運行管理者試験の勉強をしている知り合いから「帳票類で1年保存と3年保存とかイロイロあってわかりにくい。なにかわかりやすい暗記方法はないの?」と言われました。
「いやいや、試験勉強を俺に聞くのは間違っているぞ!」とツッコみたかったけれど、幸い帳票類の覚え方については、運行管理者の基礎講習で行政の講師が話していたことを思い出したので、そのことをそのまま知り合いに伝えました。
同じような悩みを持っている人がいると思いましたので、今回は運転者台帳・点呼記録簿・運転日報等、運送業を運営していくうえで必要な帳票類の保存期間について紹介していきます。
1.運送事業関係書類保管の期間は?
運送事業関係書類の保管期間はどのようになっているのでしょうか?
1)5年間
・健康診断の記録
2)3年間
・事故の記録
・乗務員に対する安全教育の記録
3)1年間
・点呼記録簿
・運転日報
・運行記録計
・運行指示書
・定期点検記録
4)保存期間に定めなし
・日常点検記録簿
・適性診断
これを見るとある特徴に気が付きます。
2.一般講習の講師はどのように教えているの?
運行管理者の一般講習の行政(支局)講師の方が言うには・・・
- 人に関すること―3年保存
- 車(運転)に関すること―1年保存
このように記憶すればいいとアドバイスされました。
(健康診断の5年は労働安全衛生法なので支局の管轄外。)
たしかに、3年保存の帳票類を見ると…
・事故の記録
・運転者台帳
・乗務員に対する安全教育の記録
と「人」に関するものばかりです。
1年保存の帳票類を見ると…
・点呼記録簿
・運転日報
・運行記録計
・運行指示書
・定期点検記録
車や運転に関することがほとんどですよね。
ちなみに、事故の記録は「車や運転に関すること」のジャンルっぽいけれど、対人事故などを考えると、やっぱり人に大きくかかわりますよね。そのように無理矢理こじつけて記憶しました笑
3.保存期間に定めがない書類の取り扱いの仕方(日常点検)
ここからは、試験問題とは一度離れて実務の話をしていきます。日常点検簿については、保存期間の定めが特にありません。
そうすると、「日常点検簿を記録保存する必要がないよね。」と思ってしまいがちですが、いままで通り記録保存していたほうが絶対いいです。
支局が言うには、整備管理者が日常点検の結果を聞いて【運行の可否】を判断するが、監査において、その実績を証明するには、やはり日常点検簿以外ではわからないですよね。」ということのようです。
うがった見方をすると、支局のために日常点検簿を残しておきなさいということになります^^;
ただ、日常点検は定期点検同様に行政処分の中でもトップクラスの処分日車数で、ココで「できていない」と判断されると長期間、車を止められるきっかけになります。
だから、支局や適性化指導員が指摘するように、日常点検記録簿を記録保存していたほうがよさそうです。
4.保存期間に定めがない書類の取り扱いの仕方(適性診断)
適性診断の記録保存はなく、また、運転者台帳に受診日とその内容を記載するので「わざわざ保存する必要がないんじゃないの?」と思うかもしれません。
確かに保存記録に根拠はないのですが、乗務員全体の安全教育(指導教育指針12項目)において、次のような項目があります。
9.運転者の運転適性に応じた安全運転
つまり、適性診断等で乗務員の特性を把握したうえで、教育しないといけないのに「帳票類がないのはおかしいよね。」と指摘を受ける可能性があります。(平成29年3月12日より、「その他の方法」としてデジタコデータにより、運転適性に応じた教育も加わりましたので、いいわけしやすくなりましたw)
また、行政監査において、外部にて実施される適性診断や定期点検(自主点検除く)の場合、その場で書類が提示できなくても、後日、弁明書に書類を添付すれば処分されることはありません。(適性診断は100円で再発行できます。)
ただ、やはり心臓に悪いので、運転者台帳等、帳票類と一緒に保存しておいたほうがよさそうです。
まとめ
事業法に関する帳票類の保存期間は意外と単純で覚えやすいですよ。