派遣会社から派遣されてきた乗務員の教育はどうしたらいいの?

当ブログにいつもコメントを残していただきありがとうございます。

今回、とある方から『派遣会社より派遣ドライバーの雇い入れの時、適性診断・13項目講習は必須ですか?(原文ママ)』という質問をいただきました。

派遣社員や出向社員、アルバイトをトラック運転手として運転させてもいいの?」でも紹介したように、派遣社員を緑ナンバーの車両のドライバーとして乗務させることは違法ではありません。じっさいに私の知り合いの運送会社も派遣会社を利用していました。

ただ、派遣会社の乗務員は、自社の社員ではないですよね。

そのため、「(派遣社員に)当社の教育方針を押し付けていいの?」「仮に自社で教育を行っていいのであれば、安全教育や適性診断はどのようにすればいいの?」と迷ってしまうことだと思います。そこで、今回は、派遣会社から派遣されてきた乗務員の教育について、紹介していきたいと思います。

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1.派遣された人に対して初任教育は必要か?

たとえば、とある派遣会社に所属しているAさんが〇〇運送 本社(営)に派遣されたとします。

Aさんに話を聞くと〇〇運送 本社(営)に派遣される直前まで、△△急送(有)本社(営)で乗務員として働いていたんだとか。

派遣元は同じ会社。
ただ、派遣先が変わっただけ。

Aさんが所属している派遣会社は変わっていないわけだから、Aさんは新たに雇い入れられた運転者に該当するのか迷いますよね?そして、Aさんに対して新たに雇い入れた乗務員として「①事故歴の把握、②適性診断、③特別指導」などの教育をする必要があるのでしょうか?

答えは…
実施する必要があります。

たとえ、Aさんが、最近まで別の運送会社に派遣されていたとしても…です。

ただし、過去3年以内に初任診断を受けていれば、その当時の受診結果があれば、あらためて受診させる必要はありません。その点は確認しておきましょう。また、特別指導も過去3年間に営業ナンバーのトラックに乗務していれば「任意」になります。

2.乗務員に対する安全教育は必要か?(年間)

緑ナンバーの事業用自動車に乗車するドライバーについては、1年間に国が定める指導教育指針12項目を教育しなければいけないことになっていますよね。この教育も派遣社員に対して行わなければいけないのでしょうか?

答えは…
実施する必要があります。

ただし、安全教育そのものはは外部で実施してもかまいません。
つまり、派遣会社が行っても問題はないのです。

ですが、たとえ、派遣会社が安全教育をしていたとしても運送会社が「(派遣社員の)安全会議の実施状況を知りませんでした…。」ではダメです。運送会社は、使用している自社の社員・派遣社員などにかかわらず、自社の車両に乗せている乗務員全員の安全会議の実施状況は把握しておかなければいけません。

そのため、たとえ、派遣会社が実施していたとしても教育記録簿のコピーを派遣会社からもらい、自社のファイルに保存しておかなければいけないので注意が必要です。

3.巡回指導ではチェックされるのか?

それでは、巡回指導などでは派遣社員の教育記録まで見られるのでしょうか?

答えは…
見られます。

巡回指導では、正社員の乗務員だけの帳票類(運転者台帳、事故歴の把握、適性診断の有無、特別指導等の教育)をチェックするわけではありません。派遣社員、嘱託社員、契約社員、出向社員も併せてチェックされるのです。

この教育について、よく勘違いしている運送会社が多いので気を付けておいたほうがいいです。

なお、派遣社員については、健康診断や保険関係の管理は、派遣会社が管理しているので巡回指導で見られることはありません。…なので、もしも、派遣会社から派遣社員を乗務員として使っているのであれば、教育記録をすぐに提示できる環境だけは作っておきましょう。

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4.事例

次のような事例はどのようになるのでしょうか?

【事例】
派遣会社所属のAさん
※派遣会社にて平成26年4月に初任診断を受診平成30年11月までB運送
平成30年12月からC運送

このようにAさんは、派遣会社に平成26年4月に雇われ、B運送会社に派遣されることが決まったため、初任診断を受けました。それから4年以上経過して、今度は、諸事情により、B運送会社からC運送会社に派遣先が変わることになりました。

このように、派遣社員がB運送会社からC運送会社に派遣先が変わったとき、新たに初任診断を受けなければいけないのでしょうか?

判断に迷いますね。
私もはじめてこの質問を受けたとき判断に迷いました。

そこで、運輸支局にこの内容について質問したところ、回答は次のとおり。

受診義務が発生します。

派遣社員の方は、所属する派遣会社が変わったわけではありません。なので「新たに雇い入れた運転手」の新たに雇い入れたに該当せず、改めて初任診断を受けなくてもいいような気がします。

けれど、運輸支局の見解は「受診の必要があり」。

どうやら、指揮命令者が変わるということがポイントのようで、派遣会社が変わったことで新たに受診義務が発生したというわけなんですね。

ただし、B運送会社からC運送会社へ派遣先が変わったとしても、過去3年間に初任診断を受診した実績があれば、その受診結果をC運送会社に提出すれば、新たに適性診断を受診させる必要はありません。

まとめ!

人員が足りなかったりすると派遣会社の乗務員を活用することもあるかと思います。

そのとき、どのように教育すればいいのか、適性診断の取扱いはどのようにしたらいいのか…について、把握しておくと、いざというときに対応することができますよ。

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コメント

    • コザル
    • 2018年 11月 19日

    派遣元の会社で適性や健康診断、必須教育を受けた上で、派遣ドライバーとして運行させている場合であっても、自社内でも同様となるのでしょうか?

    • トラックの杜
    • 2018年 11月 21日

    コザルさん、はじめまして。

    派遣ドライバーを運行させる場合の教育についてですが、

    〇適性診断…貴社に派遣されたとき、3年以内の初任診断が必要になる。3年以内に受けている診断結果がなければ、改めて受診する必要ありとのこと。(支局確認済み)
    〇教育…外部で教育させても問題なし。そのため、派遣会社が実施しても問題なし。ただし、教育の有無の把握が必要。(教育の議事録(写)をもらう等)
    〇健康診断…基本、派遣元が実施(※そのため、巡回指導などでも派遣社員であれば、健康診断結果を確認されることはない。)

    以上になります。
    よろしくお願いします。

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