長距離輸送のトラックは1運行144時間以内に戻らなくてはいけない法則!

トラック運送会社は守らなければいけない法律がたくさんあります。
とくに長距離輸送をしていると、事業法や改善基準告示などについてとくに意識せざるを得なくなります。そのうちのひとつが一運行144時間以内のルールです。
この一運行144時間以内というのがどのようなものか…知っている人も復習を兼ねてみていただければと思います。
1.一運行とは?
そもそも一運行とはどのようなものでしょうか?
簡単にいえば「所属している営業所から出庫してから、また所属営業所に帰庫するまで」のことを指します。
つまり、↑のイラストのように、
出発:所属する営業所で【対面点呼】して出発
~運行中~ 帰着:所属する営業所で【対面点呼】して終了 |
これが一運行なんです。
たとえ、同じ運送会社でも別の営業所に立ち寄っただけでは、一運行が終了したことにはなりません。出発した営業所に戻って、乗務後点呼を行ってはじめて一運行が終了するというわけなんですね。
2.1運行144時間まで
では、「所属している営業所から出庫してから、また所属営業所に帰庫するまで」はどのくらいの時間まで許されるのでしょうか?
長距離輸送をしている人は気になりますよね。
じつは、輸送安全規則第3条に「一運行144時間以内」と書かれています。
けれど、なぜ144時間なのでしょうか?
内訳をみるとわかりやすいです。
1日は24時間ですよね。144時間を24時間で割ると「6」という数字が出てきます。「144時間=24時間×6日」
つまり、6日間以内に所属している営業所に戻らなければいけないということなんですね。
3.フェリーに乗船する場合を除く
1運行144時間以内というルールがありますが、例外もあります。
それがフェリーの乗務時間です。
なお、運行途中でフェリーに乗船したときの運行期間は、「乗船中の休息期間」を除いた時間が144時間を超えてはいけないことになっているんですね。
※つまり、フェリー乗船中の休息期間は、一の運行の制限である 144 時間に含めなくていいことになっています。
4.遠方の地での休日も144時間に含める
では、仮に遠方に行ったとき、出先にて休日を取得した場合は、どのようにみなされるのでしょうか?
じつは、休日の時間帯も例外なく、一運行の144時間に含めることになります。
そのため、運行した日が少なくても、144時間以上になってしまうこともあるので注意が必要になります。
まとめ!
いかがだったでしょうか?
つまり、長距離輸送は、6日以内に出発した所属営業所に必ず戻らなくてはいけないことになっています。
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コメント
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長距離運転ではないのですが、144時間ルールについて質問があります。
緑ナンバートラックに荷主の機材を積んだまま約1か月間の移動展示の話しがあります。展示会場は1週間ごとに変わりますので、移動は1か月間で4回を予定しており、それぞれの移動距離は50km~100kくらいです。ですが、荷主の機材はトラックに積んだままのものもあるため、トラックは車庫へ戻ることなく約1か月間の貸し切りとなります。ですが、展示会の期間中は運転手は不要なので、運転手はトラックを会場へ置いたまま公共交通機関などで会社へ戻ります。そして次の移動にはまた運転手がトラックを置いてある会場へ向かい次の会場へと運転します。
144時間ルールを調べても運転手の乗務時間や拘束時間は書かれておりますが、このような場合についてはどのような扱いになるのかよくわかりません。似たようなケースでは、コンサートツアーなどのトラックはどのような扱いになっているのでしょうか。ご教示をお願いします。
小川様、ご質問ありがとうございます。
今回の質問については「別記事」にまとめましたので参考にしていただけれると幸いです。