとき、月曜日と金曜日が拘束時間21時間になっています。つまり、隔日勤務でいえば、月・火と金・土がそれぞれ1セットになり、aの条件には違反していないということになります。

b.事業所内仮眠施設等において夜間4時間以上の仮眠を与えた場合

水曜日から木曜日まで24時間勤務しています。ですが、その途中、夜間に4時間以上の仮眠を取っています。つまり、拘束時間が21時間以上の計24時間でも、夜間に4時間以上の仮眠を与えた場合はOKなんですね。

ちなみに、この方法は、2週間に3回を限度に使用できます。

c.2週間で総拘束時間は126時間が限度

サンプルでは、1週間分しか紹介していないのですが【2週間で総拘束時間を126時間以内に抑える必要がある】というルールがあるため、サンプルの運行では2週間目で拘束時間の調整をする必要がありそうです。

d.勤務終了後、継続20時間以上の休息時間が必要

勤務終了後、継続20時間以上の休息時間が必要です。サンプルでは、火・木・土それぞれ、継続20時間以上の休息が与えられているので問題ないです。

いかがでしょうか?
サンプルでは、すべての条件を満たした内容になっています。

3.隔日勤務のQ&A

隔日勤務で疑問に思われる点についてまとめてみました。

Q.事業所内仮眠施設等において、夜間4時間以上の仮眠を与えた場合、2週間で3回を限度に、この2暦日における拘束時間を24時間まで延長可能だが、夜間4時間の休息は車内ベッドで問題ないのか?

A.4時間の休息は、ベッドがある建物(営業所など)で行って欲しい。

Q.夜間4時間以上と記載されているが、連続でなければいけないのか?

A.連続した4時間でなければいけません。

Q.休日の取り扱いは?

A.勤務終了後、継続20時間以上に加えて、24時間与える必要があります。

Q.日勤勤務と隔日勤務を併用して、頻繁に勤務体系を変更しても問題ないか?

労働者の生理的機能への影響にかんがみ、認められない。日勤勤務と隔日勤務を併用する場合は、制度的に一定期間ごとに交代させるよう勤務割を編成する必要がある。

まとめ!

タクシーなどでは使われるかもしれませんが、トラック運送業界においてはほとんど使用されることがない隔日勤務について紹介しました。

長距離輸送でも1日走って1日休みのは非効率的ですし、同じ特例なら分割休息などを活用したほうが効率的です。参考まで。

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