整備管理者は外部委託できる?できない?

「いままで整備管理者をしていた社員が退社してしまった。当社に整備管理者の資格を持っている人がいないが、確か以前は、整備管理者は外部委託ができたはずだ。ただ、いまでも整備管理者は外部委託はできるのだろうか?」

このように疑問を持った人から問い合わせをいただきました。そこで、今回は、整備管理者の外部委託について書いていきたいと思います。

1.今回の問題の経緯

さて経緯をお話します。

一般貨物運送事業を始めるために運送会社を立ち上げた知人Aさんから相談を受けました。許可申請のときは、AさんはBさんに整備管理者になってもらう予定だったのですが、Bさんは家庭の事情で、急遽、「働くことができない」と言われてしまったようなんです。

「運輸開始のときに、運行管理者と整備管理者の届出がいるのに…。」と頭を抱える事態に追い込まれたみたいです。

ちなみに、Aさんは、運行管理者の資格は、以前、勤めていた運送会社で取得していたので、すぐにでも届出ができるそうなんですが、残念ながら、整備管理者の資格は持っていませんでした。

そこで私に「整備管理者の資格を持っているよね?うちの整備管理者になってくれない?」と外部委託をお願いされたというわけです。

ですが、Aさんに理由を話したうえできちんとお断りしました。なぜ、断らなければいけなかったのでしょうか?

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1.整備管理者の外部委託は、平成19年度で禁止に!

出典元:国土交通省

知り合いのAさんも同じ運送会社に勤めていたので、前に勤めていた運送会社のときの感覚で、私に相談してくれたんだと思います。ただ、残念ながら、平成19年度に整備管理者の外部委託は禁止されてしまったんですよね。

もちろん、誤魔化そうとしてもすぐにバレてしまいます。

法律で定められた巡回指導(国から指定された指導員が訪問してきて指導してくる)では、整備管理者選任届出の控えを確認した後、賃金台帳で名前があるか(つまり、雇用関係があるかどうか)確認してました。

だから、届出の時点で国を騙せてもすぐにバレちゃいます。

整備管理者が不在だと30日間の事業停止処分

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いまは監査方針の改正で、整備管理者が不在な場合は事業停止30日になっています。さらに運輸開始から3ヶ月以内に実施される巡回指導(2回目以降は1年~3年ごと)でも支局への速報対象になります。

そのように考えれば、整備管理者を外部委託して、その方を正社員のように見せかけて届出するのは、あまりにもリスクが高すぎます。

整備管理者は、すぐにでも資格者を探すか社員の誰かになってもらう。
もしくは、自分がなったほうが絶対にいいです。

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2.整備管理者になるのは難しいの?

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そもそも整備管理者になることは、そんなに難しいことはありません。

支局主催の「整備管理者選任前研修」に受講して修了証をもらい、2年以上の整備管理者の実務経験を会社から証明してもらえばいいだけなのです。

そうすれば、あとは整備管理者選任届を国に届けるだけ。
すぐに受理され、晴れて整備管理者になることができます。

ちなみに、実務経験は、あくまでも緑ナンバーのトラックでの経験のみ。
自家用ナンバーのトラックは対象外なので注意してくださいね^^

3.整備管理者選任前研修を受けるには?

なお、整備管理者選任前研修は、事前に予約しなければいけません。

また、受付は各都道府県によって異なりますが、トラック協会の会員事業所であれば、トラック協会が窓口になっていることがほとんどです。

非会員事業所であったとしても、とりあえずトラック協会に問合わせてみたほうがいいでしょう。

※ウチの県では、非会員事業所の受付窓口は、トラック協会ではなく支局の整備部門になってました。

4.整備管理者選任前研修の開催が少ない

運行管理者は、基本、運行管理者試験に合格しなければいけないのですが、整備管理者は研修を受講するだけで、選任される資格を取得できるのですが、問題もあります。

それは、運行管理者の研修と異なり、圧倒的に開催日が少ないということです。都道府県によって開催日数が異なるのですが、年に数えるほどしかありません。

なぜ運行管理者講習と開催数に開きがあるかというと…

整備管理者研修関係…国(運輸支局)が主催
運行管理者関係…民間(自動車事故対策機構、自動車学校、ヤマト等)

だからです。

国は講習だけを仕事にしているわけではないので、時間と人員、お金が足りないという話を聞きました。…なので、受講できるときには確実に受講しておきましょう。

5.不足の事態を考えた行動を!

整備管理者は運行管理者と比べて、選任条件は厳しくありません。整備管理者選任前研修を受講し、実務経験証明書を証明するために運送会社から押印をいただく。それだけです。

なので、外部委託するよりも整備管理者の選任要件を満たすよう行動する。また、現在の整備管理者が、突然、退職してもいいように整備管理者選任前研修に受講するよう従業員のひとりに勧めておく。

事前に不測の事態を考えて行動しておけば、何かあってもすぐに整備管理者の変更届出を提出することができ、巡回指導で「速報対象」になることを避けることができたり、行政監査で30日事業停止処分になるようなことはないでしょう。

まとめ!

整備管理者を軽んじている運送会社はたくさんあります。ですが、不在となればその処分の重さは運行管理者と同じです。そのことを忘れていると二度と立ち上がれないダメージを負うことになりますので、気を付けておきたいところです。

とくに個人経営で社長が選任されている場合は、外部委託が選択できなくなったいま、運送会社を継ぐ息子さんに、早めに運行管理者と整備管理者の資格を得るよう説得(?)し、準備を整えておきましょう。

速報制度は、法人とはいえ家族経営をしている運送会社を苦しめる内容になっていますので、特に気を付けたいところです。

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コメント

    • マルカ
    • 2017年 6月 14日

    こんにちは。質問です。
    整備管理者になる条件に2年以上の整備管理者の実務経験とありますが、
    この2年間は整備管理者ではないのですか?
    整備管理者の資格を持った人の元での実務経験ということでしょうか?

      • kokugo97
      • 2017年 6月 14日

      マルカさん、こんにちは!
      質問ありがとうございます。

      実務経験の件ですが「整備管理者に選任されるにはどうしたらいいの?」に詳しく記載しました。

      日常点検をしていても実務経験として扱われます。
      ただし、会社を転職した場合などは少し厄介で、いまの会社で2年の実務経験がなく、前の運送会社で2年の実務経験がある場合は、前の会社から実務経験証明書の印鑑をもらわなくてはいけません。

      また、実務経験はあくまでも緑ナンバーのトラックが対象なので、白ナンバーでの実務経験は対象外となります。

    • マルカ
    • 2017年 6月 16日

    遅くなりすみません。
    お返事ありがとうございます。
    緑ナンバーでの実務経験が必要なのですね。
    実はこれから緑ナンバーを取得するため、
    社内に整備管理者をおかなくてはならないのですが、
    現場の人間の「白ナンバーの実務経験」では無理なようですね・・
    ありがとうございました。

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