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深夜業の特定業務従事者の健康診断の対象者とその根拠について解説

一般貨物運送事業の巡回指導において、深夜帯(22:00~5:00)で業務する運転手…いわゆる特定業務従事者については、半年に1度、健康診断を受診するよう指導を受けることがあります。

私も当時、巡回指導を受けたときに、特定業務従事者に対して、半年に1度、健康診断を受診するよう指導されました。しかし、上司から、その法的根拠について問われたとき、答えられずに、調べても調べても根拠がわからなかった記憶があります。

そこで、今回は、特定業務従事者の健康診断について特集していきたいと思いますので、参考にしていただければと思います。

1.特定業務従事者の健康診断とは?

特定業務従事者は、深夜帯(22:00~翌5:00)に働いている人が対象になりますが、このように不規則な時間に仕事をしている労働者は、労働安全衛生規則第45条に基づいて、特定業務への配置替えのときや6か月以内毎に1回、定期的に健康診断と同じ項目を実施しなければいけないことになっています。

ちなみに、↓がその労働安全衛生規則第45条になります。

(特定業務従事者の健康診断)
第 四十五条 事業者は、第十三条第一項第二号に掲げる業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び六月以内ごとに一回、定期に、第四十四条第一項各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。この場合において、同項第四号の項目については、一年以内ごとに一回、定期に、行えば足りるものとする。

なお、後半に記載されている、同項第4号の項目とは「胸部エックス線検査」のことを指しています。つまり、「胸部エックス線検査」は、1年に1回、定期的に行えばOKということになるんですね。

2.特定業務とはそもそも何?

特定業務従事者の「特定業務」とは「そもそも何?」と思ってしまいますよね。この「特定業務」については、労働安全衛生規則第13条第1項第2号に記載されています。

労働安全衛生規則第13条第1項第2号に掲げる特定業務

イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務
ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
ホ 異常気圧下における業務
ヘ さく岩機、鋲(びよう)打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務
ト 重量物の取扱い等重激な業務
チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
リ 坑内における業務
ヌ 深夜業を含む業務
ル 水銀、砒(ひ)素、黄りん、弗(ふつ)化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
ヲ 鉛、水銀、クロム、砒(ひ)素、黄りん、弗(ふつ)化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務
カ その他厚生労働大臣が定める業務

よほど特殊な仕事をしていない限り、トラック運転手が関係してくるのは「ヌ 深夜業を含む業務」になるので、ココに該当しているか否か確認すれば問題ないかと思います。。

3.深夜業を含む業務の根拠は?

なお、深夜業を含む業務について、冒頭から「22:00~5:00まで」の時間帯である…と紹介していますが、この根拠を探してもなかなか見つかりません。じつは、かなり古い通達で「深夜業を含む業務」について示されています。

その通達は、なんと戦後すぐの昭和23年10月1日 基発第1456号に書かれています。↓がその内容です。

「深夜業を含む業務」とは業務の常態として深夜業(22:00~翌5:00)を1週1回以上又は1か月に4回以上行う業務をいう

通達内容を労働基準監督署に通達を見せてもらおうと思のですが、残念ながら、見せてもらえませんでした^^;ひょっとしたら、かなり古い通達なので労働基準監督署にもないのかもしれませんね。

ただ、その代わりと言っては何ですが、厚生労働省・京都労働局が発行しているリーフレットにも、「深夜業の定義」について次のように記載されています。

深夜業を1週間に1回以上または1か月に4回以上を行っていたら、健康診断半年に1度実施しなくてはいけないルールはなかなか厳しいですね^^;

長距離輸送をしていたら、まず間違いなく該当してしまいまそうです。

4.健康診断項目

特定業務従事者の診断項目は次のとおりになります。

ただ、「4.胸部エックス線検査及び喀痰(かくたん)検査」の◎については、1年に1回、定期的に行えばOKということになっています。

また、☆印の項目6~9、および11については、前回の健康診断で受診している者について、医師が「必要ない!」と認めるときは、当該項目の全部または一部を省略することも可能になってます。

併せて、※印の項目についても、定期健康診断と同趣旨なため、厚生労働大臣が定める基準に基づいて、医師が「必要ない」と認めるときは、省略できることになっています。

つまり、簡単にまとめると「特定業務従事者の健康診断については、医師の判断で省略される項目もある」ので、事前に確認しておいたほうがようさそうです。

5.よくある疑問!

よくいただく質問をまとめてみました。
質問があれば、随時、追加していきたいと思います。

Q1.深夜業は、22:00~翌5:00までの間のようですが、仮に朝4:40に出社した場合も該当するのでしょうか?

A1.該当します。

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