運行管理者一般講習は2年に1度、受講義務があるけれど…「年」?それとも「年度」?
運行管理者に選任されると、2年に1度、一般講習を受講しなければいけませんよね。
運行管理者の一般講習では、講師の話を聞いたり、ビデオを見なければいけないので、まさに地獄の1日と言ってもいいのですが、意外に寝ている人が少なく、みなさん本当に真面目に受講しています。
私は、正直、いつもウトウト睡魔と闘っています^^;
さて、そんな運行管理者の一般講習ですが「2年に1度受講しなければいけない」と耳にしますよね?
ですが、その「年」とは、1月~12月の期間なのか?それとも、4月~3月の期間なのか?気になったことはありませんか?
そこで、今回は、運行管理者の一般講習の2年に1度の受講間隔の”年”について考えていきたいと思います。
1.運行管理者一般講習の受講は年度毎
運行管理者の一般講習の「2年に1度…」の”年”は、結論からいえば”年度”になります。
年度ということは…
↑のようなことが起きてしまいます。
つまり、受講した本人は、①平成27年3月、②平成29年7月に一般講習を受講したので「俺は2年に1度受講した!」と思っていることでしょう。
けれど、巡回指導や行政監査では、平成27年3月に受講した一般講習は、平成26年度受講として扱われてしまうのです。
そのため、 適正化指導員や監査部が一般講習の受講状況を見ると…
①平成27年3月 ⇒ 平成26年度の受講
②平成29年7月 ⇒ 平成29年度の受講
になってしまうわけなんですね。
このようにして年度に置き換えるとわかりやすいのですが、手帳で受講履歴を見ただけでは見落としやすいものです。
たとえ、ミスであったとしても行政監査では、運行管理者の一般講習を「2年に1度受講していない」とみなされ、処分を受けてしまうということになってしまいます。
2.2年以上経過してもOKなケースもある
それでは、次のようなケースはどうでしょうか?
- 平成27年4月に受講
- 平成30年3月に受講
平成27年4月に受講したのち、2年9か月後の平成30年3月の一般講習を受講しています。パッと見た感じ、かなりの月日が経過しているようにも見えますね。
でも、先ほど、説明した通り、運行管理者の一般講習の受講の有無はあくまでも”年度”でしたよね。
そのため、本人としては指摘されるかもしれないと思っていても、巡回指導や行政監査では…
平成27年4月受講 … 平成27年度受講
平成30年3月受講 … 平成29年度受講
として扱ってくれます。
平成27年度と平成29年度の受講なら、2年に1度の受講はクリア。だから、このケースでは行政処分を受けることはないというわけなんですね^^
3.おまけ
① ㈱A運送 本社営業所
② 運行管理者 田中さん
・平成27年度に一般講習受講。
・平成29年度に一般講習受講義務あり。(まだ受講していない)
ここで問題です。
↑の運送会社があったとします。
この条件のもと、平成30年2月に行政監査が行われたのですが、運行管理者の田中さん、なんと平成30年3月までに受けなければいけない一般講習をまだ受講していません。
しかも、A運送があるB県では、一般講習の開催は1月まで。
このようなとき行政監査はどのような判断をくださすのでしょうか?
回答!
田中さんは、本来、平成30年3月までに受講すればいいのですが、B県では、平成29年度内の一般講習はすでに終了しているため、「今年度、運行管理者の一般講習を受講することは不可能!」として、A運送は、運行管理者の講習受講義務違反として行政処分を受けてしまいます。
ですが、ここで運行管理者の田中さんは「隣のC県では運行管理者の一般講習はまだ開催されている。私はそちらに参加する予定だ。」と監査官に言いました。
すると…、行政処分から免れることができるのです。
つまり、運行管理者の一般講習は、通常、県内で受けるものですが、他県で受講しても構いません。
そのため、県内の一般講習が終了すると、通常、まだ期間が残っていたとしても行政処分の対象になるのですが、監査官の前で「他県では開催されている!他県で受講する。」といえば、処分できなくなってしまうというわけなんです。
県によって、一般講習の開催回数にバラツキがあります。
だからこそ、開催回数が少ない地域では使える裏ワザになります。
限られた場面ですが、もしものときには使えるので、窮地に陥ったときに覚えていたら使いましょう^^
※もちろん、一般講習も受講しましょうね^^
まとめ!
私の知り合いには、前回、運行管理者一般講習を平成27年7月に受講したから、今回は、平成29年7月までに講習を受けなければいけないと考えていた人もいました。
つまり、前回講習を受講した日から、2年以内に講習を受けなければいけないと思っていたんですね。
けっしてそのようなことはありません。
運行管理者の一般講習は”年度”計算で2年に1度ということを覚えておきましょう!
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コメント
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初めまして。H28年10月に運行管理者に選任され現在(H30年4月)まで一般講習を受けていません。引き延ばす特例を使用してもH30年3月までが限度だと思いますが、この場合どこへ問い合わせしたらよいのでしょうか?また、早急に受講すれば大丈夫なのでしょうか?
はじめまして!
ご質問ありがとうございます。
本来、選任年度に受講しなければいけないけれど、
選任年度では、所属している都道府県では、すでに一般講習の開催が終了していたため、
翌年度の平成30年3月までには受講しなければいけなかった。
でも、仕事が忙しく、
結局、その平成30年3月までも受講することができなかった。
このようなとき、どうすればいいの?
…というのは、多くの運行管理者が体験していると思います^^
これは、早急に運行管理者講習を受けて下さいとしか言えません。
行政監査では、直近の運行管理者の受講状況を確認します。
(特別講習+一般講習2回は除く。)
なので、現在、行政監査が立ち入ると初違反でも
10日車の処分が下されることになりますので気を付けましょう^^
回答ありがとうございます。監査の前に早急に一般講習を受ければ大丈夫なものですか?
ご質問ありがとうございます。
監査手法については、
運輸支局も公開していないので断定して言えません。
これは、あくまでも私の知り合いの運送会社や地域からの話によると、
監査も巡回指導も直近の一般講習しか見ていないようです。
詳しい回答ありがとうございました。早急に一般講習を受けるようにしたいと思います
現在、貨物の運行管理者の資格を持っており 昨年 運行管理者の基礎講習も受講して、運行管理者に選任され業務も行っています 当社には別に 旅客の業務もあり 今回は 旅客の運行管理者試験を受験する予定になってます それで 旅客の運行管理者となる為にまた再度、運行管理者基礎講習は受講はしないといけないのでしょうか?
菊池様、はじめまして!
さて、運行管理者の講習ですが、いまは基礎講習も一般講習も旅客と貨物、それぞれ分かれています。
そのため、基礎講習は、貨物を受講していたとしても改めて旅客用の基礎講習を受講をする必要があります。
運行管理者に任命されていない場合2年に1回の講習は受講しなくていいんですか?
齋藤さま、はじめまして。
運行管理者に選任されていない場合は、
2年に1度の講習を受講しなくても問題ありません^^
4年前に運行管理者の試験に合格しました。
合格証書をいただきましたが、講習は受けてません。
運行管理者に選任されまして、手帳を提出するように言われましたが持っていません。手帳をいただくためには何をすればいいいいのでしょうか?
佐藤様、はじめまして!
運行管理者の手帳は、基礎講習や一般講習に初めて受講するときに作成してもらえます。
そのため、写真が必要なので、準備しておきましょう。
※例:自動車事故対策機構では、受講前6ケ月以内に撮影した無帽、正面縦3 .0cm 横2 .4cm の写真裏面に予約番号、会社名、氏名を記入してもってくるよう指示があります。予約するときに確認しておいたほうがいいですよ。
初めまして。
質問させてください。運行管理者の試験を受け平成24年に合格しました。
その後、講習に行く機会がなく、今まで手帳ももらっていませんでした。
今回、手帳をもらいに行きたいのですが、講習は何を受ければいいのでしょうか。
運行管理者さん、はじめまして!
基礎講習・一般講習いずれかを受講した場合、手帳が発行されますよ。
お返事ありがとうございます。
基礎講習を受けていない場合、基礎講習から受けなければならないんでしょうか。
お返事ありがとうございます。
平成24年度から、新たに選任した運行管理者で基礎講習を受講していない場合は、運行管理者に選任された年度に基礎講習を受講することになっています。もしも、
平成13年に資格を取得致しましたが、2年毎の講習は1度も受講したことがありません。会社で選任された方が受講すればよいのでしょうか。また、関東で取得いたしましたが、現在福岡にいます。手帳を所持していませんが、他県でも発行は可能ですか?
中島様、
ご質問ありがとうございます。
運行管理者資格は、取得しただけでは、
講習の義務は発生しません。
会社の運行管理者に選任されてはじめて
講習の義務が発生します。
※運行管理者 補助者に選任されても
講習の義務は発生しません。
また、他県で受講してもOKですし、
どこでも手帳は発行してもらえます。
ただし、資格者証を紛失して、再発行するときは、
当時取得した地域先で問い合わせすることになります。